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5月に旬を迎える魚介一覧
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5月頃に旬を迎える魚をご紹介します。
また、おいしい食べ方も紹介するので、参考にしてみて下さい。
5月に迎える魚介とおすすめの食べ方
アイナメ
この時期のアイナメは産卵を終えて栄養を蓄えてきますので、身が最も充実して良い時期になります。ただし、暖かくなるにつれ深場に移動するため、水揚げはあまり期待出来ず、価格もそれなりに上がってしまいます。また、冬場と異なり、中小型サイズが多くなります。
アイナメのおすすめの食べ方
大振りなものであればお刺身でも良いのですが、この時期は小振りなサイズが多いので、小さなものは丸ごと食べられる唐揚げがお勧めです。
開きや二度揚げなど手間がかかりますが、頭から尾の先まで全て美味しく頂くことが出来ます。
マアジ
マアジはほぼ全国で水揚げがあり、夏には堤防釣りの対象となることなどから、非常になじみの深い大衆魚です。本来回遊性の魚ですが、内湾に住みついた物を「瀬付きアジ」などと言い、こちらは脂が程よくのり、体色が黄色味を帯びることから「金アジ」とも呼ばれ、ものによっては高値で取引されることもあります。一方、回遊性のアジは全体に黒っぽく、常に外洋を泳ぎ回っていることから身は締まりますが、スリムで脂ののりが少ないため、前者と比べると安値で取引されることが多いようです。
産地としては、長崎県が抜きんでており、次いで島根県、3位以下は福岡県、愛媛県、鳥取県などがほぼ横並びで、西日本に集中しています。
マアジのおすすめの食べ方
鮮度が良いマアジのお刺身は、大きさに関わらずとても美味しく、これから夏にかけて脂がのってくるので、さらに旨味が増します。
また、細かく叩いてタタキにしたり、味噌などと和えてナメロウにするとご飯にも良く合います。
小さなものは、そのまま唐揚げにしたり、南蛮漬けにすれば、丸ごと食べることが出来ます。
また、大きさを問わず、塩焼きやフライはとても美味しいです。
加えて、干物の原材料としては秀逸で、マアジの干物は各産地で名物にもなっています。
マルアジ
マアジと比べ体の断面が丸くなっており、これが名前の由来になっているようです。
1年中水揚げがあり、身質にも大きな変化がないことなどから、旬がわかりにくい魚のひとつです。
産卵期は地域によって多少差がありますが、4月から8月にかけてで、この時期に接岸し水揚げが増えるため、初夏から夏を旬とする地域もあれば、身質が良くなる産卵後の秋から初冬を旬とする地域もありますが、前者を旬とする地域の方が多いです。
マアジと時期が被ることもあり、流通価格はかなり安く、とてもお財布に優しい魚です。
マルアジのおすすめの食べ方
この時期は産卵期なので、ただでさえ少ない脂肪がさらになくなります。
あっさりしたものがお好みならお刺身でも良いのですが、こういう時は油を加える調理の方が良いので、ソテー、フライ、唐揚げなどがお勧めです。
クロアナゴ
クロアナゴは関東以南でよく見られ、大きくなると1m以上にもなるため、夏の東京湾では釣りの対象魚として人気があります。しかし、マアナゴと比べて味が落ちるなどの評価もあり、値段が取れないことなどから、水揚げはそこそこ期待できるものの本種を目的とした漁はありません。廃棄されてしまうこともあれば、よく似たダイナンアナゴと区別されることなく流通するなど、少々雑な扱いをされています。そこまで味が悪いわけではないのですが、近縁種のマアナゴと同様に初夏から夏にかけて水揚げが増えることがこう言ったことを引き起こしているのでしょう。
島根県、長崎県、宮城県などで水揚げが多く見られ、産地では普通に流通しています。
クロアナゴのおすすめの食べ方
脂ののりもよく、透明感のある白身で、加熱しても硬くならないなど、毛嫌いされる要因は少なそうですが、アナゴと言えばやはり小骨が多いのが特徴で、クロアナゴのように大きくなると小骨とは言いにくくなるほど骨が気になりますので、骨切りが必要になります。また、体が大きい分、皮も厚くなりますので、加えて皮を柔らかくするなどの工夫も必要です。
これらの下処理をきちんとすれば、何にでも対応できる美味しい魚です。
※アナゴの血液にはウナギと同じように血清毒のLD50が混じっているため、鮮度が良くても、うかつに生食はしないように注意して下さい。血清毒はたんぱく質なので60℃以上で5分間加熱すると無毒になりますが、生食する場合は、徹底的に血を洗い流す必要があります。
マアナゴ
マアナゴの生態はウナギと同様に不明な点が多いです。産卵期は6月から9月にかけてと言われており、沖ノ鳥島南方沖の九州パラオ海嶺付近で産卵することが発見されています。初期の稚魚はレプトケファルスと呼ばれる透明な幼生で、1月から5月頃にシラス漁で混獲され「ノレソレ」とも呼ばれ、食用とされています。
成魚は背から体側にかけて茶褐色で、体側の側線孔に白点があり、これが尾まで一列に連なっているのが他のアナゴと異なる特徴です。
1年中水揚げがありますが、美味しいとされているのは5月から8月の夏で、この時期に一番脂がのるとされていますが、理由はよくわかっていません。
主な産地は、長崎県、島根県、宮城県で、海域としては瀬戸内海、有明海などが多く、江戸前として著名な東京湾は残念ながら少ないようです。最近は対馬のものが評価が高く、流通が増えています。また、韓国などからも活物や冷凍で輸入されています。
マアナゴのおすすめの食べ方
スーパーなどに並んでいるのは開いたものがほとんどですが、丸魚を買う場合は、表面のヌメリが透明なほど新鮮で、体色が濃く白点がはっきりとしている物が良いとされています。
味が良くなるのは40cm程度のものと言われていますが、どのように調理するかで、サイズを変えた方が良く、天ぷらなどにする場合は小さめのもの、蒲焼などにするには少し大きめのものが良いでしょう。
※アナゴの血液にはウナギと同じように血清毒のLD50が混じっているため、鮮度が良くても、うかつに生食はしないように注意して下さい。血清毒はたんぱく質なので60℃以上で5分間加熱すると無毒になりますが、生食する場合は、徹底的に血を洗い流す必要があります。
イカナゴ
5月のイカナゴは相当大きくなり、中には20cmを超えるものも出てきますので、この時期ならではの調理が必要となります。
イカナゴのおすすめの食べ方
大きいもので鮮度が良ければ、お刺身にして食べることができます。下ろしてしまうと可食部分は少なくなりますが、イカナゴのお刺身はこの時期しか食べることが出来ないので、機会があれば試して欲しいもののひとつです。また、焼物、煮物にしても食べ応えがある時期です。
イサキ
イサキは6月頃から産卵期に入るので、5月は食欲が非常に旺盛となり身が一気に太くなります。
下旬には抱卵したものもチラホラ見えるようになりますが、未成熟なものが多いので卵はまだ期待出来る時期ではありません。
イサキのおすすめの食べ方
イサキは産卵前に荒食いするので、食べた餌が消化されずに残っていることがあります。お腹が膨らんでいると抱卵しているのではないかと期待しますが、腹を開けてがっかりすることもありますので、心配な場合は調理済のものを選ばれると良いでしょう。
卵や白子がまだ大きくないものは、脂ののりも良いので、お刺身はもちろん、焼魚などでも美味しく頂くことが出来ます。
セトダイ
セトダイは瀬戸内海、有明海など内海にみられる小型の魚で、東日本ではほとんど見られません。市場流通もほとんどない知る人ぞ知るレアな魚ですが、岡山県や広島県の産地では、時期になるとスーパーなどにも並び、煮物用として人気があります。
産卵期など詳しいことはわかっていませんが、春から夏にかけて底引網で水揚げが見られます。
セトダイのおすすめの食べ方
産地では煮付用として人気が高いのですが、この時期のものは脂がのっているので、塩焼きにしても美味しいです。小さい魚ですが、旨味が強いので、和洋中なんにでも合うようです。お刺身も美味しいと言われていますが、小さい上に歩留まりが悪いので、食べられるところはほんの少しになります。
イシガキダイ
西日本から南日本の暖海域で1年中水揚げがありますが、その量は極めて少なく、市場に出回ることはほとんどありません。春から初夏にかけて産卵を迎え、磯周りに集まるため、釣りの対象魚となるため、少ないながらもお目にかかる機会が増えます。身が充実するのは産卵を終えた秋から冬なのですが、この時期にお目にかかることはまずないので、春から夏にかけて水揚げが増える夏が旬となります。
イシガキダイのおすすめの食べ方
鮮度が良ければお刺身が良いですが、若干磯臭さが残る場合もありますし、活きているものは身が非常に硬いので、下処理をしっかりして最低でも1日は寝かせた方が良いでしょう。ただし、大きなものはさらに身が硬くなるので、お刺身には不向きと言われています。この時期は脂はさほどないので、加熱調理する場合には、濃いめの味付けにしたり、油分を加えたりするなどの工夫が必要です。
※60cm超える大型サイズは、ごく稀にシガテラ毒を持っている場合がありますので、捌く時に内臓は絶対に破らないようにして、しっかりと腹の中を水で洗う、大きなものや暖海が産地のものは避けるなどの配慮が必要です。
イシダイ
イシダイは西日本から南日本の暖かい海域で1年中水揚げされていますが、漁は少なく、スーパーなどで見かけることはほとんどありません。ただ、わずかながら養殖を行っているところもありますので、料理屋などで見かける機会は増えています。春から初夏にかけて産卵を迎え、磯周りに集まるため、この時期は磯釣りの対象魚として人気が高くなります。また、小さなものは堤防釣りなどで見かけることもあります。
イシダイは1年を通して身質が大きく変化する魚ではないのですが、秋から冬にかけてはしっかり脂がのると言われています。しかし、冬場はほとんど水揚げがないため、産卵期前から産卵期に当たる春から夏にかけて水揚げが増える夏が旬となります。
イシダイのおすすめの食べ方
鮮度が良ければお刺身が良いですが、若干磯臭さが残る場合もありますし、活きているものは身が非常に硬いので、下処理をしっかりして1日は寝かせた方が良いでしょう。大きなものは身がさらに硬くなるので、お刺身には不向きと言われています。この時期は脂はさほどないので、加熱調理する場合には、濃いめの味付けにしたり、油分を加えたりするなどの工夫が必要です。
※60cm超える大型サイズは、ごく稀にシガテラ毒を持っている場合がありますので、捌く時に内臓は絶対に破らないようにして、しっかりと腹の中を水で洗う、大きなものや暖海が産地のものは避けるなどの配慮が必要です。
メダイ
1年中全国各地で水揚げがありますが、何故かメジャーな魚にならない魚です。流通しているものの多くは50cmから60cmくらいですが、大きなものは1m程度にもなること、産地も伊豆半島沖から小笠原諸島、種子島や屋久島周辺など広く、鹿児島県ではプライドフィッシュにも指定されていることなどから考えて、認知されない理由はなさそうなのですが…。
産卵期は冬なので、その前の夏から秋が旬となりそうなものですが、産地によって様々な説があり、三重県では春、鹿児島では1月から3月、山陰では7月から10月にかけてが、脂がのり美味しいとされています。また、季節ではなく、脂ののりに個体差があると言う説もあります。ただ、全国的に見ても夏に水揚げが増える傾向が高いようです。
メダイのおすすめの食べ方
脂を含んだ白身でクセや臭みがなく、火を通しても程よい食感で硬くなりにくいのですが、個体差が激しい一面があるため、身質を確認して調理法を変えた方が良いかも知れません。身に透明感がある場合は鮮度が良い証拠なので、お刺身にお勧めです。若干濁りが入った場合は、脂が多い場合もありますが、煮物や焼物など加熱調理に向けた方が無難です。
身離れが非常に良い魚ですので、皮や骨を付けたまま調理しても構いません。
マイワシ
マイワシは大きさによって呼び名が変わり、よく知られているところでは、シラス(稚魚)、ヒラゴ(10cm未満)、小羽(コバ 10cm前後)、中羽(チュウバ 15cm前後)、大羽(オオバ 20cm前後)と呼ばれています。
大きくなると、体色は背が黒に近い紺色で腹は銀色に光ります。また大きな特徴として、ナナツボシと呼ばれる黒い斑点が背と腹の境目あたりに並びます。しかし、流通中に擦れて取れてしまうことも多いので、スーパーに並んでいるものにはないことがあります。
以前は日本海側に水揚げが集中していたのですが、近年は太平洋側、またここ数年は水揚げがなかった北海道で増えており、年によって産地が変わるようです。加えて、回遊魚のため各地で水揚げ時期がずれることもあり、1年中どこかで水揚げがあり、いつが旬とも言い難いのですが、一般的には5月から10月にかけてが旬で、特に梅雨時に脂がのるとされ、この頃のマイワシを入梅イワシとも言います。
マイワシのおすすめの食べ方
マイワシは極端に鮮度落ちが早い魚なので、とにかく鮮度の良いものを選びましょう。鱗がしっかり残っている、背が紺色、腹が銀色、ナナツボシがしっかり残っている、眼に透明感がある、腹がふっくらして破れていない、ドリップがないなどが鮮度の良い条件です。
鮮度が良ければ、もちろんお刺身が良いのですが、時期によって脂が相当乗る場合があるので、このような時は軽く酢締めした方が良いとされます。
焼物、煮物、揚物など何でもできる万能選手ですので、旬の美味しい時期には、たくさん召し上がって頂きたい魚のひとつです。
また、干物には独特の風味があり、酒の肴にはもってこいと言われています。
ドジョウ
昔はどこにでもいた淡水魚で、味も良いことから各地で食用とされていました。東京など関東地方には老舗のドジョウ屋が何軒かあり、金沢では蒲焼きが昔から食され、新潟の夏には柳川鍋がなくてはならないなど、非常に馴染み深い魚ですが、河川の開発や農薬の使用などから激減し、現在はほぼ養殖で賄われています。今ではかなり高級なものとなり、国産で賄えないものは、中国や台湾などから輸入されています。国内で養殖が盛んなのは、新潟県、島根県、大分県などですが、決して多くはありません。
美味しい時期には諸説ありますが、一般には産卵前の春から夏が良いとされています。
ドジョウはウナギに勝るとも劣らない栄養価があると評される魚なので、今でもスタミナ食材として扱われます。
ドジョウのおすすめの食べ方
ドジョウ料理と言って最初に思いつくのはやはり丸鍋でしょう。丸ごと入っているので、見た目で敬遠する人も多いようですが、一度味わうとリピーターになる人もかなりいるようです。その他は、オーソドックスですが柳川鍋、蒲焼、ドジョウ汁、唐揚げなどがお勧めです。スーパーに並ぶことはまずないですし、あったとしても調理が大変なので、専門店などでお召し上がりになるのが良いでしょう。
オニオコゼ
不細工な顔と背鰭の棘に強い毒を持つことで知られており、万一棘が刺さると激しい痛みと共に患部が腫れあがり、病院での手当てが必要となるので注意が必要です。
しかし、それでいてすこぶる美味しいことから高級魚として扱われ、特に活物は高級料理店での引合いが多いため、かなりの値段で取引されています。
主産地は三重県、瀬戸内海沿岸、九州などで、各地で種苗養殖と放流が行われているほか、わずかながら養殖も行われています。
1年中水揚げがありますが、産卵期の5月から8月頃にかけて水揚げが増えます。ただ、身が充実する時期は真冬から春先にかけてで、この頃は脂を蓄えて肝も大きくなりますので、年2回旬があると言った方が良いでしょう。夏は水揚げが比較的多い上に、小さなものは安価なのでスーパーに並ぶこともあります。
オニオコゼのおすすめの食べ方
お刺身で食べるなら活物か活〆されたものが良いでしょう。また、調理に自信がない場合は、あらかじめ棘を取り除いた調理済のものを購入しましょう。
頭が大きく歩留まりの悪い魚なのですが、お刺身にする場合は、三枚におろしても薄皮が残っており、これも取り除く必要があるため、さらに歩留まりが悪くなります。
皮は丁寧に洗って湯引きすれば食べることが出来ます。アラは良い出汁が出ますので、お吸い物などにすると良いでしょう。
唐揚げにする際には、小さなものであれば二度揚げすれば頭から食べることも出来ます。
カツオ
5月になると、関東以南の各産地ではほぼ水揚げが確認され、水揚げのピークを迎えるようです。ただし、6月から7月には陸地から離れるためか水揚げが一気に減り、秋の戻りガツオのシーズンまで見る機会が減りますので、生鮮カツオを味わうのはおおむね5月で終了となります。
カツオのおすすめの食べ方
脂が乗るのはまだまだ先なので、この時期のものはタタキやお刺身などの生食がお勧めです。飽きてきたら、カルパッチョや漬けなど、軽く下味を付けた料理も良いでしょう。
※カツオにはサバなどと同様にヒスチジンという成分が含まれており、鮮度が落ちて古くなるとヒスタミンというアレルギーを起こす成分に変化しますので、鮮度が悪いものは避けましょう。
クロガシラガレイ
クロガシラガレイの主な産地は北海道で、ほぼ全域で水揚げがあり、重要な水産資源で、能取湖では採卵用親魚の捕獲から人工受精卵の放流まで増殖事業も行われています。同時期に近縁種のクロガレイも混獲され、非常によく似ているため区別されずに流通することも多いようですが、見た目通り味も変わらないとされているようです。産卵期に比較的浅いところに集まってきたところを漁獲され、抱卵したものをが煮付け魚として好まれる傾向にあるため、春先から初夏までが旬となります。
クロガシラガレイのおすすめの食べ方
臭みやクセは無く、透明感のある白身ですが、やや水分が多いため、身は柔らかめです。鮮度が良ければお刺身も良いのですが、この頃は抱卵が始まっているので、素直に煮付けにした方が卵も一緒に味わえてよいでしょう。
シロギス
シロギスは秋から冬には深いところにいますが、水温が上昇し始める3月頃から浅場に移動するため、春先から9月にかけて、多くはないものの全国で確認出来ます。秋に産卵期を迎えるため、これから食欲が旺盛となり、5月から7月に最も身が充実します。
しっかり大事に味わって欲しい、夏を代表する魚のひとつです。
シロギスのおすすめの食べ方
初夏になり、少し大きめのものが手に入りやすくなりますので、鮮度が良ければお刺身がお勧めです。皮も柔らかいので、湯霜造りなどにすれば一緒に食べることが出来ますが、身が薄いので加熱し過ぎには注意が必要です。また、適度に大きくなったものは、焼物や煮物にしても美味しく頂くことが出来ます。
キビナゴ
キビナゴは、ニシンの仲間で、スマートな体に美しい銀色をしており、中央には鮮やかな青色の帯模様が走っており、その見た目から、「帯(きび)」の「小魚(なご)」と名付けられたと言われています。
冬と初夏の2回旬があると言われており、冬は身質が良いもの、初夏は産卵期を迎えた子持ちが旬となり、鹿児島県では珍重され、欠かせない郷土料理となっています。梅雨時まで漁期が続きますので、これからお目にかかる機会が増えます。
キビナゴのおすすめの食べ方
子持ちの時期になりますので、丸ごと唐揚げ、フライ、天ぷら、南蛮漬けなどにして、卵も一緒にお楽しみ下さい。
ワカサギ
ワカサギと言えば、極寒の中で凍結した湖の一部に穴をあけて釣り糸を垂らす「穴釣り」が有名で、冬の風物詩となっていますが、実ははほぼ1年中水揚げがあります。
地域差はありますが、1月から5月が産卵期で、関東地方では1月から2月、東北地方では3月から4月、北海道は4月から6月に最盛期を迎え、この時期に子持ちのものが出回り始めます。
ワカサギのおすすめの食べ方
この時期は子持ちが手に入りやすいので、卵のホクホクとした食感を楽しむよう、塩焼き、甘露煮、天ぷらなどがお勧めです。
シログチ
標準和名で呼ばれることは少なく、「グチ」とか「イシモチ」とか地方名で呼ばれることの方が多い魚です。
水揚げが多いのは産卵期の初夏から夏にかけてで、この時期に水揚げが一気に増えます。
ただ、悲しいかな流通価格が低い魚なので、取り扱いが雑になることがありますので、購入される場合には鮮度チェックが欠かせません。
シログチのおすすめの食べ方
安価な魚で大量に獲れることもあるため、大部分がすり身の原料とされていますが、シログチを使った蒲鉾などはイトヨリと同じく高級なものになります。
この時期のものは抱卵したものが入手しやすくなりますので、卵と一緒に煮付けにするのがお勧めです。
お刺身にする場合は、身が薄くなる時期なので、大きなものを選んで下さい。
ウグイ
ウグイはコイ目に分類される日本の在来種で、沖縄県を除く日本全国に分布し、河川の上流から下流、ダム、湖などに生息しています。また海に下るタイプのウグイもおり、汽水域や海水域でも生息が確認されるなど、広範囲に生息しているにも関わらず知名度は今ひとつです。その理由は「まずい」といわれてしまうことが多いことのようです。ウグイは水質の悪いところでも生きていけるが故の「泥臭さ」や、コイ科特有の「小骨の多さ」が原因だと考えられていますので、水質が良いところで獲れたもので、鮮度が良ければとても美味しく食べることが出来ます。長野県、栃木県、富山県の一部では今でも郷土料理として提供しているお店もあります。
また、春(3月上旬から5月中旬)になると雌雄ともに鮮やかな3本の朱色の条線が走る婚姻色へ体の色が変わります。
ウグイのおすすめの食べ方
ウグイの旬は、初冬から初夏の時期までと言われています。これから初夏にかけての産卵期のウグイは卵も共に楽しめる逸品ですので、焼物、煮物、田楽、揚げ物など卵も一緒に楽しめる料理がよいでしょう。ただし、20cm以上になると小骨の多さが気になるので、調理によっては骨切りなどの処理をした方が良いでしょう。
メゴチ(混称)
標準和名でメゴチと言う魚はいますが、一般に言うメゴチとはネズッポ科魚種の混称で、セトヌメリ、ヌメリゴチ、ネズミゴチなどを区別せずにいう場合がほとんどです。
ほぼ全国で水揚げされますが、表皮にヌメリが多く嫌われることが多い魚で、水揚げされても雑な扱いを受けることも多く、釣りの外道としても有名です。また、鮮度落ちも著しく早いので、処理を怠るとすぐに臭みが出るのも嫌われる理由のひとつです。
しかし、その身は上品で甘味があり、火を通しても硬くならないので、特に天ぷらタネとして人気があります。
比較的多く水揚げされる次期の春から夏を旬とする場合が多いのですが、味が良いのは冬から春とする説もあります。しかし寒い時期の水揚げはほとんどありません。
メゴチのおすすめの食べ方
鮮度が悪いとヌメリがひどくなり、身にも臭いが移るので、とにかく鮮度が命です。
また、スーパーなどに並ぶことはまずないので、自分で釣るか、釣り好きな人に分けてもらわない限り、入手は難しいでしょう。
非常に小さい魚なので、揚物以外に向けることは難しいでしょうから、天ぷらか、唐揚げが美味しく食べる最も良い方法でしょう。
アマゴ
サケの仲間は同じものであっても、一生を淡水で過ごすか、一旦海で過ごして産卵の際に川に戻るかで、名前も大きさも変わります。アマゴは一生を川で過ごしますが、成長とともに海に出て、産卵のため再び川を遡上する降海型のものはサツキマスと呼ばれます。
天然のアマゴは、市場に出荷されるほど獲れることはなく、お目にかかれるもののほとんどが養殖で、養殖の産地としては静岡県、愛知県、岐阜県、徳島県、奈良県などがあります。天然のアマゴ(とは言ってもほぼ放流ですが)の釣りや漁の解禁日は河川を管理する漁協等により決められており、多くが3月で、夏の終わり頃まで続きます。
アマゴのおすすめの食べ方
養殖であれば、寄生虫の心配は必要ないので、鮮度が良ければお刺身にすることも可能です。
代表的な料理は塩焼きですが、田楽、煮物、ソテーはもちろん、小さなものは丸ごと甘露煮や唐揚げにしても美味しく頂けます。
※採取する場合は、管理する漁協の許可等が必要となることがありますので、ご注意下さい。
イワナ
日本に生息するイワナの仲間にはイワナとオショロコマがいますが、細かく分けると、イワナには「ニッコウイワナ」、「ヤマトイワナ」、「エゾイワナ」、「ゴギ」の亜種となり、オショロコマは「オショロコマ」と「ミヤベイワナ」の亜種に分けられますが、ここではイワナ(除くオショロコマ)として簡単に紹介します。
イワナで海降型のものはエゾイワナが知られており、この場合はアメマスと名前を変えますが、他のイワナは陸封型のようです。
現在は放流や養殖が盛んに行われているため全国で確認されますが、自然分布しているものは中国地方が南限のようです。
水温がやや高くなる3月頃から渓流などで見られるようですが、ピークは夏で、秋の産卵を控え食性も高くなります。10月になると産卵が始まるため、身がかなり痩せるようです。
イワナのおすすめの食べ方
養殖の場合はお刺身でも食べることが出来ますが、天然物(放流含む)は寄生虫の心配があるので、生食はやめておきましょう。清流で育つため、身に臭みはほとんどなく、ふっくらとして柔らかいので、料理の素材として非常に使いやすい魚です。夏の脂がのった時期の定番は塩焼きですが、バターや塩コショウなどで味付けし、さっと焼いても美味しく頂けます。
※採取する場合は、管理する漁協の許可等が必要となることがありますので、ご注意下さい。
ギンサケ
天然物は北米とロシアの太平洋岸に生息していますが、それ以外は養殖で、現在はチリで大量に養殖されています。
銀鮭は元々陸地沿いに移動する程度で、移動範囲が狭いこともあり、他の鮭と比べても養殖に向くと言われています。また、成長スピードも速く、早ければ半年程度で出荷できます。三陸地方で盛んに養殖が行われていますが、東日本大震災以降、鳥取県境港市へ拠点を移したところもあります。
国内の養殖ギンサケの出荷は4月から始まり、遅くても7月に終了します。これは鮭が寒流域の魚であるため、水温が高くなると死滅することが理由のようです。
各地でブランド化が進められており、採卵から出荷まで一貫生産するところもあります。
ギンサケのおすすめの食べ方
天然の鮭鱒類は寄生虫の心配があるのでお刺身にはできませんが、国産銀鮭は全て養殖で、鮮度が良い状態で供給できますので、生食は可能です。ただ、非常に身が柔らかいので、少し厚めに切った方が良いようです(そういうこともあり解凍ものは、お刺身としてあまりお勧めできません)。それ以外の調理に対しても万能で、あわない料理はないでしょう。出荷時期が非常に短く、時期を逃すと冷凍になってしまいますので、この時期にフレッシュを味わっておいてほしい魚です。
サクラマス
サケの仲間は同じものであっても、一生を淡水で過ごすか、一旦海で過ごして産卵の際に川に戻るかで、名前も大きさも変わります。サクラマスは川で孵化し、成長と共に海に出て、産卵のため再び川を遡上する降海型の魚ですが、一生を川で過ごすものをヤマメと言います。
主な産地は北海道で全国の7割以上を占めています。市場に流通するものはほとんどが天然ですが、近年は養殖も進められ、新潟県佐渡島和木漁港沖では「佐渡満開さくらます」というブランドで海面養殖されたものが出荷されている他、山形県遊佐町など陸上養殖も行われています。
産卵のため河川を遡上するものは、桜の開花に合わせて南から北へ3月から5月にかけて旬を迎えます。
サクラマスのおすすめの食べ方
養殖はお刺身で食べられますが、天然のものはアニサキスやサナダムシなどの寄生虫が付いていることも多いので、お刺身にする場合はー20℃以下で24時間以上冷凍したものを使います。
川に遡上すると、婚姻色となり、一気に痩せてしまいますので、沖合の定置網で漁獲されたものの方が良いでしょう。天然は産卵期と重なるため、脂はさほどのっていませんが、あっさりとした身質で、どのような料理にも合います。富山県ではサクラマスを使用した「鱒寿司」が有名で、昔は富山藩の献上品であったと言われています。
※採取する場合は、管理する漁協の許可等が必要となることがありますので、ご注意下さい。
サケ
日本でのサケ漁は産卵回遊してくるときに獲るのが基本ですが、この時期のものはおそらくロシアの河川に回帰するものが、未成熟の段階で北海道沖に回遊してきたもので、本来獲れる時期と違う時にやってくることから「トキシラズ(時知らず、時不知)」、または「トキサケ」と呼ばれます。当然この時期のものは、卵や白子に栄養が廻されるわけではないので、脂がのっており、とても味が良いため、高値で取引されます。
ただ、数が少ないこともあり、本種を目的とした漁はなく、定置網の混獲となり、7月くらいまで続くこともあります。未成熟のサケには「鮭児(ケイジ)」と呼ばれるものもいますが、こちらは秋の産卵期に混じって漁獲される未成熟のサケのことで、獲れる時期が異なります。
サケのおすすめの食べ方
近海の定置網で漁獲されたものは鮮度が良く、脂ののりもよいため、お刺身で食べたくなるかも知れませんが、天然のサケはアニサキスなどの寄生虫が付いていることが多いので、どうしても食べたい場合はー20℃以下で24時間以上冷凍したものを使いましょう。
アキサケより脂があると言っても、冬のサバのように過度な期待は出来ませんが、ハラスの部分は塩焼きなどにして美味しく頂くことが出来ます。また、身の部分はアキサケのような濃いめの味付けは避けて、あっさりとした味付けで十分味わうことが出来ます。
※採取する場合は、管理する漁協の許可等が必要となることがありますので、ご注意下さい。
タイセイヨウサケ
名前の通り大西洋の北部に生息しているサケですが、現在流通しているものはほぼ100%養殖ですので、1年中流通しています。また、アトランティックサーモンと言う名前で流通することが多く、日本国内でも単にサーモンと言うと、これを指すことが多くなりました。
1980年代からノルウェーで盛んに養殖されるようになり、その後南半球のチリ、ペルー、オーストラリアのタスマニア島でも養殖が始まりました、養殖のサケ類では最も生産量が大きくなっています。特にノルウェーやオーストラリアでは、政府指導で環境への配慮が厳しく管理されています。肉厚で旨みも強く、品質が良いという評価から、フレンチやイタリアンなどのレストランでは好んで使うようです。日本へは大半がフレッシュで空輸され、現在では刺身用サーモンと言うとタイセイヨウサケが主体で、スーパーは元より、業務筋でも多く使われています。
タイセイヨウサケのおすすめの食べ方
いつでも脂がしっかりのっていて、養殖なので寄生虫の心配もないことなどから、ほぼ100%生食に向けられますが、もちろん煮物、焼物にしても美味しく頂けます。ただ、脂肪分が多い魚なので、揚物にすると少ししつこくなるかも知れませんので、おろしポン酢などのあっさり調味料とあわせると良いでしょう。
ヒメマス
サケの仲間は同じものであっても、一生を淡水で過ごすか、一旦海で過ごして産卵の際に川に戻るかで、名前も大きさも変わります。ヒメマスは一生を湖で過ごしますが、降海型のものはベニザケと言います。
元々は北海道の特産魚で、春から夏にかけての風物詩とも言えます。阿寒湖とチミケップ湖にのみ生息していましたが、各地に食用目的で移入されました。ただし貧栄養状態で10℃から15℃程度の低い水温などの環境を好むため、温暖な地域での生育は困難で、阿寒湖、支笏湖、十和田湖、洞爺湖(北海道)、沼沢湖(福島県)、中禅寺湖(栃木県)、芦ノ湖(神奈川県)、西湖(山梨県)、本栖湖(山梨県)、青木湖(長野)など寒冷な地域でのみ移入に成功しており、今では重要な漁業資源となっています。
1年中獲れないことはないですが、10月から11月に産卵期を迎えるため、初夏から夏に食欲が旺盛となり、一番美味しい時期と言われています。
ヒメマスのおすすめの食べ方
ヒメマスの身は淡水魚にありがちな臭みが全くなく、サケ科の中でも随一の食味と評されるほど評価が高いと言われています。
養殖の場合は、鮮度に問題なければお刺身も可能ですが、天然(放流含む)の場合は、寄生虫がいることがあるので、どうしても生食したい場合はー20℃以下で24時間以上凍結したものを使用して下さい。この時期のヒメマスは質の良い脂を持っていると言われており、塩焼のようなシンプルな調理から、揚物、燻製に至るまで様々な料理にあわせることが出来ます。
※採取する場合は、管理する漁協の許可等が必要となることがありますので、ご注意下さい。
ヤマメ
サケの仲間は同じものであっても、一生を淡水で過ごすか、一旦海で過ごして産卵の際に川に戻るかで、名前も大きさも変わります。
ヤマメは一生を川で過ごしますが、成長と共に海に出て、産卵のため再び川を遡上する降海型のものをサクラマスと言います。
天然ものは非常に少なく、河川で釣られるもののほとんどが養殖です。以前は、アマゴの生息域と明確に分かれていたのですが、放流事業によりかなり入り乱れているようです。
旬は春から夏と言われており、この頃に脂が一番のるようです。
ヤマメのおすすめの食べ方
養殖であれば、寄生虫の心配はいらないので、鮮度が良ければお刺身にすることも可能です。代表的な料理は塩焼きですが、田楽、煮物、ソテーはもちろん、小さなものは丸ごと甘露煮や唐揚げにしても美味しく頂けます。
※採取する場合は、管理する漁協の許可等が必要となることがありますので、ご注意下さい。
サッパ
サッパは全長10cmくらいで、大きくなっても20cmまでと小さな魚です。一生を通して生息域を大きく変えることはせず、ほとんど回遊しません。
別称で最も有名なのは、岡山県の「ママカリ」で、駅弁の名前にもなっています。漢字で「飯借り」と書き、「用意したご飯が足りず、隣から借りなければならない程旨い」という意味だそうですが、そこまで美味しいかどうかはご自分でご判断下さい。
全国で水揚げが確認されていますが、食用とされる地域は限られており、東日本では雑魚扱いされており、廃棄されているようです。また、食用とされている地域でも値段は安く、高値になることはほとんどありません。
地域によりずれがありますが、産卵期が4月から9月くらいで、この時期に瀬戸内海で水揚げが増えます。
サッパのおすすめの食べ方
韓国の仁川などではお刺身(フェ)や唐辛子味噌和えに調理されたものが名物になっていますが、国内でお刺身で食べる地域はないようです。お刺身に出来ないことはないとは思いますが、小骨が非常に多いので、気になさらない方限定と言うことになります。
代表的な食べ方は酢漬けで、開いて甘酢に漬けることで、小骨も気にならなくなります(岡山のママカリもこの調理法です)。
揚物にすると小骨も気にならなくなりますので、唐揚げ、フライ、南蛮漬けなどもお勧めです。
ヒラ
ぱっと見ニシンやコノシロに似ていますが、全長50cmほどとかなり大きくなります。ただ、小骨が非常に多いことから敬遠される地域も多く、食用にする地域は岡山県周辺、香川県、有明海周辺などです。有明海で水揚げが多く、地元の人の間では釣りの対象魚としても人気があります。また、岡山県ではプライドフィッシュになっています。
瀬戸内海で水揚げが始まるのは3月頃から初夏にかけてで、産卵に向けて体に脂肪を蓄えるこの時期が旬となります。それ以降も水揚げはありますが、産卵後は脂がかなり落ちてしまいます。
ヒラのおすすめの食べ方
小骨が異常に多いので、どのような調理をするにしても骨切りが必須となり、産地のスーパーでは骨切りしたものを販売していることもあります。下拵えにかなり手間がかかりますが、旬の時期は脂もしっかりのって、非常に美味しいので、手間を差し引いても味わう価値はあると思います。
鮮度が良ければ、お刺身(といっても骨を断ち切るために超薄造りかタタキ)がお勧めで、透明な身に程よく脂がのったお刺身はこの時期ならではです。また、脂がしっかりのっているので、焼物や煮物でも、美味しく頂くことが出来ます。
サワラ
この時期は産卵期ですので、身はもちろんですが、卵と白子を味わう季節となります。
サワラのおすすめの食べ方
卵や白子が大きい頃です。この時期を逃すと1年先までお目にかかれなくなるので、天ぷらや煮付けなどで、しっかり味わいましょう。
アカシタビラメ
国内でとれるシタビラメ類はアカシタビラメ、クロウシノシタなどを中心に5種類から6種類で、ぱっと見で似たようなものは区別されずに流通することがあり、アカシタビラメもよく似たイヌノシタなどと区別されずに、アカシタとして販売されることが多いようです。
主な産地は香川県、徳島県、愛媛県、大阪府、岡山県など瀬戸内海沿岸で、産地ではスーパーにも並びますが、産地以外ではあまりお目にかかることはありません。
身が美味しい旬は、産卵期前までの冬から初夏と言われており、ちょうどこの時期に水揚げも増えます。
アカシタビラメのおすすめの食べ方
シタビラメの仲間は身が薄いので、お刺身にするには相当技術がいる上に、多少水っぽいので、水分を抜くなどの下処理をしたりとかなり手間ですが、好んで食べられる方もいらっしゃるようです。ムニエルにされることが多いのですが、柔らかく旨味の多い白身魚ですので、煮物、揚物などでも、美味しく頂くことが出来ます。
クロウシノシタ
北海道から九州までの沿岸域で水揚げがあり、全国的にもっともポピュラーなシタビラメです。流通量もそれなりで、スーパーなどにも並ぶことが多いようです。
旬は春から夏とされていますが、福島県では7月から9月、若狭湾では6月から7月、宮崎県では6月から8月に水揚げが多いようです。
クロウシノシタのおすすめの食べ方
シタビラメの仲間は身が薄いので、お刺身にするには相当技術がいる上に、多少水っぽいので、水分を抜くなどの下処理も必要ですが、好んで食べられる方もいらっしゃるようです。
ムニエルにされることが多いのですが、柔らかく旨味の多い白身魚ですので、煮物、揚物などでも、美味しく頂くことが出来ます。
シロウオ
シロウオは産卵期を迎える早春に海から川に遡上し、漁期は地方によって多少ずれますが、おおむね2月中旬頃から5月上旬です。早いところでは、愛媛県宇和島のように1月中旬頃から始まって2月中旬に終わるところもあります。
※シラウオとの違いはシラウオの項でご確認下さい。
シロウオのおすすめの食べ方
踊り食いが非常に有名ですが、稀に顎口虫が寄生していることがありますので、生食する場合は-20℃以下で24時間以上冷凍することをお勧めします。
加熱して食べるのであれば、かき揚げ、お吸い物などのシンプルな料理が、シロウオ自体の旨味をしっかり感じることが出来るのでお勧めです。
スズメダイ
中途半端なサイズの小魚で、小骨も多く、扱いも雑で、市場では値が付かないこともしばしばあるようです。釣りの餌取りとして煙たがられてもいますが、意外にも美味しい魚です。
小さい上に値段が安い魚ですので、本種を目的とした漁は行われておらず、生産者が消費したり、場合によっては廃棄されたりしていますが、稀にまとまった漁があると、産地のスーパーなどに並ぶこともあるようです。
産卵期は夏で、この時に小さな魚の身がさらに痩せてしまうので、食べ頃の旬は春から初夏までです。
スズメダイのおすすめの食べ方
体に似合わず、鱗は非常にしっかりとして大きいので、丁寧に取り除く必要があります。また、骨もかなり硬いので、調理には注意が必要です。
小さな魚なので、丸ごとか、開く程度の処理での調理が基本となります。揚げ物にする場合は、開いて中骨を取り除くか、二度揚げして中骨まで食べることが出来るようにした方が良いでしょう。お刺身も出来ないことはないですが、かなり手間を覚悟して下さい。福岡など九州北部では、「あぶってかも」と呼び、塩焼きが郷土料理になっています。
キダイ
標準和名のキダイで呼ばれることはなく、ほとんど「連子鯛(レンコダイ)」で流通しています。見た目はマダイによく似ていますが、マダイほど大きくはならず、20cmから30cmくらいのものが中心で、チダイと同様、マダイと比べるとやや劣るとされ、比較的安価で出回っています。冷凍されたものや、近縁種の輸入品は、結婚式の披露宴などで1尾付けで提供されることがあります。名前の由来は、体側が幅広の帯状に淡く黄色いことや、顔なども黄色い部分があることから黄色い鯛と言うところからのようです。
主な産地は山陰から九州にかけてで、特に長崎県、山口県、島根県で多く水揚げがあります。
1年中水揚げがありますが、6月から8月に最も脂がのり、秋から冬にかけてはその半分以下になってしまうとされているため、最も美味しい時期は夏となります。
ただし、産地では夏場に底引網が禁漁とするところが多く、漁法が釣りや延縄などしかないため量は少ないです。
秋冬には底引網漁が解禁となるため大量に水揚げされることもありますが、身質はいまひとつです。
キダイのおすすめの食べ方
キダイは大きさが手頃で色が美しく、皮も火を通すと柔らかいので、1尾丸ごと使う料理に向きます。特に夏場のものは、非常に良く脂がのるため、塩焼きがお勧めです。
身はマダイに比べ水分が多く柔らかいので、お刺身などにする際には、多少水分を抜く作業が必要になります。皮下の脂はとても美味しいので、湯霜造りがお勧めです。
クセのない白身なので、他にも色々な料理に使うことが出来ます。小さなものは唐揚げや南蛮漬けなどにしても良いでしょう。
チダイ
チダイはマダイとよく似ていますが、エラブタの後縁が赤く血がにじんだようになっているのが特徴で、また尾ビレの後縁にはマダイのような黒い縁取りがありません。
主な産地は山陰から長崎にかけての日本海沿岸で、東シナ海でも水揚げがあります。
1年中水揚げがありますが、秋が産卵期になりますので、春から夏にかけてが最も脂がのった美味しい旬となります。ちょうどこの頃はマダイが痩せて味が落ちることから、天然についてはマダイに代わって需要が増えることもあります。
チダイのおすすめの食べ方
マダイに比べ、水分が多く身が柔らかいため、調理する前に、塩などで軽く水分を抜いておくと良いようです。
クセや臭みの無い上品な味わいの白身魚で、お刺身はもちろん、煮る、焼く、蒸す、揚げると様々な料理に使えます。
タカサゴ
タカサゴは「高砂」と書き、非常におめでたい名前のようですが、 「たか」で岩礁、「さご」は細魚と書いて「さご」という意味があり「小魚」という意味の漁師言葉で、後から漢字を当てはめたと考えられています。
タカサゴは暖海性で、国内では奄美大島が北限とされていますが、海水温の上昇の影響からか近年ではそれより北でも確認されています。沖縄ではグルクンと呼ばれ、県魚にもなっており(沖縄でのグルクンはクマザサハナムロなどとの総称)、非常に馴染み深い魚ですが、他の地域では水揚げがそもそもないので、ほとんど流通していません。
1年中水揚げがありますが、産卵期の5月から7月に水揚げが最も多く、産地ではこの時期を旬としているようです。
タカサゴのおすすめの食べ方
鮮度が良ければお刺身も美味しいのですが、皮は硬めなので、一緒に食べられる場合は湯引きではなく、タタキのように焼き付けた方が良いようです。丸ごと唐揚げにしたり、塩焼きにしたりして食べることが多いようですが、産地では干物にしたりもするようです。
テンジクダイ
ものすごい名前が付いていますが、大きくても全長10cmほどの小さな魚で、何でこんな名前になったのかすらもはっきりしていません。
全国で水揚げは確認されていますが、食用とする地域は西日本の一部に集中しており、岡山県、広島県東部から中部、徳島県、香川県、岡山県など瀬戸内海に面する地域のなどに限られています。
消費地では「ネブト」とか「メンパチ」と呼ばれ、人気が高くスーパーにも並びますが、それ以外の地域では流通すらしていません。
これから夏の産卵期に向けて、水揚げが増えます。
テンジクダイのおすすめの食べ方
頭が大きく、硬い耳石を持っているので、取り除かねばならず、さらに内臓や鱗も取る必要がありますので、ものすごく歩留まりは悪く、かなり手間です。ただし、風味豊かな白身で、中骨も細く柔らかいので、揚物にすると骨ごと食べることが出来ます。また、すり身にして天ぷらなどにしても美味しく頂くことが出来ます。
ニギス
ニギスはキスとは別の魚で、キスに似ていることから似鱚(ニギス)と名付けられたと言われています。呼び名は産地で様々で、沖イワシや沖ウルメなどキスとは関係ないものまであります。
太平洋側よりも日本海で多く水揚げがあり、産地としては島根県が最も多く、次いで石川県、新潟県など日本海側に集中しています。ニギスは3月から5月の春と、9月から11月秋の年に2回産卵盛期があり、水揚げ増えるのも、美味しいのもこの期間と言われています。
ニギスのおすすめの食べ方
ニギスは水分量が多いため、身が非常に軟らかく、鮮度落ちが著しく早く、水揚げされるとすぐに干物などに加工されることが多いので、鮮魚で出回るのは産地に限られます。
鮮度が良ければお刺身も可能なようですが、産地ですらなかなか難しいようです。
基本的には、焼物、煮物、揚物などに向けられますが、前述した通り、身が非常に柔らかいので、調理する際には注意が必要です。
旬の時期には非常に安価でありながら、身自体は甘味が強く、栄養分も高いため、お財布にも体にも優しい魚と言えそうです。
ムツゴロウ
日本では有明海と八代海の一部にしか生息しておらず、産地でしか流通はしていませんが、そのユニークな姿や、ムツカケと言う独特な漁法は、テレビなどで広く紹介されています。
エラと皮膚の両方で呼吸が出来るため干潟の上を這い回ることが出来る変わった魚で、普段は干潟に巣穴を掘って隠れていますが、潮が引くとそこから出て干潟表面の珪藻類を食べます。天気が良ければ、冬であっても巣穴から出ることがありますが、普通は12月上旬から翌3月上旬が越冬の期間で、表には出てきません。最も多いのが産卵期の重なる夏です。
ムツゴロウのおすすめの食べ方
干潟に生息しているため、臭い抜きなどの処理が必要かと思いきや、産地では特に下処理はせず、そのまま調理しているようです。一般的な食べ方は蒲焼ですが、活きたまま串刺しにして、酒、味醂、醤油などで味付けする豪快な料理もあるそうです。他には、甘露煮、味噌汁などがポピュラーですが、加熱調理は、いずれも切るなどの下処理はせず、丸のまま調理するのが普通のようです。また、お刺身にして食べることもあるようです。
ワラスボ
ムツゴロウと並ぶ有明海の珍魚で、日本ではここにしかいません。内臓や血管が透けて見えるような紫色のぬるぬるとして気味悪い細長い魚体と、歯がむき出しになった醜悪な面構えは非常にグロテスクで、映画「エイリアン」の怪物にそっくりですが、これもハゼの仲間です。
潮が満ちると巣穴から出て、小魚、エビ、カニ、貝等何でも食べます。普段は巣穴に潜んでいるので、ナギナタのような道具で泥の中をひっかき回して獲り、夏の有明海の風物詩になっていますが、実際には底引網で獲れる方が多いようです。産卵期は6月から9月とされており、この前後に水揚げが増えます。
ワラスボのおすすめの食べ方
普通は内臓を取って丸ごと干物にし、食べ易い大きさに切って揚げたり、炙ったりして食べる、珍味の要素が高い魚です。珍しいところでは、煮付けやお刺身もあります。
スジアラ
沖縄県ではアカジンミーバイと呼ばれ、ハマダイ(アカマチ)やシロクラベラ(マクブー)とともに沖縄三大高級魚として知られていますが、本州では見かけることはまずありません。また、沖縄県では養殖も始まっており、完全養殖にも成功しています。
南の魚のため、年間を通して身質の変化はないようですが、産卵期が初夏から秋口にかけてなので、夏は身が痩せる傾向が高いようです。
スジアラのおすすめの食べ方
お刺身にする場合、鮮度が良すぎると歯応えばかりになるので、魚を味わうためには1日程度寝かせた方が良いかも知れません。加熱調理すると身が縮みやすいので、出来れば2日から3日寝かせた方がよいでしょう。非常に上品な白身なので、加熱調理する際は少し濃いめの味付けが良いようです。
ハタハタ
「ハタハタ」という名は「鳴りとどろく雷」「いかずち」を意味しており、産卵のため沿岸に押し寄せてくる11月から12月頃は雪が降る前に雷が鳴ることが多いことから名付けられたと言われています。
秋田県沿岸では、昔は大量に水揚げがありましたが、一時期極端に獲れなくなり、資源保護に努めた結果、近年漁が回復してきているようです。とは言え、ここ数年の水揚げは兵庫県(日本海側)がトップで、次いで鳥取県で、秋田県は3位止まりです。
秋田県の漁期は11月末から1月にかけてで、ブリコ(ハタハタの卵)を持っている雌が珍重され旬となります。一方、鳥取県など山陰では漁期が9月から翌年5月あたりまでで、産卵には参加しない魚群のため身に脂が多く「シロハタ」と呼ばれ、特に3月から5月が美味しい旬とされています。
ハタハタのおすすめの食べ方
ブリコを求めるなら秋田県や北海道で11~12月に水揚げされる腹が大きい雌を選びますが、この時期は身だけを楽しむようになります。もちろん、大きいものが美味しいのですが、値段もそれなりになります。
淡白でよくしまった身はウロコが無く、しょっつる鍋や味噌煮などの郷土料理として親しまれている他、正月に食べる「なれずし」や「しょっつる」の原料としても知られています。
庄内地方では12月9日の「大黒様のお歳夜」にハタハタの田楽を食べる風習があり、鳥取県では酢で締めた「白ハタ寿司」と呼ばれる郷土料理もあります。また干物の需要が高く、焼物にする場合は干物が好まれます。
ハモ
ハモは国内で4種生息していますが、食用となるのは本種とスズハモだけです。
関西で特に珍重され、京都の祇園祭や、大阪の天神祭にかかせない魚で、夏の風物詩になっていますが、その他の地域ではそこまでではなく、あれば食べるかも?レベルです。
水揚げが最も多いのは兵庫県で、次いで徳島県など、淡路島周辺などの瀬戸内海と豊後水道あたりが主な産地です。
ハモは「梅雨の水を飲んでおいしくなる」と言われ、産卵を控えた6月から7月あたりまでが最も美味しいとされています。8月には産卵が始りますが、漁のピークは9月頃となり、この頃は少しお安くなりますが、やや身が痩せています。また、晩秋あたりに獲れる物は、産卵後に旺盛な食欲を満たし身が肥え、脂がのり、体表が金色を帯びてきるため、「金ハモ」や「落ちハモ」と呼ばれ、こちらも珍重されます。
ハモのおすすめの食べ方
ハモは開いて、骨切りするという工程が入りますので、家庭で調理するには手強い魚ですが、関西のスーパーでは、開いて骨切りまでされた状態のものが売られていますし、当然調理したものもあります。切身になった加工されたものには解凍されたものもありますので、出来れば生鮮で、身に透明感があるものが良いでしょう。
基本的な料理は湯引き、蒲焼、塩焼き、天ぷらなどですが、鮮度が良いものはお刺身でも食べることが出来ます。
ヒメジ
全国各地で水揚げがありますが、本種を目的とした漁はなく、混獲で水揚げされる程度で、あまり見向きもされません。底引き網漁の際に混獲されることがほとんどなので、秋口から春先に見かけることはあるでしょうが、スーパーなどに並ぶことはほとんまずありません。実際には白身の美味しい魚なのですが、こう言ったことから市場価格はかなり安いです。
産卵期は夏から秋口のようなので、身が充実するのは冬から春までとなります。
ヒメジのおすすめの食べ方
小さいので少し面倒ですが、鮮度が良ければお刺身がお勧めです。皮は少し硬いので、引いても良いですが、焼霜造りにすると美味しく頂けます。
小さなものは、二度揚げすると、骨まで美味しく食べることが出来ます。
また、クセのない白身ですので、どのような党利に合うオールマイティな魚ですので、目に留まったら一度試して欲しいものです。
ヒメダイ
本種を目的とした漁はなく、産地も不明瞭ですが、沖縄県、小笠原諸島、高知県、鹿児島県などで水揚げが見られます。産地では、味の評価が高く高級魚として扱われていることもありますが、水揚げが少ないため、消費地へ送られることはほとんどありません。
沖縄県の資料によると産卵期は5月から9月がピークで水揚げが増えるとなっていますが、高知県では初夏から夏がピークとなっています。
ヒメダイのおすすめの食べ方
マダイによく似た上品な白身ですので、鮮度が良ければお刺身はもちろん、マリネやカルパッチョのように味付けをしても美味しく頂くことが出来ます。
また、皮と身の間に旨味が多いので、お刺身にする場合は湯霜造りが良いでしょう。加熱しても、身が固くなりにくいので、煮物、焼物、揚物など何でも向きます。アラからは非常に良い出汁が出るので、スープなどに使って下さい。
ハマフエフキ
ハマフエフキはフエフキダイ科の中でも最も大きく、全長1m程度までになり、熱帯から亜熱帯の海域に多く、沖縄県では「タマン」と呼ばれる重要な食用魚です。
暖かい海の魚は大味で美味しくないというイメージがありますが、この魚は味の良さには定評があり、高級魚として扱われていて、関西市場や東京市場にも出荷されています。
主な産地は、沖縄県、鹿児島県、長崎県、宮崎県、高知県など、暖かい海域に面した地域です。沖縄県では3月下旬頃から獲れ始めますが、本格的にシーズンインするのは4月くらいからで、それから夏に向けて最盛期を迎えます。
ハマフエフキのおすすめの食べ方
鮮度が良ければもちろんお刺身が美味しいのですが、皮は非常に固いので、引いた方が良いでしょう。
非常にクセのない白身で料理を選びませんので、和洋中問わず、煮物、焼物、汁物、揚物など何でもできるため、飲食店でも重宝されているようです。
ナシフグ
韓国産輸入ナシフグによる食中毒が発生したことで、1993年から日本全国でナシフグの販売が禁止されましたが、1995年に有明海と橘湾、1998年には香川県と岡山県の瀬戸内海沿岸産ナシフグが解禁されました。国内で、漁獲海域を限定して販売許可措置がとられているフグは本種のみで、漁獲後に適正処理が行われることに加え、販売時には「産地確認認証紙」の添付が義務付けられています。指定された産地以外のナシフグは食用禁止ですので、ご注意下さい。
2010年には、香川県漁連が香川県産のナシフグの販売促進を目的に「讃岐でんぶく」のブランド名で商標登録しています。
フグと言うと冬のもののイメージが強いのですが、ナシフグは1年中水揚げがありますが、春から夏にかけてが最盛期で、春から初夏に味わえるフグです。
ナシフグのおすすめの食べ方
トラフグほど高値ではないため、気軽に楽しめるフグとして産地では人気があるようですが、産地以外での流通は少なめです。
身が柔らかめなので、トラフグよりは調理用途が広くなりますが、お刺身する場合は、水分を軽く抜いたりする下準備が必要なようです。
※フグは猛毒のテトロドトキシンを持っているため、調理は必ず免許を持っているプロにお願いしましょう。
ブリ
この頃のブリは30cm程度の大きさで、ツバス、ヤズ、ワカシとか呼ばれるものです。このサイズを養殖で出荷することはまずないので、全て天然物と考えて良いでしょう。
このサイズのものは水温が上がる頃に北に向かって移動しますので、5月から6月にかけ太平洋側では東海から関東で、日本海側では山陰から北陸で水揚げが増えます。価格も非常にお手頃です。
ブリのおすすめの食べ方
もちろん冬のブリのように脂がのることはありませんが、あっさりした味わいはこの時期だけのものです。お刺身はもちろんですが、冬場のブリとは異なりカルパッチョなどでも楽しむことが出来ます。ただし、加熱調理の場合はどうしても脂が足りない分、身が硬くなってしまうので、お吸い物などはともかくとして、揚物などの方が良いかも知れません。
ホッケ
ホッケは、開き干しにされたものが居酒屋メニューの代表的な一品として広く知られ、スーパーでもよく目にします。以前は大量に獲れ、大衆魚として人気がありましたが、最近は不漁が続き、価格が高騰したため、代用品である近縁種のキタノホッケ(シマホッケ)の輸入物の方をよく目にします。
主な産地は北海道で、ほぼ100%を占めます。ただ、前述したように漁獲量は激減しており、1998年に24万トンもあったのが、2016年には1.7万トンとなり、特に大きなサイズは高級品となってしまいました。
ホッケは1年中水揚げがありますが、網走は3月から翌1月、根室は5月から11月と漁期が定まっているところもあります。秋には産卵のために沿岸に寄ってくるので、その前の春から夏にかけてが一番脂がのって美味しい季節になります。
ホッケのおすすめの食べ方
鮮度が良いものは生食もできるようですが、アニサキスなど寄生虫が付いている可能性があるので、必ず-20℃以下で24時間以上冷凍して下さい。また、水分が多く柔らかいので、塩などをして水分をある程度抜く必要があります。
ただ、そこまで手間をかけずとも、この時期のホッケは脂がのっているので、焼物、煮物、揚物などなんでも美味しく頂くことが出来ます。もちろん、干物にすれば、旨味はより一層増します。皮は超硬いので食用にはなりませんが、皮下の脂は美味しいので、加熱調理は皮を付けたままが良いでしょう。
メナダ
メナダはボラの仲間で、最大1mにもなる大型魚で、上唇が下方に曲がっており口を閉じると外部に飛び出して見え、さらに赤い色をしているので朱口(シュクチ)と呼ばれる事もあります。ボラと同じく、内湾や汽水域にも生息しますが、ボラほど上流には上らず、またボラが泥地を好むのに対し、メナダは砂地を好むので、特に外洋で獲れたものは、ボラよりも臭味が少なく美味しいと言われています。
また、ボラは冬が旬とされていますが、メナダは春から夏が美味しい時期となります。
有明海や瀬戸内海では、高値で取引されることもありますが、東日本ではボラと混同することが多く、ほぼ馴染みがありません。
メナダのおすすめの食べ方
メナダはクセのない上品な白身ですので、色々な料理に合わせることが出来ますが、皮下の脂には若干クセが強いものがあるようですので、皮は引いておいた方が無難です。
鮮度が良いものであれば、もちろんお刺身がお勧めです。脂ののりが良いものは、洗いにしても美味しく頂けます。
アナジャコ
シャコと名前が付いており、見た目もそっくりですが、シャコは口脚目であるのに対し、アナジャコは十脚目に分類されるため、シャコの仲間ではなくヤドカリやエビの仲間になります。
全国の干潟に生息しており、比較的多く見られるのは長崎県、佐賀県、熊本県、岡山県などです。大量に漁獲する方法がないためか、水揚げ自体は少なく、ほぼ産地で消費されてしまいます。加えて、産地でもそこそこの値段で取引されており、意外と高価です。
有明海では、巣穴に書道用の大筆を差し込み、嫌がって出てきたところを釣り上げる独特の漁法があります。
初夏から夏に向けて、少ないながらも水揚げが増えますので、お目にかかることが出来るかも知れません。また、産地によってはお取り寄せも出来るようです。
アナジャコのおすすめの食べ方
アナジャコは殻が柔らかいので、加熱をすると殻ごと小エビのようにそのまま食べることが出来ますが、干潟に棲んでいますので、調理する前に汚れをしっかりと洗い流しておくことが大事です。調理方法としては、唐揚げ、天ぷら、塩茹で、煮付けなどが一般的です。
アマエビ(総称)
標準和名はホッコクアカエビと言いますが、その名前で通じる方はほとんどいらっしゃらないでしょう。
アマエビにはもう1種ホンホッコクアカエビがいて、こちらは北欧や北米から輸入されており、見た目は本当にそっくりなので、産地以外で区別するのは難しいです。
アマエビは、産地で差があるもののほぼ1年中水揚げがあり、美味しい旬の時期については、晩秋から冬にかけての海水温度が下がる時期と言う説、北陸地方の休漁明け9月上旬から10月と言う説、北海道の水揚げピーク時の5月と言う説などがあり、いずれが正しいのかはっきりしませんが、どの地域も夏を外していますので、それ以外は美味しいと言うことにはなりそうです。ただ、抱卵していると間違いなく栄養が卵に持っていかれるので、3月から5月の産卵期とその前後を除いた方が良いと言うことになりそうですが、北海道ではまさに水揚げがピークになりますので、身だけではなく卵も食べることが前提で考えた方が良さそうです。
アマエビ(総称)のおすすめの食べ方
この時期からはしばらく北海道産が主体となります。
産卵期と微妙に被りますが、産地では最も良い時期になると言われているので、ここもお刺身が一番良いかも知れません。鮮度が良ければ、卵も生食可能です。
お刺身にした後の頭は、唐揚げなどにしても美味しく頂けますが、頭の棘が口の中に刺さることがありますので、あらかじめ取り除いておいた方が良いでしょう。
また殻からは良い出汁が出るので、お味噌汁などに使うと良いでしょう。
トゲザコエビ
標準和名のトゲザコエビよりも地方名のガスエビやドロエビの方が良く知られているようです。日本海沿岸の産地ではよく食べられており、見た目は悪いが甘くて美味しいエビとして知られています。
水揚げ統計がないためはっきりしませんが、産地としては山陰、北陸、東北など日本海側に集中しており、ほぼ100%産地で消費されているため、旅先で見かけたら、是非一度味わってみてほしい食材です。
主に底引き網で漁獲されますので、日本海各地で禁漁期となる夏以外が漁期となります。ただし冬はズワイガニ漁がメインとなりますので、水揚げが増えるのはこれが終わった春から初夏にかけてとなり、そのころは手頃な価格で沢山出回ります。ただし、春以降は産卵し抱卵期となるため、本当に身が美味しい旬は晩秋から冬にかけてのようです。
トゲザコエビのおすすめの食べ方
砂を噛んでいることがあるので、調理する前にはしっかり洗っておきましょう。
鮮度が良いものは生食がお勧めです。殻がやや剥きにくいのが難点ですが、基本的には他のエビ類と同じ料理に使えます。卵も食べられますが、特別美味しいというものではないので、期待はしないで下さい。
トヤマエビ
トヤマエビは、一般にボタンエビとして市場に流通しています。ボタンエビと言うのは別にいるのですが、よく似ているため水揚げが減ったボタンエビの代用として流通しているうちに、定着してしまったようです。
名前の由来は、富山湾で最初に研究用に採捕されたことによるもので、決して富山県にしかいない、富山県で水揚げが多いと言うわけではなく、丹後あたりから北陸、北海道にかけて水揚げされており、北海道が水揚げの大半を占めています。
地域によって産卵期とそれにあわせた漁期が違い、1年中流通しているようですが、産卵期は早いところで4月頃から始まり、遅くとも9月頃に終わるので、身が充実するのは冬から春にかけてと思われますが、北陸などではズワイガニ漁が出来ない時期に漁をしたりするので、金沢周辺では3月下旬から夏にかけて漁の最盛期を迎えるようです。
トヤマエビのおすすめの食べ方
ボタンエビの代用品とはいえ、水揚げは決して多くはなく、その食味の良さから高級寿司ネタになどに用いられているため、スーパーなどで見かけることはまずありません。
大きいものになるとほとんどが雌で、産卵するとおおむね10ヶ月は抱卵している状態となりますが、この状態でも産卵直後でなければ身の味自体は良い上、卵も食べることが出来ます。
もちろんお刺身が美味しいのは言うまでもないのですが、頭は加熱することでミソまで美味しく頂くことが出来ます。
モロトゲアカエビ
標準和名のモロトゲアカエビでは流通することはまずなく、シマエビまたはスジエビと呼ばれることが多いようです。食味がとてもよく、水揚げも少ないことから高値で取引されることが多いエビです。北海道、北陸、丹後などで獲れますが、ズワイガニやアマエビ漁の際の混獲で、このエビを目的とした漁はありません。このため、明確な漁期はなく、能登や北陸ではカニ漁が終わってからエビ籠漁を始める漁師も多く、3月から初夏にかけて本番を迎え、8月頃まで獲れたりもします。北海道周辺では、アマエビ漁などで混獲され2月を除き、水揚げがあるようです。
ただ、産卵期が11月から4月にかけてということを考えると、美味しい時期は産卵を控えた晩秋から冬頃と思われますが、その時期の水揚げはほとんどなく、春まで待たねばなりません。
モロトゲアカエビのおすすめの食べ方
お目にかかることが出来る機会が少ないエビなので、見かけたらぜひ食べて頂きたいもののひとつです。
お刺身はもちろんですが、他のタラバエビと同様、卵はもちろん、加熱すればミソはもちろん、身も甘みが増します。ただし、元々生食出来るエビなので、加熱調理する際はミディアムレアくらいでちょうど良いでしょう。また、殻でとても良い出汁が取れますので、お味噌汁などに使われると良いでしょう。
サクラエビ
3月中旬から夏に向けて春漁が始まり、名前と季節が一致する季節となります。サクラエビの大半は乾物にされますが、天日干している風景は壮大で、機会があれば一度は見ておきたいものです。
サクラエビのおすすめの食べ方
干しえびとして流通することが多いので、和え物やふりかけ的な要素が高いのですが、生鮮での入手が出来たらぜひ試していただきたいのが刺身です。殻は柔らかいので、そのまま食べることができ、サクサクした歯ごたえと、ふんわりした甘味を味わえます。
また、忘れてはならないのがかき揚げです。元々香りのよいエビですので、加熱することにより一層風味が増します。ぜひこの時期にお試し下さい。
シラエビ
富山湾を漁場とする石川県の能登や富山県の特産として知られており、産地ではシロエビと呼ぶのが一般的です。また、富山県ではホタルイカ、ブリと共に「富山県のさかな」に選定され、 「富山湾の宝石 」とも言われています。シラエビが商業的に漁獲されているのは富山湾くらいで、他ではあまり見られません。
鮮度落ちが早いため、かつては富山湾周辺でしか生鮮の流通はありませんでしたが、流通の発達により、今では遠く離れた市場でも入手できるようになっています。生鮮以外では冷凍、釜揚げ、干物なども流通しています。
富山湾でのシラエビの漁期は4月1日から11月まで続きますが、旬は4月の解禁から初夏辺りまでと言われています。
シラエビのおすすめの食べ方
シラエビは更に鮮度が落ちると頭部が黒っぽくなり、薄い墨色の汁が出てくるので、こういうものは避けましょう。
鮮度が良いものは生食も美味しいのですが、小さく平べったい上、殻が薄く柔らかいので、非常に剥きにくい上、1尾1尾がとても小さいので、大量に剥く必要があり、かなりの労力が必要です。一度冷凍すると剥きやすくなりますが、それでもかなりの労力ですが、それに見合う味だと言われています。
殻は比較的薄く、加熱調理するなら殻ごと食べられるので、素揚げ、唐揚げなどに向きます。また、殻ごとすり潰してつみれにしても美味しく頂くことが出来ます。
干物は、出汁を取ったり、トッピングに使えます。
ウチワエビ
ウチワエビはその名の通り、頭部が丸く平たくウチワのような恰好をしていることから名付けられました。
味の良さから、かなりの高値で取引されていますが、知る人ぞ知ると言うレベルで、産地でもスーパーなどに並ぶことはまずありません。
九州から島根県辺りまでの西日本で比較的目にすることが出来ますが、決して多くありません。
ウチワエビの産卵期は秋とされており、3月から6月ぐらいを漁期とするところが多い一方、長崎県の五島列島では10月1日から11月末と決められているので、各地の漁期が旬となります。
ウチワエビのおすすめの食べ方
とにかく活きているものを選びましょう。死んだものは、締めて冷やし込みをしてあるものならまだしも、野締めのものは臭みが出るので注意が必要です。
大きな頭で歩留まりは無茶苦茶悪いですが、その身はイセエビに勝るとも劣らずで、お刺身はもちろん、茹でても、焼いても美味しく頂けます。
また、殻からは風味豊かな出汁が出るので、汁物などにもお勧めです。
クリガニ
クリガニはケガニの仲間ですが、甲長8cmと小さなカニです。ケガニと比べるととても安く、その割に美味しいカニなのでコストパフォーマンスに優れています。
よく似た仲間にトゲクリガニがおり、市場では特に区別することなく流通していますが、額角の大きさや産地などで判断することが出来ます。
主な産地は北海道根室沿岸からオホーツクに面した沿岸と青森県です。主に春から初夏にかけて水揚げされ、春には雌が内子を持ち美味しくなります。
夏を過ぎると脱皮したばかりのものが多くなり、食味が落ちると言われています。
クリガニのおすすめの食べ方
カニは死ぬと味が落ちるのがとても早いので、活け物であることが大事です。なるべく元気なものを選びましょう。生きたものが難しい場合は、ボイルしてすぐに冷凍したものが良いです。どちらも持ってみてズッシリ重みを感じるものが身入りが良いです。
小さいカニなので身はとても少ないのですが、ケガニと同じでミソがとにかく旨いので、茹でガニ、味噌汁、スープなど、ミソと一緒に食べるのがお勧めです。
ケガニ
ケガニはクリガニやトゲクリガニなどと同じクリガニ科の一種ですが、クリガニやトグクリガニが比較的手頃な価格なのに対し、ケガニはその身やミソの美味しさから超高級蟹として高値で取引されています。
国産は、北海道での水揚げがほとんどで、その中でも特に胆振、日高、網走、宗谷、十勝、釧路などが多いようです。道内でも漁期が異なり、胆振が6月から7月、登別から白老町沖が7月中旬から8月中旬、日高が12月から翌4月、網走から宗谷にかけてのオホーツク沿岸は流氷が明けてからで、網走が3月から8月、雄武町で3月下旬から7月下旬、宗谷で3月15日から8月21日、十勝と釧路で1月から3月と9月から12月、岩手県でも12月から翌3月の漁期があり、1年中どこかで水揚げがあり、それぞれの地域で、それぞれの漁期を旬としている、旬が少しややこしいカニです。
ケガニのおすすめの食べ方
カニは種類を問わず、死んでしまうと自己消化が進み、身が溶けてしまうので、とにかく生きているものが一番です。活けが難しい場合は、活きている間にボイルして急速凍結したものの方が良いでしょう。
また、持ってみてズシリと重みのあるものを選びましょう。見た目だけで購入すると、中身がスカスカと言うこともあるので注意が必要です。
ケガニは、脚が短いこともあり生食にはあまり向きませんが、何と言ってもミソが濃厚なので、蒸すか、茹でるかして、ミソを一緒に食べるのがお勧めです。
ちょっともったいないと思われるかもしれませんが、卵や乳製品とも相性が良いので、カニ玉、グラタン・ドリア、コロッケ、パスタなどの料理にも合います。
トゲクリガニ
トゲクリガニはケガニの仲間ですが、甲長8cmと小さなカニです。ケガニと比べるととても安く、その割に美味しいカニなのでコストパフォーマンスに優れています。
よく似た仲間にクリガニがおり、市場では特に区別することなく流通していますが、額角の大きさや産地などで判断することが出来ます。
主な産地は日本海に面した北海道西岸から津軽海峡、三陸沿岸がで、中でも青森県の陸奥湾での水揚げが多いです。
三陸ではケガニ漁に混じって2月頃から出回りますが、陸奥湾の漁期は4月下旬から5月下旬頃までで、抱卵期と重なるため、最も美味しい時期と言えます。
トゲクリガニのおすすめの食べ方
カニは死ぬと味が落ちるのがとても早いので、活け物であることが大事です。なるべく元気なものを選びましょう。生きたものが難しい場合は、ボイルしてすぐに冷凍したものが良いです。どちらも、持ってみてズッシリ重みを感じるものが身入りが良いです。
小さいカニなので身はとても少ないのですが、ケガニと同じでミソがとにかく旨いので、茹でガニ、味噌汁、スープなど、ミソと一緒に食べるのがお勧めです。
青森県内の桜の見頃と漁期が重なるため、津軽では古くから「花見ガニ」「桜ガニ」と呼ばれ、花見の宴席には欠かせないものになっており、じっくり煮込んだ「とげくりガニ汁」は郷土料理になっています。
ベニズワイガニ
ベニズワイガニの大きさはズワイガニとほぼ同じですが、生きている状態から茹でたように赤いのが特徴です。
ただし、ズワイガニと比べ身に水分が多く、鮮度落ちが早いことなどから、ズワイガニの10分の1程度の価格で流通することもあります。ただし、鮮度が良いものであればズワイガニにも負けない濃厚なカニミソが詰まっており、身も甘味が強いです。
主な産地は山陰地方で、鳥取県、島根県、兵庫県で全国の半分程度を占めており、兵庫県では香住港にしか水揚げがされていないことから、「香住ガニ」としてブランド化が進められています。
ベニズワイガニも資源保護のため各地でサイズの規制や禁漁期が設定されていますが、1年中どこかで漁をしているため、供給が途絶えることはまずありません。ただし、全国一律にメスは捕獲禁止です。
ベニズワイガニのおすすめの食べ方
このカニは当たり外れがかなり大きなもののひとつなので、まず手にもってズッシリと重たいものを選びます。1年中漁をしているため、脱皮直後のものが混じることもありますので、甲羅を触ってみて固いものを選ぶことも大事です。
ベニズワイガニは水分がかなり多いので、生で食べても正直あまりおいしくはありません。加熱して、幾らか水分を飛ばした方が身が締まって美味しくなります。
また、コストパフォーマンスに優れていますので、カニ玉、グラタン・ドリア、コロッケ、パスタなどに思い切り贅沢に使ってみるのも良いでしょう。
タラバガニ
タラバガニの旬は諸説ありますが、1年のうち2回美味しい時期があると言われています。1度目は流氷が去って身の甘みが増す4月から5月で、2度目は脱皮を終えて身が詰まる11月から2月にかけてと言われており、今の時期は前者に当たります。
産地はオホーツク海のみなので、日本で水揚げされるのは北海道だけです。スーパーで売られているのは冷凍の輸入物ばかりですが、出来れば国産の生鮮タラバガニを味わってほしいものです。ただし、身入りが極端に悪いものが混じることもありますので、購入される場合は一度持ってみるなりして確認して下さい。
ズワイガニは3月で禁漁となりますが、タラバガニは初夏まで漁が続きます。実をいうと、タラバガニは見た目がカニなので、名前にカニがついていますが、ヤドカリに近い種です。
タラバガニのおすすめの食べ方
あまりカニのイメージのない季節ですが、タラバガニの身質が最も良いシーズンと言われていますので、この時期は素直に、茹でガニ、焼きガニがお勧めです。夏の間も漁は続きますが、ベストシーズンから外れてしまいますので、秋までしばらく休憩となります。
また、タラバガニの仲間はズワイガニなどと異なり、カニミソは加熱すると流れ出てしまうので、一緒に味わうことはできませんので、ご注意を!
ハナサキガニ
ハナサキガニの名前の由来は、花咲半島(根室半島)で多く獲れたことからとか、茹でた時に花が咲いたような見事な朱色になるからなどの説があります。
成長は遅く、メスが成熟するまで6年かかるとされ、漁獲サイズとなる甲長9cmになるまで8年とも言われています。
主な産地は、襟裳から根室にかけての太平洋沿岸と根室半島のオホーツク海で、それぞれ釧路港、花咲港が主な水揚港となっています。
近年は資源保護対策が講じられ、漁獲対象は甲長8cmから9cm以上のオスのみに限られています。このため水揚げは少なく、ほとんどが地元、または札幌や函館など道内で消費されています。解禁時期は4月から9月で、この時期を外すと冷凍品のみとなります。
ハナサキガニのおすすめの食べ方
活物の場合はこげ茶色で、元気なものを選びましょう。活物がない場合は、生よりボイルした後に冷凍したものの方が良いですが、いずれの場合も手に持ってズッシリと重みがあるものを選びましょう。
生食も出来ますが、加熱調理が一般的です。
殻は固く、トゲトゲしているので、むき身にするのは少し手間なのが難点ですが、身質はしっかりしており、非常に濃厚な味わいのカニです。
どのように調理しても、カニの風味を味わうことが出来るカニと言えるでしょう。
シリヤケイカ
胴の腹面後端近くに尾腺が開口しており、そこから茶褐色の粘液を分泌し、胴の先端に焼けたような色がつくことから名前が付いたもので、決してお尻が焼けているわけでなく、むき身にしたときにちょっと見た目が悪いと言うレベルです。
産卵期は4月から5月で、内湾の浅場に集まってくるので水揚げが一気に増えますが、正直身はかなり薄いです。
シリヤケイカのおすすめの食べ方
肉厚の身はコウイカに似ているものの、甘みや旨みはやや少ないと言う人も多いですが、極端に違うわけではありません。
このイカは加熱すると甘味が出てきますので、特に天ぷらなど揚物の評価が高いです。
ミミイカ
ミミイカは大きなものでも手のひら程度と小さく、胴に付いているヒレが丸く耳のように見えると言うのが名前の由来のようです。
本種を目的とした漁はなく、水揚げも少ないため、ほとんど産地で消費され、知名度は非常に低いのですが、釣餌としての認知度はそこそこあますり。
瀬戸内海周辺や三河湾などで水揚げがわずかばかり確認される程度で、産地として著名なところはありませんが、5月から6月に獲れる子持ちのものが重宝されます。
ミミイカのおすすめの食べ方
鮮度が良いものはお刺身で頂くことが出来ますが、ただ小さいので皮剥きなどは少々面倒です。
加熱調理の場合は、内臓ごとでも問題ないサイズですが、図体に頭打ちに見合わぬほど墨袋が大きいので、面倒でもこれを取り除いた方が良いでしょう。
また、気になるようなら、目口も取っておいた方が良いでしょう。身は加熱しても固くなりにくいので、どんな調理にも合います。
アオリイカ
ぱっと見、コウイカのようですが、硬い甲は持っておらず、スルメイカなどと同じツツイカの仲間です。
地域差はありますが、春に深場から浅瀬に寄り、4月中旬頃から8月頃にかけて産卵します。孵化したイカは岸壁近くの藻場で夏から秋にかけて成長し、冬になるとまた深場に移動すると言うサイクルを繰り返します。
深場での漁は難しいものの、1年中水揚げがあり、大型のアオリイカ(親)の旬は、産卵のために接岸する春から初夏にかけてとなります。
また、秋には生まれた子イカが育ち20cm程度になったものが、深場に潜る前の10月から11月も旬となります。
産地は特にここが多いというところはありませんが、太平洋側で関東以西、日本海側で福井県以西と、中日本から西日本が多いようです。
アオリイカのおすすめの食べ方
活け物は、硬すぎるほど締りがありますので、1日寝かせるくらいの方が甘みも増えて美味しく食べられます。
安いイカではありませんので、やはりお刺身で頂きたいものですが、活物の場合は、表面に細かく隠し包丁を入れた方が食べやすくなり、甘味も感じやすくなります。
また、加熱調理する場合は、生のものをそのまま使うより、軽く一夜干しにすると甘味が増すと言われています。
ケンサキイカ
ケンサキイカの標準和名はヤリイカよりも全体に太く剣先に似ることに因むようです。
大きな特徴は、分布域よって体形に差があり、大きく3つのグループに分けられます。典型的な形をしており九州西岸などにみられる「ゴトウイカ」と呼ばれるタイプ、鳥取県や島根県、兵庫県の山陰側で獲れ、腕がより太くたくましい形をしていて、「ブドウイカ」あるいは「シロイカ」と呼ばれるタイプ、三浦半島や伊豆近辺のもので大きさが半分くらいで成熟し、「メヒカリ」または「マルイカ」と呼ばれるタイプなどです。
ケンサキイカはヤリイカよりも身が厚く味も良いことから価格も高めとなっていて、干スルメに加工されるものは「一番するめ」と呼ばれ高級品です。
主な漁場は、東シナ海から山陰にかけての日本海沿岸で、長崎県、佐賀県、山口県、島根県などで水揚げが多く、佐賀県と山口県はプライドフィッシュにもなっています。中でも玄界灘は産地として著名で、佐賀の呼子は活造りで有名です。
産卵期は春から夏にかけてで、この頃沿岸に近寄り、水揚げのピークを迎えるため、夏のイカとして知られていますが、この時期は子持ちのものが多いため、身だけを味わうなら産卵後の7月から9月が良いようです。
ケンサキイカのおすすめの食べ方
子持ちが手に入った場合は、素直に煮付けにした方が卵も一緒に味わうことが出来てよいでしょう。
新鮮で大きなものはお刺身でも良いですが、加熱しても硬くならないイカなので、焼物、揚物など何にしても美味しく頂くことが出来ます。
ジンドウイカ
ジンドウイカは大きいものでも胴長12cm程度の小さなイカです。
全国各地で水揚げされていますが、三陸から房総沖、三河湾から伊勢湾、紀州からから瀬戸内海周辺などが特に多いようです。
ほぼ1年中水揚げがあり、量もそこそこあります。旬とする時期も産地で異なり、春から夏というところや、冬から春にかけてというところなどに分かれますが、夏から初秋は少し出回りが減るようなので、今のうちに味わっておいてほしいイカです。
ジンドウイカのおすすめの食べ方
ジンドウイカの活きたものは内臓が分かるくらいの透明感がありますが、時間とともに赤みが現れ、さらに鮮度が落ちてくると全体に透明感のない白色になってきます。
ツツイカ全般に言えることですが、特にこの類の小さなイカは鮮度劣化が早いので、白くなっておらず、赤みが残っている物を選びましょう。
とても小さなイカですが、それ故に捌くのは簡単で、鮮度が良ければお刺身がお勧めですが、寄生虫がいることもあるので、間違っても丸のまま食べないように、内臓はしっかりと取り出し、きちんと洗ってからにしましょう。加熱調理する場合は、小さいので、さっと火を通す程度で十分です。
ベイカ
瀬戸内海や有明海の特産といってもよいイカで、産地では「ベカ」、「チイチイイカ」、「チイイカ」などと呼ばれています。
鮮魚で流通しているのは瀬戸内海周辺の岡山県、広島県東部、香川県などに限られ、他の地域では見ることはまずありません。
岡山県では観光四つ手網があり、初夏の風物詩となっています。
産卵期の春から初夏にまとまった漁がみられ、この時期を旬とします。
ベイカのおすすめの食べ方
小さなイカですが、捌くのは簡単ですので、鮮度が良ければお刺身がお勧めです。また、加熱しても硬くならないので、調理しやすいオールマイティーなイカです。
ホタルイカ
富山湾のホタルイカ漁は最盛期となり、出荷量も増えます。
富山県では定置網漁で漁獲するため、イカを傷付けにくくなっており、また産卵時期にあわせて解禁となるため、栄養を蓄えて丸々と太ったホタルイカが多く漁獲されます。
この時期、夜の富山湾で行われる幻想的な網揚げの光景が観光名物にもなっています。
また、富山市水橋から魚津市にかけての海岸沿い約15km、沖合約1.3kmの海域は、春にホタルイカの群れが押し寄せることから「ホタルイカ群遊海面」として国の特別天然記念物に指定されています。
ホタルイカのおすすめの食べ方
鮮度の良いものが手に入るとお刺身で食べたくなるのが心情ですが、内臓に寄生虫がいる可能性がありますので、しっかり除去して、よく洗って下さい。小さいからと言って、丸飲みするようなことは絶対にしないで下さい。
足だけ集めたお刺身(竜宮そうめん)は有名ですが、相当の数が必要です。身は薄く柔らかく丸ごと食べられるので、様々な料理にあわせることができますが、目や口は歯に当たることがありますので、面倒でも取り除いておいた方が良いでしょう。
テナガダコ
全国各地で水揚げがあるようですが、産地で消費されるのがほとんどです。
身が細く、柔らかく、あまり評価の高いものではありませんでしたが、韓国料理が流行し、サンナクチ(活ダコ刺身)や炒め物に使われて、多少評価が上がったようです。とは言え、国内での消費が多いわけではないので、大量に獲れた時には韓国へ輸出されます。
春から夏にかけて水揚げが増えるので、この時期を旬とする地域が多いようです。
テナガダコのおすすめの食べ方
マダコなどと比べるとやや水分が多く、旨みが少なく、茹でた時のタコ特有の香りも薄く感じられますので、茹でる料理より、炒める、揚げるなどして、しっかり味付けした方が良いようです。韓国料理では活ダコ刺身が有名ですが、これは個人の好みでご判断下さい。
エゾアワビ
エゾアワビは、韓国などでも養殖されており、周年出荷されていますので、旬を感じにくい魚介類のひとつです。
アワビ類は一般に夏が旬とされていますが、エゾアワビに関しては11月から1月にかけてが最盛期で、産卵期前の初夏も美味しいと言われています。
エゾアワビのおすすめの食べ方
アワビは元気がよく生きているものが前提です。高い買い物ですので、死んだものや元気のないものはやめておきましょう。
この時期は、やはりお刺身や水貝でコリコリとした食感を楽しみたいものです。もちろん、加熱調理しても美味しいので、蒸しアワビ、煮貝、天ぷら、バター焼きなどにしても美味しく頂くことは出来ますが、蒸し以外は加熱しすぎると固くなってしまうことがあるので、注意して下さい。※無許可の採取は罰せられる場合があります。
トコブシ
トコブシは小さなアワビにそっくりですが、大きくはならず殻長7cm程にしかなりません。
主な産地は高知県、徳島県などの四国地方が多く、他には三重県などもありますが、市場に出荷されるほど量がまとまることはありません。少ないながら1年中流通はしているものの、美味しい旬は春から夏にかけてと言われています。しかし、フクダメ(福溜)という別名から縁起物としておせち料理に使われるため、旬ではなく、水揚げの少ない12月に最も流通が増えるようです。
トコブシのおすすめの食べ方
トコブシは生食も出来ますし、加熱調理しても固くなりにくいので色々な料理に使えます。煮る蒸すなどの場合は、殻付きのまま調理しても良いですし、肝もそのまま食べることが出来ます。また、揚物などにしても柔らかく、美味しく頂くことが出来ます。
※無許可の採取は罰せられる場合があります。
イタヤガイ
イタヤガイは各地で古くから食用にされていますが、ホタテガイのように栽培が盛んでないこともあってか、水揚げが全く安定しておらず、常に流通しているわけではなく、そのためかほとんど産地で消費されてしまいます。
比較的見られるのは、愛知県から九州にかけての太平洋沿岸や、山陰から福岡県にかけての日本海沿岸などですが、小さなものは漁獲されてもその場で海上に投棄されることあり、本種を目的とした漁は確認出来ません。
イタヤガイの産卵期は冬で、この時期に身質も良くなるようですが、出回りがそこそこあるのは春から夏にかけてのようです。
イタヤガイのおすすめの食べ方
漁獲場所や、漁獲後の扱いにより砂を沢山含んでいることがありますので、生のままむき身にして、流水でしっかりと洗い落とす必要があります。
ホタテより若干柔らかいものの、味は勝るとも劣らずで、お刺身はもちろん、煮物、焼物、揚物など何でも対応できるオールマイティーな貝です。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
ホタテガイ
ホタテは冷凍物も含め一般のスーパーなどでも普通に売られ、とても身近な食材のひとつです。栽培も非常に盛んで、天然物とされているものも、そのほとんどは栽培した稚貝を自然の海に地撒き放流し数年成長させたもので、100%天然はほぼいないと思われます。
栽培の場合は、稚貝を籠に入れたり、吊るしたりして、2年から3年かけて成長させますが、栽培の途中で、生育を促すために間引くこともあり、時期によっては非常に小さなものの出荷があります。
主な産地は言わずと知れた北海道ですが、栽培されたものに限定すると青森県の方が多くなります。
1年中どこかで水揚げがありますが、産卵期は春で、産卵が終わった頃からプランクトンを沢山食べて貝柱がどんどん大きくなる5月から7月と、生殖巣が最も発達する11月から2月くらいが最も美味しいとされています。
ホタテガイのおすすめの食べ方
夏は大きく太くなる貝柱がメインです。そのままお刺身でも良いのですが、軽く炙ると風味が増します。もちろん焼物、揚物、炒め物など、和洋中どのような料理にしても美味しく頂くことができます。
また、この時期は青森県産のベビーホタテが多く出回る季節です。北海道産のものとは違い小さなものをボイルして、そのまま食べることが出来るように加工したものです。加熱する際も軽く火を通す程度で十分です。
殻付きを購入すると、ウロと呼ばれる黒っぽく丸い中腸線などの内臓がありますが、貝毒の危険もあるので、万一に備え取り除いた方が良いでしょう(むき身で流通しているものは全て取り除かれています)
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
ウチムラサキ
ウチムラサキはオオアサリと呼ばれることの方が多いようですが、千葉県など関東ではホンビノス貝をオオアサリと呼ぶところもあるので注意が必要です。その名の通り、貝の内側が紫色であることが名前の由来です。
産地としては、三河湾と伊勢湾が多く、これに面した愛知県と三重県では普通に流通しており、浜焼きが名物にもなっているところもあります。多い少ないは別にして、全国で1年中水揚げされているようですが、名物である愛知県や伊勢では、春から初夏にかけてが旬と言われています。
ウチムラサキのおすすめの食べ方
鮮度が良ければお刺身でも食べられるそうですが、産地でもあまり食べないと言うことはそこまで美味しいものではないと言うことなのでしょうか。
加熱すると、相当旨味が増すと言われており、名物にもなっているくらいですので、焼いた貝が一番なのでしょう。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
イワガキ
イワガキはマガキによく似ていますが、普通マガキは寒い冬に旬を迎え、産卵後の初夏には身が痩せてしまいますが、イワガキは産卵が数ヶ月にわたり、その間も身が痩せず夏場でも旨みが詰まっているのが特徴なので、マガキの出荷が終わる4月からに出荷が始まります。
また、流通する大きさになるまでには天然物で4年から5年、栽培物でも3年以上かかると言われており、流通量もマガキほど多くありません。出荷時期は産地により異なりますが、「夏牡蠣(なつがき)」とも呼ばれるように、美味しい旬の時期は6月から8月にかけての夏となります。
産地ではブランド化が進められており、有名なところでは
秋田県のにかほ市象潟町 象潟岩牡蠣(天然)
千葉県旭市飯岡地区 磯ガキ(天然)
石川県 柴垣天然岩がき、黄金イワガキ(天然)、珠姫(天然)
三重県的矢湾 あだこ岩がき(栽培)
京都府伊根町 夏珠(栽培)
鳥取県 夏輝(天然)
島根県隠岐郡海士町 春香(栽培)
などがあります。
イワガキのおすすめの食べ方
イワガキはマガキのようにむき身で流通することはなく、ほぼ全て殻付きで、決して安いものではないので、よく吟味することが大切です。殻は全体に丸い形のものが栄養豊富に育った証拠と言われていますので、いびつな形をしたものや、細長いものは避けましょう。また、貝のフタが開きっ放しで、触っても反応しないものは鮮度が落ちているのでやめておきしょう。
食べ方は生食が基本となりますが、マガキと同じ料理はなんでも出来ます。ただし、マガキの数倍の大きさですので、調理によっては切って使うなどの工夫も必要です。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
サザエ
非常に良く見かける貝ですが、日本産のサザエには学名が付けられず長い間放置されており、2017年にようやく「トゥルボ・サザエ」と命名されました。
水揚げは長崎県が全体の20%程度と少し多いくらいで、他は特に突出したところもなく、広く全国で見られます。1年中、比較的安定して水揚げがありますが、初夏から夏が産卵期で、産卵前が最も栄養を蓄えていることから、一般的には春から初夏にかけてが最も良いとされています。ただし、産地によっては漁の解禁が6月からのところもあり、また夏になると海の家などで提供される浜焼きで人気があり、バーベキューなどのアウトドアでも好まれる事から需要が増え、流通量も多くなります。
サザエのおすすめの食べ方
活けのサザエはお刺身にすると磯の風味が強く、コリコリした歯触りが楽しめて美味しいものです。ワタは好き嫌いがありますが、さっと茹でることで磯の風味を楽しむことが出来ます。ド定番はつぼ焼きや煮貝で、ワタごと磯の風味を楽しめます。また、炊き込みご飯もお勧めです。
尚、砂を噛んでいることがありますので、調理の際には砂袋を取り除いた方が良いでしょう。
※無許可の採取は罰せられる場合があります。
トリガイ
ほとんどが、むき身にされ湯引きされた状態で流通しており、輸入品も多いため、殻付きにお目にかかる機会はほとんどない貝です。
以前は安価な貝でしたが、水揚げが激減したために、国産の活物は超が付く高級品となりました。主な産地は東京湾、三河湾、伊勢湾、丹後地方、瀬戸内海などですが、状況に応じて漁を見合わせる年を設けるなど、資源保全に取り組んでいる状況です。舞鶴湾や若狭湾では、京都府立海洋センターが稚貝を人工孵化させ、コンテナに稚貝を入れて海中に吊り下げる方法を開発し、実用化されていますが、量産出来るわけではないため、こちらも超高級品です。
漁期は産地によって違いがあり、三河湾や石川県の七尾湾などでは3月から6月頃、宮津や舞鶴などの丹後では5月から7月となっています。
春に獲れる物を「春貝」と呼び、食感が柔らかく甘味が強いと評価されています。一方秋に獲れる物は「秋貝」と呼ばれ、身が大きく歯ごたえが楽しめますが「春貝」のような繊細な甘さは無いと言われていますので、春から夏までのものが美味しいと言えそうです。
トリガイのおすすめの食べ方
殻付きの活物は触った時に素早く反応する元気なものでなければなりません。また、持った時にズッシリ重みを感じるものが良いでしょう。むき身で、開いて湯引きされたものを買う場合は、表面の色が濃く剥がれていないもの、肉厚のものが良いでしょう。
可食部分は斧足とヒモで、それ以外は残念ながら美味しくありません。
食べ方となるとどうしてもお刺身か寿司になってしまいます。焼いたり、天ぷらなどにしても美味しいのは確かなのですが、可食部分はわずかしか取れないので、とても贅沢な食べ方になります。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
アカニシ
アカニシは東京湾、三河湾、瀬戸内海、有明海など内湾でよく目にする身近な貝のひとつなのですが、産地以外では意外に知られていません。
最近では、黒海で近縁種が獲れることもあり、トルコやブルガリアなどから安く輸入されています。
美味しい時期は、産卵前の3月頃から5月初旬くらいまでとされています。
アカニシのおすすめの食べ方
お刺身にするのであれば、必ず活きているものを手に入れましょう。触れた時に素早く反応しフタを閉じる物が良いです。
むき身などの場合は、出来れば匂ってみて、臭みがないか確認しましょう。
アカニシの殻は厚くとても固いので、カナヅチなどで殻を割って取り出す方が確実で、取り出した身は、塩をまぶしてぬめりをこすり落とし水洗いしてから使いましょう。
また、加熱調理しても固くなりにくく食感も良いので、焼物、煮物、茹でなど、様々な料理に合わせることが出来ます。
小さなものは殻付きのまま煮たり、焼いたりしても美味しく頂けます。
※無許可の採取は罰せられる場合があります。
ナミガイ
ナミガイは、普通は白ミル、またはミルガイと呼ばれています。
寿司ネタで知られていますが、元々はミルクイが使われていたものの、これが獲れなくなり高価な食材となってしまったため、代用品として利用されるようになり、広く認知されたものです。今では、ミルガイと言えばナミガイを指すこともあるくらい広まりましたので、市場では殻の黒いミルクイを本ミル、全体に白いナミガイを白ミルと呼び分けて区別しています。
産地としては愛知県が有名で、他には千葉県や瀬戸内海などで水揚げが確認できますが、ナミガイも水揚げが段々少なくなっており、こちらも高値で取引されるようになりました。
美味しい時期は、産卵前の3月から5月にかけてと言われています。
ナミガイのおすすめの食べ方
ナミガイは水管とヒモが主な可食部です。内臓は無毒ですが食味が良いとは言えず、普通は廃棄されますので砂抜きなどの処理は必要はありません。ミルクイの代用品と言っても安くはないので、基本お刺身です。加熱しても美味しいのですが、加熱しすぎるとかなり固くなるので注意が必要です。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
アオサ(総称)
アオサはアオサ目のアオサ属に分類される海藻で、食用として主に使われているのはアナアオサと言う種類になります。
産地は九州、沖縄の沿岸や伊勢湾が有名で、1月から5月頃が摘み取りの季節で、産地では「あおさ摘み」の様子が、春の風物詩になっています。特に多いのが愛知県の三河湾で、ここで獲れたアオサを粉末にした「あおさ粉」の約70%が、この地域で生産されていると言われています。
よく似たものに青ノリがありますが、こちらはアオサ目のアオノリ属に分類され、アオサに比べて香りが強いのが特徴です。また、アオサが天然物なのに対し、青ノリはほとんどが栽培されています。
アオサ(総称)のおすすめの食べ方
アオサは薄く平らなフレーク状の形になっているので、水で戻してから味噌汁や天ぷらに使うのがお勧めです。
他にも、刻んで卵焼き、お好み焼き、チヂミに入れたり、冷奴や納豆にのせたりと焼海苔と同じように使うことが出来ます。
※無許可の採取は罰せられる場合があります。
アカモク
アカモクは日本各地で見られるホンダワラの仲間です。長く伸びて大きな群落を作るので、船の航行の邪魔になるとして嫌う地域も多く、食用にする地域とそうでない地域にくっきり分かれますが、近年はその栄養価が見直され、健康食品として広まりつつあります。
地域により多少ずれはありますが、アカモクは秋口から冬にかけて成長して、3月から5月頃に収穫時期を迎えます。
また、成長のピークから2週間ほど経つと次第に朽ちて、夏には枯れ草となってしまいますので、夏以降は自然のものを見ることは出来なくなります。
新潟県佐渡島ではプライドフィッシュにもなっています。
アカモクのおすすめの食べ方
生鮮のものは産地でもないと入手できないもの、流通しているものは冷凍、もしくは乾燥したものか、食品に加工したもののいずれかになります。
加工食品を除き、未加熱であることが多いので、乾燥の場合は水で戻してから、よく洗ってゴミなどをしっかり落としてから調理しましょう。
未加熱の状態では茶色ですが、加熱するときれいな緑色になります。
味噌汁が一般的ですが、酢の物、和え物、かき揚げや、刻んで卵焼きやお好み焼き、チヂミなどに入れても美味しく頂くことが出来ます。
また、叩くとネバネバになりますので、納豆のようにご飯にかけて食べても良いでしょう。
※無許可の採取は罰せられる場合があります。
ヒジキ
乾物が主流で旬を感じにくいもののひとつですが、3月から5月の暖かくなる季節に収穫時期を迎えます。収穫されたものは、蒸したり、茹でたりされてから乾燥処理され、これが広く流通しています。
国内では長崎県、大分県、三重県、瀬戸内海沿岸などで収穫されていますが、残念ながら国産はごくわずかで、大半は中国や韓国からの輸入品です。
ヒジキは部位別に2種に分けられ、芽の部分は「芽ヒジキ」と呼ばれ、柔らかいのが特徴です。茎の部分は「長ヒジキ」または「茎ヒジキ」と呼ばれ、長さがあり、歯ごたえがしっかり感じられるのが特徴です。
この時期はスーパーの鮮魚売場などで「生ヒジキ」と称するものが販売されることがありますが、実際には「生」ではなく、蒸す、茹でるなどの加工がされてあります。これは、生のままだと痛みが早い上に、アクが非常に多く食用とはならないことが理由なのですが、「生」と言う表現には少し疑問を感じます。また、中には乾燥を水戻したものを「生」と称して販売していることもあります。
ヒジキのおすすめの食べ方
乾物をお求めになるる場合は、黒いものの方が良いとされており、なおかつ乾燥であっても艶のあるものがお勧めです。
鮮魚売場でいわゆる「生」をお求めになる場合も、黒味が強いものが良いですが、チルドのものは消費期限が短いので、全部調理するか、使い切れない場合は、密封して冷凍しておくと比較的長持ちします。
ヒジキの定番メニューは煮物ですが、チルドが手に入った場合はさっと茹でて、卵焼きに入れたり、ごま和えやサラダにするのがお勧めです。
※無許可の採取は罰せられる場合があります。
オキナワモズク
味付け加工されたものが1年中出回っていることもあり、旬を感じにくいもののひとつですが、3月から6月にかけて収穫の最盛期を迎えます。
日本で消費されているモズクの90%以上がオキナワモズクで、そのほとんどが栽培物です。
他のモズクと比べると太く、滑りがあり、加えてほどよい食感と、海藻らしい香りや甘みがあるのが特徴です。また、栽培されていることで安定した供給が可能なので、現在ではモズクと言うとオキナワモズクのことを指すと言っても良いでしょう。
この時期にはスーパーの鮮魚売り場などで「生モズク」なるものが販売されることがありますが、中には冷凍や塩蔵品を戻したものがあるので、注意が必要です。
オキナワモズクのおすすめの食べ方
生モクズをお求めになる場合は、出来るだけ太く、艶のあるものを選びましょう。
食べ方としては、軽く洗ってから、めんつゆで素麺のように食べるのがお勧めです。モズク本来の食感を味わうことが出来るとともに、沢山食べることが出来ます。
癖がなく歯ざわりが良い食材なので、卵焼き、お好み焼き、チヂミ、お味噌汁などに入れても美味しく頂くことが出来ますが、焼物に使う場合は、軽く茹でるなどして水分を軽く抜いておくと良いでしょう。
※無許可の採取は罰せられる場合があります。
ワカメ
乾物や塩蔵などが主体で1年中流通しており、安価で非常になじみのある海藻ですが、生鮮は春先から初夏にかけて旬を迎えます。
主な産地は岩手県や宮城県の三陸産が最も多く全体の90%程度を占めると言われており、次いで神奈川県、徳島県などで、ほぼ栽培です。
生のワカメは日持ちしないため、産地以外ではお目にかかることはまずなく、一般に流通しているものは塩蔵品か乾燥品で、中国からの輸入品も多くあります。
スーパーの鮮魚売場などで「生ワカメ」として販売されているものがありますが、これらは水揚げ後すぐにボイルされ、塩蔵脱水したものを水で戻したものです。
本当の生は茶色をしているので、見ればすぐにわかりますが、未処理のワカメは自己消費が早く、すぐに劣化してしまうため、産地以外で流通させるために、風味や食感を維持するためのもので、決して物が悪くなるわけではありません。ただし、もし出来るなら収穫時期には生を食べてみたいものです。
ワカメのおすすめの食べ方
産地ごとに特徴があり、鳴門海峡で育ったものは、シャキッとした歯ごたえを楽しめますので、和え物やサラダに向きます。
三陸のものは、肉厚で弾力のある食感が特徴なので、味噌汁、煮物、佃煮などに向くとされています。
メカブは軽く茹でたものをポン酢などで食べるとシャキシャキとした食感が楽しめ、細かく刻むとネバネバが出て来て、独特の食感が楽しめます。
茎は若いものであれば、柔らかいので、炒め物や佃煮などで楽しむことが出来ます。
※無許可の採取は罰せられる場合があります。
エゾバフンウニ
とんでもない名前を付けられたものですが、名前とは異なり豊かな風味ある味わいのウニです。
身が鮮やかなオレンジ色をしていることから赤ウニとも呼ばれ、ウニの中でも高級品として扱われています。中でも利尻や羅臼で獲れるものは昆布を食べて育つため評価が高いようです。
名前に蝦夷と付くだけあって、水揚げのほとんどは北海道です。資源保護のため各地で種苗放流が行われており、保護の兼ね合いから各地で厳格な漁期が定められており、主なところでは、渡島が12月から9月、石狩及び後志が5月から8月、宗谷は4月から9月、根室では12月から翌6月となっていますので、10月、11月以外はお目にかかれると言うことになりますが、7月から8月が一番美味しいと言われています。
エゾバフンウニのおすすめの食べ方
ウニはなんといっても生のままワサビ醤油で食べたり、寿司ネタとして軍艦巻きなどで食べるのがお勧めです。
贅沢にご飯の上にたっぷり乗せてウニ丼にしたり、殻付きは手に入れば焼きウニにするのもありでしょう。
他にもいろいろ調理法はありますが、ダイレクトに味わうのが一番でしょう。
※無許可の採取は罰せられる場合があります。※無許可の採取は罰せられる場合があります。
キタムラサキウニ
国産を代表するウニのひとつで、身色がオレンジ色のバフンウニやエゾバフンウニに比べ色が薄いことから「白ウニ」とも呼ばれており、濃厚なバフンウニに対し比較的あっさりした味わいが特徴です。
主な産地は北海道で、それ以外は富山県以北から東北地方沿岸です。
漁期は産地によって決められており、11月から翌2月は禁漁となるところが多いようですが、美味しい時期は9月から11月と言われており、地域によっては禁漁期間と重なります。また、資源保護のため種苗放流も行われています。。
キタムラサキウニのおすすめの食べ方
粒が比較的大きめで、身が崩れにくくボリューム感があるため、寿司ネタに多く用いられていますので、ウニ丼にしてもボリュームが出ます。
殻付きは手に入れば焼きウニにするのもありでしょう。他にもいろいろ調理法はありますが、ダイレクトに味わうのが一番でしょう。
※無許可の採取は罰せられる場合があります。
バフンウニ
とんでもない名前を付けられたものですが、名前とは異なり豊かな風味ある味わいのウニです。殻径が5cm程度の小型のウニで、主に日本海に生息しています。
味が良く、人気があるものの流通するには漁獲量が少なく、生鮮で見かけることはほとんどありません。むしろ加工品として有名で、日本三大珍味「越前のうに」は本種が原料となっています。
漁期は産地によって様々ですが、一番美味しい時期は3月から4月と言われています。
バフンウニのおすすめの食べ方
ウニはなんといっても生のままワサビ醤油で食べたり、寿司ネタとして軍艦巻きなどで食べるのがお勧めです。
贅沢にご飯の上にたっぷり乗せてウニ丼にしたり、殻付きは手に入れば焼きウニにするのもありでしょう。
他にもいろいろ調理法はありますが、ダイレクトに味わうのが一番でしょう。
※無許可の採取は罰せられる場合があります。
ムラサキウニ
ムラサキウニは青森以南の日本海側と茨城以南の太平洋側など、産地も多く、国産のウニの中では最もポピュラーで、お目にかかる機会も比較的多いです。
旬は産地によって異なり、北海道の利尻島や積丹の場合は6月から8月、北陸では5月から6月、中国地方では山口県が有名で(と言っても山口の業者が各地で集めているようですが)3月から4月、九州は4月から6月となります。
また、産地が西に向かう程に色味が濃くなる傾向が見られます。
ムラサキウニのおすすめの食べ方
ウニはなんといっても生のままワサビ醤油で食べたり、寿司ネタとして軍艦巻きなどで食べるのがお勧めです。
贅沢にご飯の上にたっぷり乗せてウニ丼にしたり、殻付きは手に入れば焼きウニにするのもありでしょう。
他にもいろいろ調理法はありますが、ウニの旨味をダイレクトに味わうのが一番でしょう。
※無許可の採取は罰せられる場合があります。
カメノテ
カメノテは磯や桟橋などで、岩などの割れ目などに沢山張り付くようにいる貝のように見えますが、エビやカニなどと同じ甲殻類の一種です。しかし、固着生物であるため、動き回ることは出来ません。
生息は全国で確認されますが、水産物として扱っているところは少なく、流通量も限られており、中四国、九州で水揚げが確認できます。
ヨーロッパでは近縁種がイベリア北西部で獲れ、スペインやポルトガルでは高級食材として扱われています。
産卵期は6月下旬頃から8月にかけてとされていますが、産地で美味しいとされている時期は、産卵前に栄養を蓄えてから、卵を持つ時期までと考えられますので、5月から8月となりそうです。
カメノテのおすすめの食べ方
カメノテの表面には汚れが沢山付いていることが多いので、タワシなどでしっかりこすり、よく流します。
普通は塩茹でして柄の中の筋肉を食べるので、可食部分はほんのちょっとです。爪の部分にある触手や内臓も食べられますが、食感が悪いので、自己判断して下さい。
とても良い出汁が出るので味噌汁などにもできますが、最終的には手を使わないとむき身に出来ないので、食べにくくなるのであまりお勧めはしません。
※無許可の採取は罰せられる場合があります。
シャコ
シャコはエビと似ていますが、十脚目に分類されるエビやカニとは違い、口脚目(シャコ目)に分類される別物です。
主な産地は神奈川県や千葉県など東京湾、愛知県の伊勢湾と三河湾、岡山県など瀬戸内海周辺などですが、残念なことに近年は各地で激減しており、非常に高価なものの仲間入りをしてしまいました。休漁などで資源保護策を行っていますが、まだまだ回復には至っていません。
最近では北海道の小樽や石狩のものが増えてきていますが、スーパーなどで見かけることはあまりありません。
中国などからは、むき身にされた加工品も輸入されていますが、これも少なくなりつつあります。
とは言え、昔から馴染みのある食材ですので、旬の時期には食べておきたいものです。
美味しい時期は、産卵期を控え腹にカツブシと呼ばれる卵巣が発達する春から初夏にかけてのメスと、秋から初冬にかけて身が充実した頃と言われています。
シャコのおすすめの食べ方
生鮮を購入される場合は生きてていることが大前提です。シャコは死ぬと酵素を出し自ら体を溶かしはじめてしまうため、死んでいるものは避けたほうが良く、出来るだけ元気なものを手に入れましょう。また、体の割に身が小さいので、出来るだけ大きいものが良いでしょう。
浜茹でされたものの場合は、冷凍とチルドがありますので、出来ればチルドのものが良いでしょう。ただし、シャコは雑菌がかなり多いので、一度茹でられたものでも、念のため再加熱した方が無難です。
むき身はそのままお刺身でもよいのですが、天ぷら、和え物などエビやカニのように使っても美味しく頂くことが出来ます。
マボヤ
ホヤの仲間には日本だけでも百数十種程もいると言われていますが、食用とされているものはマボヤやアカボヤなどごく一部です。これらは栽培もされ、東北や北海道では一般的な食材として親しまれています。ホヤは見た目もインパクトがありますが、独特の風味があり、好き嫌いがはっきりしています。元々地元で漁師が食べていた程度のマイナーな食材だったものが、宮城県で栽培が始まり、今では全国的にその存在が知られるようになりました。産地としては宮城県がおよそ60%、北海道が30%と、盛んに消費するところで水揚げのほとんどを占めています。
晩秋の11月頃から翌春にかけて産卵期になるため、その時期は水揚げがありません。天然物の時期は4月から8月にかけてで、栽培物は3月頃から水揚げが始まり、6月から8月に盛漁期を迎えますので、美味しいホヤが食べられる旬の時期も5月から8月までの夏場となります。
マボヤのおすすめの食べ方
ホヤは鮮度落ちすると強い磯の香りが不快な独特の生臭みに変わり、苦くなると言われていますので、とにかく新鮮なものでなければなりません。また、軽いものは水分が抜けて乾いている可能性があるので、手に持ってみてズッシリと重みを感じるものでなければなりません。
ホヤを捌く時に、ホヤの中に詰まっている水を捨てずに取っておき、浸け汁に使ったり、その中で身を洗うようにつけたりすることで、香りを活かすことができます。
ホヤの皮は捨ててしまう人も多いですが、三陸など産地では数日天日干しをして、出汁を取るそうです。
一般には刺身にすることが多いようですが、焼物、揚物、炊き込みご飯などにもされます。