
3月に旬を迎える魚介一覧
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ハマグリ(総称 |
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3月頃に旬を迎える魚をご紹介します。
また、おいしい食べ方も紹介するので、参考にしてみて下さい。
3月に迎える魚介とおすすめの食べ方
ヨロイイタチウオ
見た目と名前からは想像できない非常に上品な白身魚です。
昔は以西底引き網漁で大量に水揚げがあり、安価で美味しい白身魚として流通していましたが、外国漁船などとの漁場競合や、資源の減少により、今では高級魚となってしまい、滅多にお目にかかることが出来なくなりました。
小さなものはある程度まとまった水揚げがあるようですが、これらは主に練り物の原料に向けられているようです。
秋から春にかけて漁獲が比較的多く、産卵を控えた時期と重なるため、身質も良い時期と言えるでしょう。
ヨロイイタチウオのおすすめの食べ方
上品な甘みを持った白身ですが、少し水っぽいところがありますので、下処理で適度に水分を抜いた方が美味しくなります。
ただし、非常に上品な白身ですので、塩や昆布などを使いすぎると魚本来の味も消えてしまうため、控えめに処理することが必要です。
煮物や焼物などにする際は、あまり濃い味付けにせず、魚自体の旨味を味わうようにしたほうが良いでしょう。
イカナゴ
イカナゴは暑さに弱く、6月頃から晩秋過ぎまで砂に潜って夏眠する珍しい魚です。
全国各地で水揚げされますが、兵庫県の瀬戸内海沿岸(淡路島、明石など)で旬の食材として根強い人気があり、2月下旬から3月初頭に漁が解禁となると、お魚屋さんはもちろん、スーパーの店頭に調味料とともに大量陳列され、地元の方がこれを買い求めて集まる光景がニュースにもなりす。
水揚げが最も多いのは兵庫県で、全国40%近くを占めており、次いで北海道、宮城県、愛知県と続きます。
イカナゴは冬に産卵期となり、孵化した稚魚が2cm前後に成長する2月下旬から3月頃が新子の時期となり、旬を迎えます。
イカナゴのおすすめの食べ方
この時期に取れる小さな新子は、兵庫県の産地の家庭では釘煮と言う郷土料理に調理されます。まとまった量の釘煮を作り、小分けして冷凍保存する家庭方が多いようで、中には10kg以上買われる人もいるそうです。
大きくなったものは釜あげされたものが良く出回ります。これは、そのまま食べることも出来ますが、さっと炙ってレモンや醤油をかけてた方が美味しいと言われています。
また、大きいと言っても4~5cm程度で骨も柔らかく気にならないので、かき揚げなどにもしても美味しく頂くことが出来ます。
コショウダイ
コショウダイの産卵期は初夏で、その時期に沿岸に寄って来るので定置網にかかりやすく漁獲量も増え価格も下がりますが、身質は少々落ちる時期です。
この魚は卵や白子が重宝されることはないので、産卵前後の秋から春先にかけての身が充実する時期が良いでしょう。
ただし、冬場は漁獲量が少ないのであまりお目にかかれないのが難点です。
コショウダイのおすすめの食べ方
コショウダイはイサキの仲間なので、身質もイサキによく似ているものの、若干旨味に欠けるところがありますので、お刺身にする場合は、昆布締めやカルパッチョなど一工夫した方が良いでしょう。
また、処理が悪いものは磯臭さが残ることもあるので、血抜きなどの下処理をしっかりして、皮は引いて、少し濃いめの味付けで調理すると良いでしょう。
イシダイ
イシダイは西日本から南日本の暖かい海域で1年中水揚げされていますが、漁は少なく、スーパーなどで見かけることはほとんどありませんが、わずかながら養殖を行っているところもあるため、料理屋などで見かける機会は増えています。
春から初夏にかけて産卵を迎え、磯廻りに集まるため、この時期は磯釣りの対象魚として人気が高くなります。また、小さなものは堤防釣りなどで見かけることもあります。
イシダイは1年を通して身質が大きく変化する魚ではないのですが、秋から冬にかけてはしっかり脂がのると言われていますが、この時期はほとんど水揚げがないため、産卵期前から産卵期に当たる春から夏にかけて水揚げが増えるこの時期が旬となります。
イシダイのおすすめの食べ方
鮮度が良ければお刺身が良いですが、天然ものは若干磯臭さが残る場合もありますし、活きているものは身が非常に硬いので、下処理をしっかりしてから1日程度寝かせた方が良いでしょう。
お刺身で皮を付けたままにする場合は、少し硬いのでしっかり火を入れておいた方が良いです。
身に脂があまりない時期ですので、加熱調理する際には少し濃い味付けにしたり、油分を加える調理が良いでしょう。
60cmを超える大型サイズは、ごく稀にシガテラ毒を持っている場合がありますので、捌く時に内臓は絶対に破らないようにして、しっかりと腹の中を水で洗って下さい。
あまり大きなものは身がかなり固くなります、お刺身にはお勧めできません。
メダイ
1年中全国各地で釣りや刺網などで水揚げされていますが、何故か認知度は低いままです。
流通しているものの多くは50cmから60cmくらいですが、大きなものは1m程度にもなります。
主な産地は伊豆半島沖から小笠原諸島、種子島や屋久島周辺などで、鹿児島県ではプライドフィッシュにも指定されています。
産卵期は冬ですが、旬とされる時期は産地によって様々で、三重県では春、鹿児島では1月から3月、山陰では7月から10月にかけてが、最も含有脂肪量が大きくなり食べて美味しい旬の時期とされているようですが、正直なところはっきりはしていません。
時期に関わらず身質に大きな変化はないようですが、個体差が激しく、当たり外れが多いのがメジャーになれない理由かも知れません。
メダイのおすすめの食べ方
脂を適度に含んだ白身でクセや臭みがなく、火を通しても程よい食感で固くなりにくい魚ですが、上述したように、個体差が激しいため、その見極めをしてからありますのでの、身質によって調理方法を変えた方が良いでしょう。
身に透明感がある上に、鮮度が良い証拠なので、お刺身がお勧めです。また、透明感の身に白い脂が細かく入り組んでいたら、さらに美味しく頂けます。
若干濁りが入った身の場合は、煮物や焼物など加熱調理が良く、脂ののりを確認して、味付けを工夫しましょう。
メダイは面倒な小骨も少なく、身離れも良いので、皮や骨を付けたまま加熱調理しても良い魚です。
アオメエソ
アオメエソと言うより、流通名のメヒカリの方が有名です。メヒカリの最大の特徴は名前の由来にもなっている大きな目で、光を当てるとエメラルドグリーンに光ります。
厳密にはアオメエソとマルアオメエソの2種おり、見た目はそっくりですが、前者は静岡県以南、後者は千葉県以北に棲息しており、産地で区別することが出来ます。
福島県のいわき市では、「いわき市の魚」に指定されており、福島県と宮崎県では「プライドフィッシュ」にもなっています。
旬の時期は、千葉以北では主に冬から春とされており、南九州の日向灘では漁期が7月から翌年の4月(5月から6月は産卵のため禁漁)で、ピークは7月から8月の夏と、12月から1月の冬となっています。
アオメエソのおすすめの食べ方
メヒカリはクセが少ない魚で、小さいながら脂が多く、さらに旨味も強い白身魚です。
骨も柔らかく、料理によっては骨ごと食べることが出来ます。
鮮度が良いものは刺身でも食べることができますが、鮮度落ちが早いので、出来るだけ早く調理する必要があります。
カサゴ
カサゴの旬には諸説あり、12月から2月頃までの冬から初春が旬と言うのが一番多いようですが、初夏から冬と言う説もあり、また俳句の世界では春の季語となっていたりもします。
ただ普通に考えると、産卵前の夏から秋が良と言えますが、この時期は水揚げが少なく、冬から春に水揚げが増える傾向にありますので、この時期を旬とします。
身質の大きな変化がない魚ですので、季節を問わず楽しむことは出来ますが、歩留まりの悪い魚ですので、身が痩せる時期のものは避けた方が良いでしょう。
カサゴのおすすめの食べ方
毒はありませんが、鋭い棘が体中にありますので、調理の際には気を付けて下さい。
大きくても20cm程度で、30cm以上になることは滅多になく、見ての通り頭でっかちの魚なので、歩留まりは非常に悪いのが難点ですので、お刺身にすると可食部分は非常に少なくなることを覚悟しましょう。
カサゴの仲間は総じて、クセのない美味しい白身なので、焼物、煮物、揚げ物など、なんにしても美味しく頂くことが出来ます。
メカジキ
メカジキ属では現存している唯一の種で、成魚になると全長5m、重さ400kgを超える、カジキの仲間の中でも大型です。
他のカジキに比べて目が大きいことからメカジキという名前が付いたという説がありますが、その辺ははっきりしていません。
1年中水揚げがありますが、10月から翌3月に獲れるものは「冬メカ」と呼ばれて脂が最も乗っていることから、この時期が旬だと言われています。
国内では北海道から九州まで広く生息し、世界でも熱帯域から温帯域でも水揚げがあり、冷凍での出回りも比較的多い魚です。
メカジキのおすすめの食べ方
1年中出回りがあると言っても、スーパーなどに並ぶことはあまりありませんが、冬場に見かけたらぜひ味わってほしい魚のひとつです。
皮も骨も外した切身や柵で流通しているので、調理は簡単です。
鮮度が良いものが手に入ればお刺身も美味しいですが、加熱しても身が固くなりにくいので、様々な料理にすることが出来ます。
カツオ
カツオは初夏の季語になっていますが、毎年北上南下を繰り返す魚で、3月頃に九州南部で漁が始まり、5月頃本州中部、8月から9月頃に三陸北部、北海道南部あたりまで進み、そこからまた南下します。また、遠洋漁業も盛んになっており、また冷凍の流通も非常に多いことなどから、何をもって旬と言うか難しいところですが、一般的には4月から5月のいわゆる初カツオのシーズンと、8月下旬から10月頃に三陸沖で漁獲される戻りカツオのシーズンを旬と呼びます。
ただし、水揚げは減るものの、12月にかけてますます脂がのって美味しいと言う人もいます。
また、各地でブランド化も進められており、和歌山県のすさみケンケン鰹、高知県の日戻り鰹、宮城県の金華鰹などがあります。
カツオのおすすめの食べ方
初カツオの時期なので、脂ののりが少なく比較的あっさりとしています。
カツオの身は加熱するとパサパサになってしまうので、この時期のものはタタキやお刺身などの生食がお勧めです。
カツオにはサバなどと同様にヒスチジンという成分が含まれており、鮮度が落ちて古くなるとヒスタミンというアレルギーを起こす成分に変化しますので、鮮度が悪いものは避けましょう。
アカカマス
アカカマスは体長が40cm程になり、味の良さもあってカマスの中では人気があり値段もそれなりに高い魚で、ヤマトカマスと区別するのに本カマスとも呼ばれることもあります。ヤマトカマスは水っぽいと言われて市場価値は下がりますが、干物にするのはヤマトカマスの方が良いと言う人もおり、正直評価はそれぞです。
水揚げは1年中あるようですが、産卵期は初夏から夏なので、旬は脂がのってくる秋から初冬あたりと、産卵に向けて栄養を蓄える春と言えます。
アカカマスのおすすめの食べ方
大きくて鮮度が良いものが手に入ればお刺身がお勧めです。小振りなものでもお刺身にできますが、小骨が多い魚なので、下処理が少し大変です。
また、加熱しても硬くならない魚なので、塩焼きやソテーなどにしても美味しく頂くことが出来ます。
アカガレイ
口が大きいのでヒラメに間違えられそうな顔をしていますが、カレイです。表も裏も血がにじんだような色をしているため、このように呼ばれているようで、見た目はあまりよくありませんが、とても美味しい魚です。
2月から3月には産卵期に向け、深場から浅場に集まってくるため漁獲量が増えますので、しばらくはお目にかかる機会が増えます。
アカガレイのおすすめの食べ方
3月はおおむね子持ちの時期になりますので、卵と一緒に煮付けがお勧めです。
クロガレイ
クロガレイの主な産地は北海道で、特に東側やオホーツク海側で水揚げされています。
近縁種のクロガシラガレイに混じって漁獲され、クロガシラガレイ、単にクロガレイとして区別されず出荷されることが非常に多いのですが、実はあまり水揚げされておらず、クロガシラガレイの陰に隠れているような存在です。
他のカレイと同じように、腹に卵を持つ時期に多く漁獲され、卵と一緒に煮付けて美味しい魚とされていますので、産卵期の3月から4月を含め、腹に卵を持ち始める冬から春にかけてが旬と言えます。
クロガレイのおすすめの食べ方
臭みやクセは無く、透明感のある白身ですが、やや水分が多いため、身は柔らかめです。
鮮度が良ければお刺身も良いのですが、産地でないとかなり厳しいでしょう。もし入手できても、塩や昆布などで締めて水分を抜いたほうが良いとされていますし、お刺身にするのは卵が充実する前の12月から1月くらいまでがベストでしょう。
焼物についても、同様に水分を抜いたほうが良いとされていますが、煮物はそのまま調理した方が身の柔らかさを活かせます。
ババガレイ
全国各地で水揚げがありますが、標準和名のババガレイで呼ばれることはなく、ほとんど地域名で流通しています。
体全体が粘液で覆われているため、見た目もあまり良くなく、名前の由来にもなっていますが、クセのない白身で、昔から煮付け向けの高級魚として扱われてきました。
主な産地は北海道太平洋側から東北の沖合にかけてで、八戸沖には大きな産卵場があります。産卵期は3月から4月で、特に卵を持ったものが人気があります。
身を食べて美味しい旬の時期は脂がのる晩秋辺りから、腹に子を持ち、産卵してしまう前の初夏辺りまででしょう。
三陸地方あたりでは子持ちで縁起がいい「歳とり魚」として正月に食べる風習があり、年末には非常に値が上がるようです。
ババガレイのおすすめの食べ方
ババガレイの身は白身でクセが無く、甘みが強いのが特徴です。
加熱調理しても身が硬く締まらずふわっとしたままなので、煮物を中心をした加熱調理用として人気が高い魚です。
鮮度が良いものは産地くらいでしかお目にかかれませんが、もし入手できたらお刺身もお勧めです。ただし、お刺身にする場合は、卵が充実する前の冬場が良いので、この時期は卵と一緒に味わう煮付けがお勧めです。
ムシガレイ
お刺身の場合、締めて間もないものはコリコリした食感を楽しむ分には良いでしょうが、旨みを引き出すためには、1日程度寝かせたほうが良いと言われています。
マダイに関しては、どうのこうの言うこともなく、お刺身はもちろん、昆布締め、椀だね、煮物、焼物、蒸物、鍋物、酢の物など和洋中問わず、多彩な料理にあいます。
養殖も質が高いものが多いので、時期によっては遜色ないこともあります。
ムシガレイのおすすめの食べ方
鮮度がバリバリであっても、水分が非常に多い魚ですので正直お刺身には向きません。
2月から3月は産卵前で最も身が充実している時期なので、煮付けが最も良いでしょう。
焼物や揚げ物などにする際は、塩などをして水分を抜いた方が美味しく頂けます。
シロギス
一般にキスと言えばシロギスを指します。国内で獲れるキスには他にアオギス、モトギス、ホシギスなどいますが、水揚げはほぼ皆無で、お目にかかれることはまずありません。
また、開きなどに加工され輸入されているキスも近縁で、シロギスではありません。
シロギスは遠浅の砂浜に生息していますが、護岸工事などの影響からか、漁獲量は年々減少しており、魚価も高騰しています。
首都圏や京阪神などの大きな消費地市場で流通しているものは、近隣の三重県や千葉県などから入荷したもので、前浜で獲れることほとんどない状況です。
シロギスは主に初秋に産卵期のため、美味しい旬は産卵前の春から初夏までとされていますが、初秋に子を持ったキスを好む地域もあります。
シロギスのおすすめの食べ方
シロギスは非常に上品な白身で、夏場は中程度のサイズが天ぷらダネとして特に好まれます。
大きなものはあまり手に入りませんが、鮮度が良ければお刺身で美味しく頂くことが出来ます。皮は柔らかいので、湯霜造りなどにすれば一緒に食べることもできますが、身が薄いので加熱し過ぎには注意が必要です。
また、大きなものは、焼物や煮物でも美味しく頂けます。
キビナゴ
キビナゴは、ニシンの仲間で、スマートな体に美しい銀色をしており、中央には鮮やかな青色の帯模様が走っており、その見た目から、「帯(きび)」の「小魚(なご)」と名付けられたと言われています。
冬と初夏の2回旬があると言われており、冬は身質が良いもの、初夏は産卵期を迎えた子持ちが旬となり、鹿児島県では珍重され、欠かせない郷土料理となっています。
梅雨時まで漁期が続きますので、これからお目にかかる機会が増えます。
キビナゴのおすすめの食べ方
まずは、お刺身がお勧めです。刺身醤油でも良いのですが、酢味噌はキビナゴと相性抜群と言われていますので、一度お試し下さい。
お刺身にする場合は、手開きしたものを菊の花にかたどって並べる「菊花造り」が有名です。
チカ
北海道では知名度100%と言っても過言ではない魚ですが、他の地域では、似ていると言う理由だけでワカサギと区別なく流通していたこともある上、水揚げがほとんどないので認知度はかなり低いようです。
ワカサギはどんなに大きくても15cm以下ですが、チカは20cmほどになり、海淡水両方に棲むことができるワカサギと違い、チカは海水でしか見られません。
春に産卵期となるため、2月から4月には子持ちとなり、北海道では非常に重宝されます。また、認知度が低いこともあってかなりのお手頃価格で入手可能です。
チカのおすすめの食べ方
この時期は子持ちの時期となりますので、焼物や煮物など、卵と一緒に食べる料理に向きます。
卵のホクホクした食感をお試しください。
ワカサギ
ワカサギと言えば、極寒の中で凍結した湖の一部に穴をあけて釣り糸を垂らす「穴釣り」が有名で、冬の風物詩となっていますが、実ははほぼ1年中水揚げがあります。
地域差はありますが、1月から5月が産卵期で、関東地方では1月から2月、東北地方では3月から4月、北海道は4月から6月に最盛期を迎え、この時期に子持ちのものが出回り始めます。
ワカサギのおすすめの食べ方
この時期は子持ちの出回りは少ないので、オーソドックスに唐揚げ、天ぷらなどでワカサギそのものを味わうのが良いでしょう。
ただし、子持ちが手に入ったら甘露煮がお勧めで、卵のホクホクとした食感が楽しめます。
キンメダイ
脂ののったキンメダイもおおむね3月で一旦終了し、次は産卵前の7月からとなります。
しばらく会えなくなる時期ですので、今のうちに味わっておいてほしい魚です。
キンメダイのおすすめの食べ方
鮮度が良いものならもちろんお刺身がお勧めですが、金目鯛と言えばやはり煮物がかかせません。ほど良い脂とホロホロの柔らかい身を楽しみましょう。
ウグイ
ウグイはコイ目に分類される日本の在来種で、沖縄県を除く日本全国に分布し、河川の上流から下流、ダム、湖などに生息しています。また海に下るタイプのウグイもおり、汽水域や海水域でも生息が確認されるなど、広範囲に生息しているにも関わらず知名度は今ひとつです。
その理由は「まずい」といわれてしまうことが多いことのようです。ウグイは水質の悪いところでも生きていけるが故の「泥臭さ」や、コイ科特有の「小骨の多さ」が原因だと考えられていますので、水質が良いところで獲れたもので、鮮度が良ければとても美味しく食べることが出来ます。長野県、栃木県、富山県の一部では今でも郷土料理として提供しているお店もあります。
また、春(3月上旬から5月中旬)になると雌雄ともに鮮やかな3本の朱色の条線が走る婚姻色へ体の色が変わります。
ウグイのおすすめの食べ方
ウグイの旬は、初冬から初夏の時期までと言われています。
これから初夏にかけての産卵期のウグイは卵も共に楽しめる逸品ですので、焼物、煮物、田楽、揚げ物など卵も一緒に楽しめる料理がよいでしょう。
ただし、20cm以上になると小骨の多さが気になりだすので、調理によっては骨切りなどの処理をした方が良いでしょう。
アマゴ
サケの仲間は同じものであっても、一生を淡水で過ごすか、一旦海で過ごして産卵の際に川に戻るかで、名前も大きさも変わります。
アマゴは一生を川で過ごしますが、成長とともに海に出て、産卵のため再び川を遡上する降海型のものはサツキマスと呼ばれます。
天然のアマゴは、市場に出荷されるほど獲れることはなく、お目にかかれるもののほとんどが養殖で、養殖の産地としては静岡県、愛知県、岐阜県、徳島県、奈良県などがあります。
天然のアマゴ(とは言ってもほぼ放流ですが)の釣りや漁の解禁日は河川を管理する漁協等により決められており、多くが3月で、夏の終わりごろまで続きます。
アマゴのおすすめの食べ方
養殖であれば、寄生虫の心配は必要ないので、鮮度が良ければお刺身にすることも可能です。
代表的な料理は塩焼きですが、田楽、煮物、ソテーはもちろん、小さなものは丸ごと甘露煮や唐揚げにしても美味しく頂けます。
※釣りなど行う場合は、管理する漁協の許可等が必要となることがありますので、ご注意下さい。
サクラマス
サケの仲間は同じものであっても、一生を淡水で過ごすか、一旦海で過ごして産卵の際に川に戻るかで、名前も大きさも変わります。
サクラマスは川で孵化し、成長と共に海に出て、産卵のため再び川を遡上する降海型の魚ですが、一生を川で過ごすものをヤマメと言います。
主な産地は北海道で全国の7割以上を占めています。
市場に流通するものはほとんどが天然ですが、近年は養殖も進められ、新潟県佐渡島和木漁港沖では「佐渡満開さくらます」というブランドで海面養殖されたものが出荷されている他、山形県遊佐町など陸上養殖も行われています。
天然ものは、河川へ遡上を始める3月から5月に水揚げされ、旬を迎えます。
サクラマスのおすすめの食べ方
養殖のものはお刺身で食べられますが、天然のものはアニサキスやサナダムシなどの寄生虫が付いていることも多いので、お刺身にする場合はー20℃以下で24時間以上冷凍したものを使います。
川に遡上すると、婚姻色となり、一気に痩せてしまいますので、沖合の定置網で漁獲されたものの方が良いでしょう。
天然のものは産卵期と重なるため、脂はさほどのっていませんが、あっさりとした身質で、どのような料理にも合います。
富山県ではサクラマスを使用した「鱒寿司」が有名で、昔は富山藩の献上品であったと言われています。
ニシン
ニシンの漁獲は産卵のため春先に沿岸に寄って来た時に行われるため、産地では春告魚と呼ばれます。
産卵期にあたるため、抱卵したものが多く、卵巣は数の子として丁寧に取り扱われ、おせち用食材として塩蔵処理されます。
昔は日本近海で大量に水揚げされたようで、明治末期から大正期の最盛期には北海道で100万トン近くも獲れた記録が残っていますが、今では全国の水揚げ5000トン(うち北海道産は99.5%)程度と激減しています。
国内で漁獲されたものは主に鮮魚で出荷されており、身欠きにしんや塩数の子など、古くからの加工品は今やそのほとんどが輸入で賄われています。
漁期は、北海道サハリン系群は3月下旬から6月下旬、石狩湾系群は1月下旬から5月上旬が産卵期とみられ、おおむね2月から3月が最盛期となりますが、知床周辺では、流氷の影響で遅れることもあります。
ニシンのおすすめの食べ方
産地でないとかなり難しいですが、もし鮮度が良いものが手に入ればお刺身がお勧めです。産卵期なので脂が落ちそうなものですが、そういうこともなくしっかりと脂があるのが、寒流域の魚の特徴かもしれません。
小骨は取り除くことも可能ですが、とにかく多いので、少し手間ですが皮目から細かく骨切りする方法が良いでしょう。
もちろん、焼物、煮物、揚物などでも、美味しく頂くことが出来ます。
ヒラ
ぱっと見ニシンやコノシロに似ていますが、全長50cmほどとかなり大きくなります。また、小骨が非常に多いことなどから敬遠される地域が多く、食用にする地域は岡山県周辺が多く、その他は香川県、有明海周辺などです。
有明海で水揚げが多く、地元の日との間では釣りの対象魚としても人気があり、岡山県ではプライドフィッシュになっています。
瀬戸内海で水揚げが始まるのは3月頃から初夏にかけてで、産卵に向けて体に脂肪を蓄えるこの時期が旬となります。それ以降も水揚げはありますが、産卵後は脂がかなり落ちてしまいます。
ヒラのおすすめの食べ方
小骨が異常に多いので、これを取り除くことは困難を極めるため、どのような調理をするにしても骨切りが必須となります。
消費地のスーパーでは、骨切りしたものを販売していることもあります。
下拵えにかなり手間がかかりますが、旬の時期は脂もしっかりのって、非常に美味しいので、手間を差し引いても味わう価値はあると思います。
鮮度が良ければ、お刺身(といっても骨を断ち切るために薄造りかタタキ)がお勧めで、透明な身に程よく脂がのったお刺身はこの時期ならではです。
また、脂がしっかりのっているので、焼物や煮物でも、美味しく頂くことが出来ます。
サヨリ
サヨリは初夏に向けてさらに大きくなり、3月になる市場にも沢山出回るようになります。
とは言え、産卵期になると身がかなり薄くなってしまいますので、身をしっかり味わうことが出来るのは3月前半くらいまででしょう。
サヨリのおすすめの食べ方
3月は大きくて鮮度が良いものが手に入りやすいので、お刺身以外の料理でも楽しむことが出来ます。
揚物にするときは、骨が気になる大きなサイズになるので、開くなどして骨を外して調理した方が良いでしょう。
サワラ
3月は真冬の脂がのったサワラから、産卵前の子持ちへの切替り時期です
どっちつかずの時期とも言えますが、双方が同時期に味わえるハイブリッドとも言える時期です。
とにかく身が柔らかい魚ですので、身割れしたものだけは避けましょう。
サワラのおすすめの食べ方
産卵前で身に脂がのっているものは、お刺身が良いでしょう。
産卵準備が始まり、卵や白子が大きくなってきたものは、煮付けが最適です。
焼物にする場合は、味噌漬けや味醂漬けなどにすると、味わい深くなりますし、同時に水分をいくらか抜くことが出来るので、身崩れを防ぐことも出来ます。
アカシタビラメ
国内でとれるシタビラメ類はアカシタビラメ、クロウシノシタなどを中心に5種類から6種類で、ぱっと見で似たようなものは区別されずに流通することがあります。
アカシタビラメもよく似たイヌノシタなどと区別されずに、アカシタとして流通することが多く見られます。
主な産地は香川県、徳島県、愛媛県、大阪府、岡山県など瀬戸内海沿岸で、産地ではスーパーにも並びますが、産地以外ではあまりお目にかかることはありません。
身が美味しい旬は、産卵期前までの冬から初夏と言われており、ちょうどこの時期に水揚げも増えます。
アカシタビラメのおすすめの食べ方
シタビラメの仲間は身が薄いので、お刺身にするには相当技術がいる上に、多少水っぽいので、水分を抜くなど下処理などかなり手間ですが、好んで食べられる方もいらっしゃるようです。
ムニエルにされることが多いのですが、柔らかく旨味の多い白身魚ですので、煮物、揚物などでも、美味しく頂くことが出来ます。
シラウオ
あまりお目にかかることがない魚ですが、実は北海道から九州沿岸までと広い範囲で水揚げされており、島根県の宍道湖では「宍道湖七珍」のひとつとされて有名です。
産卵のために河川を遡上する春の2月から4月が盛漁期で、この時期を旬としているところが多くあります。
同じ時期に旬を迎える似たような「シロウオ」と混同されやすいのですが、「シラウオ」はシラウオ科で、背びれと尾びれの間に脂びれがあり頭が尖っているのに対し、「シロウオ」はハゼ科で頭が丸く全体に黄色味を帯びているので、一目見ればすぐに区別できます。
シラウオのおすすめの食べ方
鮨ネタにも使われるなど生食することが多いのですが、稀に横川吸虫や顎口虫が寄生していることがありますので、生食する場合は-20℃以下で24時間以上冷凍することをお勧めします。
加熱して食べるのであれば、かき揚げ、お吸い物などシンプルな料理が、シラウオの旨味をしっかり感じることが出来るのでお勧めです。
ただ、小さな魚ですので、火を通し過ぎるとボロボロになってしまいますので、注意して下さい。
シロウオ
シロウオは産卵期を迎える早春に海から川に遡上し、漁期は地方によって多少ずれますが、おおむね2月中旬頃から4月上旬で、この頃が旬となります。
早いところでは、愛媛県宇和島のように1月中旬頃から始まって2月中旬に終わるところもあります。
※シラウオとの違いはシラウオの項でご確認下さい。
シロウオのおすすめの食べ方
シロウオは活きたままで販売していることもあり、また踊り食いが非常に有名ですが、稀に顎口虫が寄生していることがありますので、生食する場合は-20℃以下で24時間以上冷凍することをお勧めします。
加熱して食べるのであれば、卵とじ、かき揚げ、お吸い物などのシンプルな料理が、シロウオ自体の旨味をしかっり感じることが出来るのでお勧めです。
ただ、小さな魚ですので、火を通し過ぎるとボロボロになってしまいますので、注意して下さい。
クロダイ
関西ではチヌと呼ばれ、釣りの対象魚しても有名で良く食べられる魚ですが、全く食べない地域もあるくらい、好き嫌いがはっきり分かれています。
普段は海に棲んでいますが、堤防など人家に近いところに比較的多く、汽水域でも生息できます。また、雑食性でなんでもよく食べるので、環境の影響をまともに受け、地域や時期により身に臭みがあるのが、嫌われる原因のようですので、いつどこで獲れたものかを知っておくことが重要と言えます。
産卵期は春から初夏にかけてで、その時期には内湾の浅いところにも大型のものが寄って来るため水揚げも増え、この時期を旬とする説もありますが、身が美味しいのは産卵前の秋から春先までで、この時期は比較的沖合に棲んでいるので、臭みも少ない時期です。
クロダイのおすすめの食べ方
3月も下旬になると産卵のために身が痩せたものが混じることがありますので、少し注意が必要です。
お腹がプクッと膨らんでいるものは身が痩せている可能性があるので、出来たらお腹を押さえてみて、固いものを選びましょう。
この時期は卵に栄養が持っていかれてくる頃なので、旬の2枚貝で旨味を加えるアクアパッツァなどがお勧めです。
ヘダイ
ぱっと見はクロダイに似ていますが、全体的に白っぽく、体側には側線に平行するように黄色い小斑点の縦縞があるのが特徴です。
この魚を目的とした漁はなく、あくまでも混獲なので、水揚げ量は少ない上、産地でほぼ消費されてしまいますので、あまりお目にかかれる機会はありません。
主に西日本で水揚げされており、産卵期が晩春から初夏なので、身が充実するのは晩秋から春先にかけてとなります。
ヘダイのおすすめの食べ方
風味はマダイに似ており、ほぼ同じ料理で美味しく食べられます。
クロダイのように汽水域に生息することなはく、環境には左右されず、クセもなく、非常に上品で淡白な白身魚です。
3月は産卵期前で、そろそろ痩せて来る時期ですので、旬の貝類で旨味を加えるアクアパッツァなどがお勧めです。
マダイ
単に「タイ」と言えばマダイを指しますが、国内には「〇〇鯛」と名が付いた魚が非常に多く、これらはあやかり鯛と呼ばれ、およそ200種いると言われています(地方名を含めるともっと多いかもしれません)。
めで鯛などと縁起を担いだ語呂合わせが昔から多く、1年中水揚げがあること、養殖物も多いことなどから、日本では非常に馴染みの深い魚です。
全国各地でプライドフィッシュとして扱われており、また明石の真鯛は身質が良いと評価されており、高値で取引されることもあります。
マダイの産卵期は地域によって差があり、おおむね2月頃から6月頃のようですが、全国的に旬は産卵期直前の桜の季節と言われ、この頃のマダイは桜鯛と呼ばれ珍重されます。
産卵後しばらくは脂が落ちてしまいますので、料亭などでは夏頃には避けられる傾向がありますが、秋ごろにはまた美味しい状態に戻ります。
マダイのおすすめの食べ方
お刺身の場合、締めて間もないものはコリコリした食感を楽しむ分には良いでしょうが、旨みを引き出すためには、1日程度寝かせたほうが良いと言われています。
マダイに関しては、どうのこうの言うこともなく、お刺身はもちろん、昆布締め、椀だね、煮物、焼物、蒸物、鍋物、酢の物など和洋中問わず、多彩な料理にあいます。
養殖も質が高いものが多いので、時期によっては遜色ないこともあります。
コマイ
小型のタラの仲間で、北海道での呼び名がそのまま標準和名となりました。北海道周辺、青森県から山口県までの日本海側、及び宮城県までの太平洋側で水揚げがありますが、何故か北海道以外ではほとんど認知されていません。
干物などの加工品はかなり流通していますが、鮮魚での出回りはほっかいどうを除きほとんどありません。
産卵期は1月から3月で、この時期に比較的浅いところに上がってくるため水揚げが一気に増えます。
根室海峡はコマイの産卵場所として有名です。

コマイのおすすめの食べ方
この時期は白身の美味しさはもちろんですが、卵や白子を味わえる季節ですので、これらを利用した料理がお勧めです。
白子は身とともに味噌汁や鍋、卵は醤油漬け、小さなものは頭と内臓を取って唐揚げなどにして楽しむことが出来ます。
加工品では、一夜干しが酒の肴に最適と言われています。
ハマトビウオ
トビウオと言っても、細かく分けると数十種類いるため、総称でトビウオを区別なく流通することが多いようです。
市場に出回るものには、トビウオ(本トビウオ)、カクトビと呼ばれているハマトビウオやツクシトビウオ、マルトビと呼ばれているホソトビウオなどがいます。
この中で、最も高く取引されているのは大型(30cm以上)になるハマトビウオです。
夏のイメ-ジが強い魚ですが、それは外洋に棲んでいるため、レジャーなどでかなり沖に出ないとみることがないからだと考えられます。
実際には、生息域や種類によって違い、ハマトビウオは冬から春の産卵時期に水揚げがふえるため「春トビ」とも呼ばれ、この時期が旬となります。
ハマトビウオのおすすめの食べ方
新鮮なものはお刺身にするととても美味しい魚です。似たようなイワシやサンマの刺身とはまた違い、脂が少ないのですが、風味があり旨みも多いのが特徴で、青魚特有の生臭さもほとんどありません。
ただ、他の青魚より脂が少ないので、加熱調理する場合は、ソテー、揚物など、油を加える料理が良いようです。
キジハタ
キジハタは、非常に味が良く、漁獲量が少ないこともあって、市場ではかなり高級魚として扱われていますので、産地でもなければ一般の食卓に並ぶことはほとんどない魚です。
主に福井県あたりから九州にかけての日本海沿岸や瀬戸内海で水揚げが見られます。
少ないながら1年中水揚げがあり、また1年を通して身質に大きな変化はないのですが、産卵期の夏はどうしても身が痩せるので、この時期だけはだ避けた方が良いでしょう。
ただ、産卵期には水揚げが増える傾向にありますので、出回りは増えます。
キジハタのおすすめの食べ方
キジハタは1年を通して美味しい魚で、クセや臭みはなく、引き締まった肉質が特徴です。
生食、煮る、焼く、揚げる、蒸すなど、あらゆる調理法で美味しく食べることができます。
また、皮下の脂はとても美味しいので、調理する際には出来るだけ皮を付けたままにした方が良いでしょう。
アラは良い出汁が出るので、煮物にすると美味しく頂くことが出来ます。
スジアラ
沖縄県ではアカジンミーバイと呼ばれ、ハマダイ(アカマチ)やシロクラベラ(マクブー)とともに沖縄三大高級魚として知られていますが、本州では見かけることはまずありません。
また、沖縄県では養殖も始まっており、完全養殖にも成功しています。
南の魚のため、年間を通して身質の変化はないようですが、産卵期が初夏から秋口にかけてなので、夏は身が痩せる傾向が高いようです。
スジアラのおすすめの食べ方
お刺身にする場合、鮮度が良すぎると歯応えばかりになるので、魚を味わうためには1日程度寝かせた方が良いかも知れません。
加熱調理すると身が縮みやすいので、出来れば2日から3日寝かせた方がよいでしょう。
非常に上品な白身なので、加熱調理する際は少し濃いめの味付けが良いようです。
ハタハタ
「ハタハタ」という名は「鳴りとどろく雷」「いかずち」を意味しており、産卵のため沿岸に押し寄せてくる11月から12月頃は雪が降る前に雷が鳴ることが多いことから名付けられたと言われています。
秋田県沿岸では、昔は大量に水揚げがありましたが、一時期極端に獲れなくなり、資源保護に努めた結果、近年漁が回復してきているようです。とは言え、ここ数年の水揚げは兵庫県(日本海側)がトップで、次いで鳥取県で、秋田県は3位止まりです。
秋田県の漁期は11月末から1月にかけてで、ブリコ(ハタハタの卵)を持っている雌が珍重され旬となります。一方、鳥取県など山陰では漁期が9月から翌年5月あたりまでで、産卵には参加しない魚群のため身に脂が多く「シロハタ」と呼ばれ、特に3月から5月が美味しい旬とされています。
ハタハタのおすすめの食べ方
ブリコを求めるなら秋田県や北海道で11~12月に水揚げされる腹が大きい雌を選びますが、この時期は身だけを楽しむようになります。
もちろん、大きいものが美味しいのですが、値段もそれなりになります。
淡白でよくしまった身はウロコが無く、しょっつる鍋や味噌煮などの郷土料理として親しまれている他、正月に食べる「なれずし」や「しょっつる」の原料としても知られています。
庄内地方では12月9日の「大黒様のお歳夜」にハタハタの田楽を食べる風習があり、鳥取県では酢で締めた「白ハタ寿司」と呼ばれる郷土料理もあります。
また干物の需要が高く、焼物にする場合は干物が好まれます。
ヒラメ
ヒラメは沖縄県を除き、各地で水揚げがあります。2020年の全国の漁獲量では、北海道が最も多く、次いで青森県、宮城県と、北日本で多く水揚げがあります。
青森県では「青森天然ひらめ」としてブランド化を進めており、人気の高さからか輸入も多く、韓国からは活で、アメリカ、中国からは鮮魚としても入荷しています。
養殖も盛んで、漁獲量全体の20%程度を占めており、大分県、鹿児島県、愛媛県など多く見られますが、一時発生したクアドの影響からか、ピーク時の7割ほどまで減少しています。
ヒラメは寒くなる晩秋から初春が美味しい時期で、中でも冬が最も脂が乗りつつ身が締まって美味しくなります。
春から初夏にかけて産卵期となるため、その後は身が痩せ味が落ち、特に夏のヒラメは猫マタギとまで言われ、敬遠される傾向にありますが、近年は養殖や輸入物などが多く出回っていることもあり、昔ほど旬を気にしなくなっています。
ヒラメのおすすめの食べ方
ヒラメと言うと、クドアによる食中毒が一時期大きなニュースとなり、スーパーなどでは取り扱いを控えるようになりました。
確実に避けるのであれば生食はしないことですが、どうしても気になる場合はー20℃以下で24時間以上冷凍することをお勧めします。
ただ、養殖場での適切な管理が進んでいることもあり、食中毒の確認件数は年々低下しており、平成24年には400件以上あったものが、令和3年には14件となっています。
ただ、お刺身以外でも美味しく頂くことが出来る魚ですので、焼物、煮物、揚物など、何でも楽しむことが出来ます。
ハマダイ
ハマダイは暖海系の深海魚で、伊豆諸島、小笠原諸島、沖縄県、鹿児島などで水揚げがありますが、その量は少なく、高級魚として取扱われることが多いようです。
水揚げが多いのは産卵期と重なる6月から8月にかけてと、11月頃の秋ですが、夏の魚として扱われていることが多いようです。
5月から8月には発達した卵巣が見られるため、身質が充実するのは晩秋からから春にかけてのようです。
ハマダイのおすすめの食べ方
ハマダイはクセや臭みがなく、旨みの強い白身の魚で、血合いは少なく色も赤く綺麗です。また、皮が赤く綺麗で、皮と身の間に旨味が多いので、お刺身にする場合は湯霜造りが良いでしょう。
身は加熱しても固くなりにくいので、煮物、焼物、揚物など何でも向きます。
また、アラからはとても美味しい出汁が出るので、スープなどに使うと良いでしょう。
ヒメダイ
ヒメダイを目的とした漁はないようで、産地もあやふやですが、沖縄県、小笠原諸島、高知県、鹿児島県などで水揚げが見られます。
産地では、味の評価から高級魚として扱われているようですが、水揚げが多いわけではなく、他の地域へ出回ることはまずありません。
沖縄県の資料によると、産卵期は5月から9月がピークとなっていますが、高知県では水揚げが増える初夏から夏を旬としています。
ヒメダイのおすすめの食べ方
いつが旬なのかはっきりしていませんが、暖海性の魚の特徴で、あまり季節には左右されないようです。
マダイによく似た上品な白身ですので、鮮度が良ければお刺身はもちろん、マリネやカルパッチョのように軽く味付けをしても美味しく頂くことが出来ます。
また、皮と身の間に旨味が多いので、お刺身にする場合は湯霜造りが良いとされています。
加熱しても、身が固くなりにくいので煮物、焼物、揚物など何でもありで、また、アラからは非常に良い出汁が出ます。
シロサバフグ
日本の沿岸で獲れたシロサバフグには毒は含まれておらず肝でも食べられてきた時代もあったようですが、毒性を持つ近縁種の存在や、海域によっては毒性を持つことなどが発見され、現在では法律によって無毒な筋肉と皮、精巣のみが食用として認められています。
1年中水揚げがあり、中国から冷凍で輸入されるものは夏頃に水揚げされたものが多いようですが、産卵期は初夏なので、美味しい旬の時期は秋から春先まででしょう。
※フグは猛毒のテトロドトキシンを持っているため、調理は必ず免許を持っているプロにお願いしましょう。
シロサバフグのおすすめの食べ方
トラフグなどと比べると、小さく、水分が多く、柔らかいので、鮮度が良くてもお刺身には向きません。
加熱調理用としての需要が高く、鍋物、揚物などに向けられる他、一夜干しなどの加工品になることが多いです。
アカムツ
アカムツは太平洋側よりも日本海側で多く獲れ、富山や福井などの北陸から島根など山陰地方の特産として有名で、口の中が黒いことからノドグロと呼ぶところが多いです。
アカムツは1年を通して脂がのって美味しい魚なので、それ故か、最も美味しいとされる時期は諸説あり、晩秋から冬が最も美味しいとする説、産卵前の夏7月から8月が最も美味しとする説、子持ちの7月から9月などする節など様々です。
島根県では8月から翌年5月までに漁獲された80g以上の新鮮なものを「どんちっちノドグロ」としてブランド化しています。
また、長崎県では対馬市上県町の上県漁業協同組合が、はえ縄で獲れた釣り物を平成17年度から「紅瞳」というブランドで出荷しています。
最近では人気の高さからか、鮮魚、加工品ともに韓国からの輸入ものが多く見られます。
アカムツのおすすめの食べ方
アカムツは大きいものほど脂質の割合が高くなるとされていますが、小さいものでも他の魚に比べて脂は多く、美味しい魚です。
皮の下に美味しい脂がのっているので、どんな料理をするにしても皮は付けたままの方が良いでしょう。
鮮度が良ければお刺身はもちろんですが、煮ても、焼いても美味しい魚です。
クロムツ
長い間ムツは1種類であるとされていましたが、現在では2種類に分類され、黒い方をクロムツと言います。
ムツとクロムツは区別されて流通していると言われていますが、非常に似ているため、正確に区別されているかどうかは正直疑問です。
ただクロムツの方が圧倒的に高価で超高級魚で、特に関東では冬の魚として珍重し、また春が近づくと卵巣は「むつ子」として喜ばれます。
関東での評価が高いのは、産地も東京都、静岡県など関東に集中していることが原因かもしれません。
身が充実する旬は冬から春先で、卵や精巣が大きくなると脂がやや落ちてきます。
クロムツのおすすめの食べ方
透明感のある白身ですが、冬のものは身の脂肪分が多いため白濁しやすいので、鮮度が悪いと勘違いされるかもしれません。
熱を通しても固くならないので、煮物、焼物など、どんな調理にもあいますが、この時期は卵が大きくなるので、煮物が良いでしょう。
ウスメバル
ウスメバルは比較的耐寒性の魚で、主な産地は東北地方、北陸などです。クロメバルなどと比べると、40cmから50cm大きくなること、漁期が早く始まること、深場に生息することなど違いがありますが、身質などは大きく変わらず、上品で味わい深い魚です。
地域により多少ずれますが、3月から6月に産卵期を迎えるため、2月から産卵前までのごく短い期間が美味しい旬となり、特に筍(たけのこ)の初物が出る季節が良いと言われています。
ウスメバルのおすすめの食べ方
鮮度が良ければお刺身もお勧めですが、筍が旬の時期ですので、一緒に煮付けると一層美味しく頂けます。
鮮度の良いものは、煮付けなど加熱調理すると皮が剝けやすいので、下処理をしてから1日程度置いたものを使うと良いでしょう。
トゴットメバル
ウスメバルによく似ていますが、こちらは大きくても20cm程度と小型です。また、背中の暗色斑紋が薄く輪郭が角ばっているものがウスメバルで、輪郭が丸いものがトゴットメバルです。
ただし、双方ともにオキメバルとして、区別されることなく流通することが多いようです。
抱卵している期間が長く、春から初夏に子供を生むので、その時期は外した方が良いかも知れませんが、特に大きな身質の変化はないので、夏を除けばほぼ美味しく頂くことが出来る魚です。
トゴットメバルのおすすめの食べ方
他のメバル同様、クセのない淡白な白身で、どんな料理でも対応できる万能選手です。
定番の煮付けをはじめとして、塩焼、酒蒸し、干物、唐揚げなど、なんでも出来ますが、小さい魚なので、お刺身にすると可食部分が相当少なくなります。
アマエビ(総称)
標準和名はホッコクアカエビと言いますが、その名前で通じる方はほとんどいらっしゃらないでしょう。
アマエビにはもう1種ホンホッコクアカエビがいて、こちらは北欧や北米から輸入されており、見た目は本当にそっくりなので、産地以外で区別するのは難しいです。
アマエビは、産地で差があるもののほぼ1年中水揚げがあり、美味しい旬の時期については、晩秋から冬にかけての海水温度が下がる時期と言う説、北陸地方の休漁明け9月上旬から10月と言う説、北海道の水揚げピーク時の5月と言う説などがあり、いずれが正しいかもはっきりしませんが、どの地域も夏を外していますので、それ以外は美味しいと言うことにはなりそうです。
ただ、抱卵していると間違いなく栄養が卵に持っていかれるので、3月から5月の産卵期とその前後を除いた方が良いと言うことになりそうですが、卵も食べることが出来るエビですので、それぞれに味わいがあり、それぞれが旬なのでしょう。
アマエビ(総称)のおすすめの食べ方
この時期からはしばらく北海道産が主体となります。
産卵期と微妙に被りますが、産地では最も良い時期になると言われているので、ここもお刺身が一番良いかも知れません。鮮度が良ければ、卵も生食可能です。
お刺身にした後の頭は、唐揚げなどにしても美味しく頂けますが、頭の棘が口の中に刺さることがありますので、あらかじめ取り除いておいた方が良いでしょう。
また殻からは良い出汁が出るので、お味噌汁などに使うと良いでしょう。
トヤマエビ
トヤマエビは、一般にボタンエビとして市場に流通しています。ボタンエビと言うのは別にいるのですが、よく似ているため水揚げが減ったボタンエビの代用として流通している内に、定着してしまったようです。
名前の由来は、富山湾で最初に研究用に採捕されたことによるもので、決して富山県にしかいない、富山県で水揚げが多いと言うわけではなく、丹後あたりから北陸、北海道にかけて水揚げされており、北海道が水揚げの大半を占めています。
地域によって産卵期とそれにあわせた漁期が違い、1年中流通しているようですが、産卵期は早いところで4月頃から始まり、遅くとも9月頃に終わるので、身が充実するのは冬から春にかけてと思われますが、北陸などではズワイガニ漁が出来ない時期に漁をしたりするので、金沢周辺では3月下旬から夏にかけて漁の最盛期を迎えるようです。
トヤマエビのおすすめの食べ方
ボタンエビの代用品とはいえ、水揚げは決して多くなく、その食味の良さから高級寿司ネタになどに用いられているため、スーパーなどで見かけることはまずありません。
大きいものになるとほとんどが雌で、産卵するとおおむね10ヶ月は抱卵している状態となりますが、この状態でも産卵直後でなければ身の味自体は良い上、卵も食べることが出来ます。
もちろんお刺身が美味しいのは言うまでもないのですが、頭は加熱することでミソまで美味しく頂くことが出来ます。
サクラエビ
3月中旬から夏に向けて春漁が始まり、名前と季節が一致する季節となります。
サクラエビの大半は乾物にされ、天日干している風景は壮大で、機会があれば一度は見ておきたいものです。
サクラエビのおすすめの食べ方
干しえびとして流通することが多いので、和え物やふりかけ的な要素が高いのですが、生鮮での入手が出来たらぜひ試していただきたいのが刺身です。
殻は柔らかいので、そのまま食べることができ、サクサクした歯ごたえと、ふんわりした甘味を味わえます。
また、忘れてはならないのがかき揚げです。元々香りのよいエビですので、加熱することにより一層風味が増します。
ぜひこの時期にお試し下さい。
シバエビ
有明海や三河湾が産地として有名ですが、かつては東京湾の芝沖でたくさん獲れていた為、芝海老と呼ばれるようになったと言われています。
市場に出回るものは10cm程度のものが多く、秋頃から獲れ始め、冬から春にかけて漁獲量が増えます。
シバエビのおすすめの食べ方
鮮度が良いものはお刺身で頂けます。
また、殻が柔らかい為、そのまま素焼きにしたり、かき揚げ、唐揚げなどがお勧めです。
ウチワエビ
ウチワエビはその名の通り、頭部が丸く平たくウチワのような恰好をしていることから名付けられました。
味の良さから、かなりの高値で取引されていますが、知る人ぞ知ると言うレベルで、産地でもスーパーなどに並ぶことはまずありません。
九州から島根県辺りまでの西日本で比較的目にすることが出来ますが、決して多くありません。
ウチワエビの産卵期は秋とされており、3月から6月位を漁期とするところが多い一方、長崎県の五島列島では10月1日から11月末と決められているので、各地の漁期が旬となります。
ウチワエビのおすすめの食べ方
とにかく活きているものを選びましょう。死んだものは、絞めて冷やしこみをしてあるものならまだしも、野締めのものは臭みが出るので注意が必要です。
大きな頭で歩留まりは無茶苦茶悪いですが、その身はイセエビに勝るとも劣らずで、お刺身はもちろん、茹でても、焼いても美味しく頂けます。
また、殻からは風味豊かな出汁が出るので、汁物などにもお勧めです。
ズワイガニ
昨年11月に始まったズワイガニ漁も、ほとんどの地域で禁漁を迎える時期です。
輸入ものなどの冷凍は1年中出回っていますが、機会があれば、禁漁までに国産の生鮮ズワイガニを味わってほしいものです。
ズワイガニのおすすめの食べ方
カニ本来の旨味を味わってほしいので、茹でガニ、焼きガニがお勧めです。
身にカニミソを和えて食べると芳醇な香りが口の中いっぱいに広がります。
活きているものが手に入れば、お刺身やしゃぶしゃぶも良いでしょう。
ベニズワイガニ
ベニズワイガニの大きさはズワイガニとほぼ同じですが、生きている状態から茹でたように赤いのが特徴です。
ただし、ズワイガニと比べ身に水分が多く、鮮度落ちが早いことなどから、ズワイガニの10分の1程度の価格で流通することもあります。ただし、鮮度が良いものであればズワイガニにも負けない濃厚なカニミソが詰まっており、身も甘味が強いです。
主な産地は山陰地方で、鳥取県、島根県、兵庫県で全国の半分程度を占めており、兵庫県では香住港にしか水揚げはされていないことから、「香住ガニ」としてブランド化が進められています。
ベニズワイガニも資源保護のため各地でサイズの規制や禁漁期が設定されていますが、1年中どこかで漁をしているため、供給が途絶えることはまずありません。
ただし、全国一律にメスは捕獲禁止です。
ベニズワイガニのおすすめの食べ方
このカニは当たり外れがかなり大きなもののひとつなので、まず手にもってズッシリと重たいものを選びます。1年中漁をしているため、脱皮直後のものが混じることもありますので、甲羅を触ってみて固いものを選ぶことも大事です。
ベニズワイガニは水分がかなり多いので、生で食べても正直あまりおいしくはありません。加熱して、幾らか水分を飛ばした方が身が締まって美味しくなります。
また、コストパフォーマンスに優れていますので、カニ玉、グラタン・ドリア、コロッケ、パスタなどに思い切り贅沢に使ってみるのも良いでしょう。
ケガニ
ケガニはクリガニやトゲクリガニなどと同じクリガニ科の一種ですが、クリガニやトグクリガニが比較的手ごろな価格なのに対し、ケガニはその身やミソの美味しさから超高級蟹として高値で取引されています。
国産は、北海道での水揚げがほとんどで、その中でも特に胆振、日高、網走、宗谷、十勝、釧路などが多いようです。
道内でも漁期が異なり、胆振が6月から7月、登別から白老町沖が7月中旬から8月中旬、日高が12月から翌4月、網走から宗谷にかけてのオホーツク沿岸は流氷が明けてからで、網走が3月から8月、雄武町で3月下旬から7月下旬、宗谷で3月15日から8月21日、十勝と釧路で1月から3月と9月から12月、岩手県でも12月から翌3月の漁期があり、1年中どこかで水揚げがあり、それぞれの地域で、それぞれの漁期を旬としている、旬が少しややこしいカニです。
ケガニのおすすめの食べ方
カニは種類を問わず、死んでしまうと自己消化が進み、身が溶けてしまうので、とにかく生きているものが一番です。活けが難しい場合は、活きている間にボイルして急速凍結したものの方が良いでしょう。
また、持ってみてズシリと重みのあるものを選びましょう。見た目だけで購入すると、中身がスカスカと言うこともあるので注意が必要です。
ケガニは、脚が短いこともあり生食にはあまり向きませんが、何と言ってもミソが濃厚なので、蒸すか、茹でるかして、ミソを一緒に食べるのがお勧めです。
ちょっともったいないと思われるかもしれませんが、卵や乳製品とも相性が良いので、カニ玉、グラタン・ドリア、コロッケ、パスタなどの料理にもあいます。
タラバガニ
タラバガニの旬は諸説ありますが、1年のうち2回美味しい時期があると言われています。1度目は流氷が去って身の甘みが増す4月から5月で、2度目は脱皮を終えて身が詰まる11月から2月にかけてと言われており、今の時期は後者に当たり。
産地はオホーツク海のみなので、日本で水揚げされるのは北海道だけです。スーパーで売られているのは冷凍の輸入物ばかりですが、この時期は国産のタラバガニを味わってほしいものです。
ただし、身入りが極端に悪いものが混じることもありますので、購入される場合は一度持ってみるなりして確認して下さい。
ズワイガニは3月で禁漁となりますが、タラバガニは初夏まで漁が続きます。
タラバガニのおすすめの食べ方
タラバガニの脚は、大きなものだと太く食べ応えがあります。お勧めは素直に、茹でガニ、焼きガニです。
肩肉などはよくほぐして、クリームコロッケやかに玉などにしても美味しく頂けます。
ただし、タラバガニの仲間はズワイガニなどと異なり、カニミソは加熱すると流れ出てしまうので、残念ながら一緒に味わうことは出来ません。
カミナリイカ
コウイカによく似ていますが、体表にコーヒー豆のような斑紋が沢山散らばっているのが特徴で、エンペラと外套膜の間に境界を表すように青緑の縁取りが入っていることでも区別できます。
まとまった漁はありませんが、産卵のために沿岸によって来たものが水揚げされます。
コウイカは3月で一旦シーズンオフになりますが、カミナリイカは初夏まで漁があるので、しばらく楽しむことが出来ます。
カミナリイカのおすすめの食べ方
比較的肉厚なイカなので、細かい切れ込みを入れておくことで食べやすくなります。
鮮度が良いものはしっかりとした歯ごたえが楽しめ、噛むほどに甘味が染み出しますが、一度冷凍することで柔らかくなり、モチモチした食感となり、甘みも増します。
コウイカの仲間は、薄皮などの処理が大変ですが、その価値は十分あるでしょう。
下足も柔らかいので、バター炒めや天ぷらなどに最適です。
コウイカ
春先から夏のイメージのある地域も多いのですが、産卵のため浅瀬に寄ってくる時期であり、水揚げは増えるものの、残念ながら身は薄く、旨味には欠けるとされています。
水揚げはそう多くないものの、春先にかけて水揚げされるコウイカは身が厚く、一番美味しい時期です。
コウイカの仲間には、カミナリイカ、シリヤケイカなどがおり、一見して区別できないため、まとめてコウイカとして流通していることもありますが、水揚げ時期はやや異なります。
コウイカのおすすめの食べ方
薄皮などの処理が少し大変ですが、鮮度が良ければ何と言ってもお刺身です、もちもちした食感と、甘味の強い身はコウイカの特徴ですので、この時期に味わうべきものでしょう。
また加熱しても、固くなりにくいので、天ぷらや焼物などにして肉厚食感を味わえます。
シリヤケイカ
胴の腹面後端近くに尾腺が開口しており、そこから茶褐色の粘液を分泌し、胴の先端に焼けたような色がつくことから名前が付いたもので、決してお尻が焼けているわけでなく、むき身にしたときにちょっと見た目が悪いと言うレベルです。
産卵期は4月から5月で、内湾の浅場に集まってくるので、その時期に量が増えるには増えますが、身が薄くあまり良い評価はありませんので、他のコウイカに比べるとお買い得となります。
身質が良いのは秋から春先までとされていますが、水揚げは期待できない時期です。
シリヤケイカのおすすめの食べ方
肉厚の身はコウイカに似ていますが、甘みや旨みはやや少ないとすることが多いようですが、極端に違うわけではありません。
ただ、加熱すると甘味がありとても美味しいとされており、特に天ぷらの評価が高いようです。
アオリイカ
ぱっと見コウイカのようですが、硬い甲羅は持っておらず、スルメイカなどと同じツツイカの仲間です。
地域差はありますが、春に深場から浅瀬に寄り、4月中頃から8月頃にかけて産卵します。孵化したイカは岸壁近くの藻場で夏から秋にかけて成長し、冬になるとまた深場に移動すると言うサイクルを繰り返します。
深場での漁は難しいものの、1年中水揚げがあり、大型のアオリイカ(親)の旬は、産卵のために接岸する春から初夏にかけてとなります。
また、秋には生まれた子イカが育ち20cm程度になったものが、深場に潜る前の10月から11月も旬となります。
産地は特にここが多いというところはありませんが、太平洋側で関東以西、日本海側で福井県以西と、中日本から西日本が多いようです。
アオリイカのおすすめの食べ方
活け物は、硬すぎるほど締りがありますので、1日寝かせるくらいの方が甘みも増えて美味しく食べられます。
安いイカではありませんので、やはりお刺身で頂きたいものですが、活物の場合は、表面に細かく隠し包丁を入れた方が食べやすくなり、甘味も感じやすくなります。
また、加熱調理する場合は、生のものをそのまま使うより、軽く一夜干しにすると甘味が増すと言われています。
ジンドウイカ
ジンドウイカは大きいものでも胴長12cm程度の小さなイカです。
全国各地で水揚げされますが、三陸から房総沖、三河湾から伊勢湾、紀州からから瀬戸内海周辺などが特に多いようです。
ほぼ1年中水揚げがあり、量もそこそこあります。旬とする時期も産地で異なり、春から夏というところや、冬から春にかけてというところなどに分かれますが、夏から初秋は少し出回りが減るようなので、今のうちに味わっておいてほしいイカです。
ジンドウイカのおすすめの食べ方
ジンドウイカの活きたものは内臓が分かるくらいの透明感がありますが、時間とともに赤みが現れ、さらに鮮度が落ちてくると全体に透明感のない白になってきます。
ツツイカ全般に言えることですが、特にこの類の小さなイカは鮮度劣化が早いので、白くなっておらず、赤みが残っている物を選びましょう。
とても小さなイカですが、それ故に捌くのは簡単で、鮮度が良ければお刺身がお勧めですが、寄生虫がいることもあるので、間違っても丸のまま食べぬように、内臓はしっかりと取り出し、きちんと洗ってからにしましょう。
加熱調理する場合は、小さいので、さっと火を通す程度で十分です。
ソデイカ
食用となるイカの中では最大級で、大きなものは1mを超えますが、その大きさ故に切身で流通することが多く、産地でもなければ姿のまま見ることはないでしょう。
水揚げの半分以上は沖縄県で、漁期は7月から10月ですが、山陰では秋から冬にかけてが漁期となります。
ソデイカのおすすめの食べ方
お刺身も良いのですが、他のイカに比べると残念ながら大味で旨味にかけます。
ただ、旨味が足りないということは、味付け次第でどうにでもなるということなので、炒めものや揚げ物などに向きます。
一度冷凍すると、もっちりした食感になりますし、また調理する前にしっかり下味を付けておくと良いでしょう。
ベイカ
瀬戸内海や有明海の特産といっても良いイカで、産地では「ベカ」、「チイチイイカ」、「チイイカ」などと呼ばれています。
鮮魚で流通しているのは瀬戸内海周辺の岡山県、広島県東部、香川県などに限られ、他の地域では見ることはまずありません。
岡山県では観光四つ手網があり、初夏の風物詩となっています。
産卵期の春から初夏にまとまった漁がみられ、この時期を旬とします。
ベイカのおすすめの食べ方
小さなイカですので、捌くのは簡単で、鮮度が良ければお刺身も美味しいのですが、内臓に寄生虫がいることがあるので、内臓はきちんととりだし、しっかり洗って下さい。
しかし、この時期は抱卵しているものが多いので、子持ちの場合は卵と一緒に食べることが出来る料理が良いでしょう。
加熱しても固くなりにくいイカなので、煮物、天ぷらなどにして、卵と一緒に頂くのが一番良いでしょう。
ホタルイカ
3月は、富山湾のホタルイカ漁も解禁となり盛漁期を迎えます。
富山県では定置網漁で漁獲するため、イカを傷付けにくくなっており、また産卵時期にあわせて解禁となるため、栄養を蓄えて丸々と太ったホタルイカが多く漁獲されます。
この時期、夜の富山湾で行われる幻想的な網揚げの光景が観光名物にもなっています。
また、乱獲を防ぐため、富山市水橋から魚津市にかけての海岸沿い約15km、沖合約1.3kmの海域は、春にホタルイカの群れが押し寄せることから「ホタルイカ群遊海面」として国の特別天然記念物に指定されています。
ホタルイカのおすすめの食べ方
小さいイカなので、鮮度の良いものが手に入ると丸のままお刺身で食べたくなるのが心情ですが、内臓に寄生虫がいる可能性がありますので、内臓はきちんと除去して、良く洗って下さい。
足だけ集めたお刺身(竜宮そうめん)は有名ですが、相当の数と労力が必要です。
加熱すれば、丸ごと食べることが出来、色々な料理にあわせることができますが、目や口は歯に当たることがありますので、面倒でも取り除いておいた方が良いでしょう。
ヤリイカ
漢字で「鎗烏賊」と名前のごとく、鎗のような形をしており、軟骨も鎗のように尖っています。スルメイカやケンサキイカなどと似ていますが、「胴長短足」であることから見分けがつきます。
ヤリイカは仲春から秋口まで一旦お休みとなりますので、この時期にしっかり味わっておいてください。
ヤリイカのおすすめの食べ方
ヤリイカは、身が柔らかく、鮮度が良いものは刺身がお勧めで、コリコリ食感が楽しめます。
また、天ぷらや焼き、春先の子持ちのメスのヤリイカは煮付けがお勧めです。
イイダコ
漢字で「飯蛸」と書き、子持ちの卵が飯粒のように見えることから名付けられており、抱卵したメスの方が高値で取引されています。
漁期は3月でほぼ終わりとなり、来年までお目にかかれなくなりますので、この時期にしっかり味わっておいてください。
イイダコのおすすめの食べ方
3月はやや大振りなものが増えますので、そのまま煮付けにすると少し厳しいサイズとなります。
また、抱卵後のものも混じる可能性もありますので、身自体を味わう時期とも言えます。
お勧めは炊き込みごはんで、旬の筍と一緒に炊き込むと、一層美味しく頂くことが出来ます。
テナガダコ
全国各地で水揚げがあるようですが、産地で消費されるのがほとんどです。
身が細く、柔らかく、あまり評価の高いものではありませんでしたが、韓国料理が流行し、サンナクチ(活ダコ刺身)や炒め物に使われて、多少評価が上がったようです。
大量に獲れた時には韓国へ輸出されているようです。
春から夏にかけて水揚げが増えるので、この時期を旬とする地域が多いようです。
テナガダコのおすすめの食べ方
マダコなどと比べるとやや水分が多く、旨みが少なく、茹でた時のタコ特有の香も薄く感じられますので、茹でる料理より、炒める、揚げるなどして、しっかり味付けした方が良いようです。
韓国料理では活ダコ刺身が有名ですが、これは個人の好みでご判断下さい。
アカガイ
アカガイの仲間は、人と同じようにヘモグロビンを含んだ血を持っており、貝を開けると赤い血が流れ、身も赤みがあり、それが名前の由来にもなっています。
かつては全国でたくさん獲れたようですが、現在は国産のものはごくわずかで高級食材となってしまい、活やむき身の状態で韓国や中国から輸入されてくるものが多くなっています。
産地は三陸、東京湾、三河湾、伊勢椀、瀬戸内海、有明海などですが、このうち宮城県名取市閖上のものは最も上質とされています。
産卵期は産地により多少違いがありますが、西日本で5月から6月にかけて、三陸辺りでは7月から8月にかけてで、その期間は禁漁となります。
国産の美味しいアカガイが食べられるのは、産卵後身が充実してくる晩秋から抱卵する前までの春頃と言えそうです。
アカガイのおすすめの食べ方
殻付きの場合は、必ず活きているもので、出来るだけ大きく、持った時にズッシリ重みを感じるものを選びます。口が開いていたり、活きていても泥臭い物はやめておきましょう。また、むき身の場合は、赤味が強く肉厚のものが良いです。
煮たりしても美味しい貝なのですが、さすがに気楽に食べられる値段ではないので、やはりお刺身しかないでしょう。ヒモ(外套膜)も美味しいので、一緒に味わいましょう。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
サルボウガイ
サルボウガイもアカガイの仲間で、人と同じようにヘモグロビンを含んだ血を持っており、貝を開けると赤い血が流れ、身もアカガイほどではないですが赤みがあります。
東京湾、山陰、瀬戸内、有明海などに全国に生息し水揚げされていますが、ほぼ地元で消費されています。
アカガイと称され缶詰で流通することが多い貝ですが、これをもっぱら食用とする地域は何故か限られており、その中の一つである岡山県寄島町では栽培も行われています。
産卵期は夏のようで、身が美味しくなるのは晩秋から春にかけてです。
サルボウガイのおすすめの食べ方
鮮度が良ければアカガイと同じくお刺身にできますが、かなり小さいので相当手間がかかります。
産地では、佃煮などの煮物などにしており、岡山県ではバラ寿司の重要な具材のひとつとなっています。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
アサリ
アサリは海水の温度が20℃前後になる春と秋に産卵するので、その前の2月から3月と、9月から10月あたりが最も身が肥えて旬を迎えます。
海水浴シーズンになると潮干狩りなどをよく見かけますが、夏は産卵後で身入りがあまりよくない時期でもあるため、正直お勧めしません。
アサリは中国や韓国からも輸入されており、その量は国内の漁獲量と同じくらいか、それを上回るとされています。国産は愛知県が最も多く、次いで静岡、三重と続きます。
アサリのおすすめの食べ方
食べる前にはしっかり砂抜きをしておきましょう。アサリが砂を吐きやすいように20℃位で3%程度の塩水を用意し、平らな容器に重ならぬように並べるか、下に砂が溜まらぬようにカゴに入れて、光が当たりにくい暗いところで数時間放置しておきます。冷蔵庫に入れると口を閉じて休眠してしまうので、室温で行うと良いでしょう。
旬の時期の物は肉厚で身がプリっとしていますので、あまり色々なことはせず、素直にアサリそのものの味を楽しむよう、味噌汁か酒蒸しがお勧めです。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
ヒオウギガイ
ヒオウギガイは、まるで人工的に着色したかのような鮮やかな殻の色が特徴で、黄色、オレンジ、紫、赤などがあります。栽培物は美しい色の個体を選んで、採卵させているので、鮮やかな色の物が多く、催事により色分けして出荷できるのも魅力で、飾り物や器としても利用価値が高いです。
見た目だけでなく、味もホタテと比べても、旨味、甘味ともに全く遜色ありません。
天然物は少なく、流通しているものは栽培物が大半で、産地としては、愛媛県愛南町、三重県志摩、熊本県天草、大分県佐伯市、島根県隠岐などが有名です。
産卵期は4月から5月頃で、夏場は産卵後である事や、水温が上がると身が痩せるようなので、食べ頃は晩秋から春にかけてとなります。
ヒオウギガイのおすすめの食べ方
ホタテガイと形も味も似ているので同じ料理に使えると考えてよいでしょう。
貝柱だけでなく、ヒモや肝なども美味しく食べらることが出来ます。また、加熱しても固くなりにくいので、酒蒸し、焼物、揚げ物など万能です。また、グラタン、パスタ、ピザなどの具材としても優秀です。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
ホタテガイ
ホタテガイのほとんどは栽培や放流で、計画的に生産されているため1年中安定して流通しています。
産地は北海道がダントツ1位で、次いで青森県で、ふたつの産地で国内のほとんどを占めています。
旬に関しては諸説あり、産卵が終わったあとの5~8月頃と言う説と、生殖巣が発達した12~3月が良いとする説で、後者は生殖巣を食べることが出来る時期となります。
青森県産のものは、この時期に大きく育てるために栽培の途中で間引きする小さなホタテも多く出回ります。
ホタテガイのおすすめの食べ方
青森県産の小さなものは軽くボイルした生食用のベビーホタテとして出回っていますので、そのまま酢味噌などで召し上がっても美味しいですが、加熱してもあまり硬くはらないので、バター焼きなどもお薦めです。
また、1~2cmの小さな貝が出回るのもこの時期ですので、こちらは味噌汁などが良いでしょう。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。
むき身で販売されているものは、ウロと呼ばれる中腸腺が取り除かれているので問題ありません。
また無許可の採取は罰せられる場合があります。
ウチムラサキ
ウチムラサキはオオアサリと呼ばれることの方が多いようですが、千葉県など関東ではホンビノス貝をオオアサリと呼ぶところもあるので注意が必要です。
その名の通り、貝の内側が紫色であることが名前の由来です。
産地としては、三河湾と伊勢湾が多く、これに面した愛知県と三重県では普通に流通しており、浜焼きが名物にもなっているところもあります。
多い少ないは別にして、全国で1年中水揚げされているようですが、名物である愛知県や伊勢では、春から初夏にかけてが旬と言われています。
ウチムラサキのおすすめの食べ方
鮮度が良ければお刺身でも食べられるそうですが、産地でもあまり食べないと言うことはそこまで美味しいものではないと言うことなのでしょうか?
加熱すると、相当旨味が増すと言われており、名物にもなっているくらいですので、焼いた貝が一番なのでしょう。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
ウバガイ
標準和名ウバガイより、ホッキガイと言った方が馴染みがあると思います。
冷たい海域に分布し、その仲間は海外にも多く、ボイル加工したものがカナダから多く輸入されています。
国内の主な産地は、北海道、福島県、青森県で、北海道が大半を占めており、中でも苫小牧市が多く、平成14年に「苫小牧市の貝」にも制定されています。
各地で資源保護をしながらの漁となっており、各漁協ごとに漁期が決められ、産卵期の初夏から夏にかけては禁漁となっています。
少ないながら、夏を除きほぼ1年中お目にかかれますが、最も美味しい季節は冬から春にかけてとなります。
ウバガイのおすすめの食べ方
ホッキ貝はアサリやハマグリのように砂を吐かせることが難しいこともあり、通常ワタの部分は食べず、足の身と貝柱、ヒモの部分だけを食用とします。
足の部分は生だと先が黒ずんでいますが、加熱するときれいな赤になります。
生のままのお刺身でも十分おいしいのですが、加熱した方が見た目も良く、甘みが強くなると言われているため、軽く湯通しして食べるのがお勧めです。
また、加熱してもさほど固くならないので、色々な料理にも使えます。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
サザエ
非常に良く見かける貝ですが、日本産のサザエには学名が付けられず長い間放置されており、2017年にようやく「トゥルボ・サザエ」と命名されました。
水揚げは長崎県が全体の20%程度と少し多いくらいで、他は特に突出したところもなく、広く全国で見られます。
1年中、比較的安定して水揚げがありますが、初夏から夏が産卵期で、産卵前が最も栄養を蓄えていることから、一般的には春から初夏にかけてが最も良いとされています。
ただし、産地によっては漁の解禁が6月からのところもあり、また夏になると海の家などで提供される浜焼きで人気があり、バーベキューなどのアウトドアでも好まれる事から需要が増え、流通量も多くなります。
サザエのおすすめの食べ方
活けのサザエはお刺身にすると磯の風味が強く、コリコリした歯触りが楽しめて美味しいものです。ワタは好き嫌いがありますが、さっと茹でることで磯の風味を楽しむことが出来ます。
ド定番はつぼ焼きや煮貝で、ワタごと磯の風味を楽しめます。
また、炊き込みご飯もお勧めです。
尚、砂を噛んでいることがありますので、調理の際には砂袋を取り除いた方が良いでしょう。
※無許可の採取は罰せられる場合があります。
シジミ
シジミには、ヤマトシジミ、マシジミ、セタシジミなどの種類がありますが、それらを総称してシジミと呼び、細かく分けて流通することはありませんが、国内で流通しているものの大半はヤマトシジミです。また、最近は中国などから安いシジミが活きたまま輸入されていますが、こちらも厳密には別種です。
ヤマトシジミは、北海道から九州に至るまで全国の河川の河口など淡水と海水が入り混じる汽水域の砂礫底に生息しています。
青森県の十三湖・小川原湖、島根県の宍道湖、茨城県の涸沼川・利根川、北海道の網走湖・パンケ沼などが主な産地で、あわせると全体の90%近くを占めています。
セタシジミは滋賀県の琵琶湖で僅かながら見ることが出来ます。
旬は諸説あり、「土用蜆は腹薬」という言葉があるように夏が旬と言う説、「寒しじみ」と言うように冬が身が締まって美味しいとする説、初夏から夏にかけて産卵するため、産卵前が一番美味しくなる旬とする説など様々で、それぞれの時期に需要が増すため、いずれも旬と言わざるを得ないでしょう。
シジミのおすすめの食べ方
食べる前にはしっかり砂抜きをしておきましょう。産地をよく確認して、淡水でとれたものが真水、汽水域でとれたものは1%程度の塩水を使用します。水温は20℃とし、平らな容器に重ならぬように並べるか、下に砂が溜まらぬようにカゴに入れて、光が当たりにくい暗いところで数時間放置しておきます。冷蔵庫に入れると口を閉じて休眠してしまうので、室温で行うと良いでしょう。
調理として代表的なものは味噌汁ですが、佃煮、和え物、炊き込みご飯、パスタなどの具材としても美味しく頂けます。
身が小さいので、出汁だけ取って食べない方もいらっしゃいますが、美味しい時期の身は多少面倒でも食べて頂きたいものです。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
タイラギ
タイラギは30cm以上になるかなり大きい貝で、先がとがったほうを海底の砂地に突っ込んで立っているように潜んでいる事から「タチガイ」と呼ぶところもあります。
味は良いのですが、水揚げが少ないため高級食材となっており、スーパーなどで見かけることはほぼなく、料理屋、寿司屋などに卸されることがほとんどです。
産地としては、三河湾、瀬戸内海の播磨灘、備讃瀬戸、伊予灘などが有名ですが、韓国や中国北東沿岸部でも獲れるため、貝柱だけに加工されたものも輸入されています。
漁期は地域で多少違いがありますが、おおむね12月から4月にかけてなので、旬は冬から春にかけてとなります。
タイラギのおすすめの食べ方
主に貝柱とヒモを食用とし、ワタは食べません。
ヒモはかなり歯ごたえが強いので食べやすく小さく切って調理することをお勧めします。
基本は大きな貝柱をお刺身で食べることですが、ソテーしたり、揚げたりしても美味しく頂けます。
ただし、ホタテなどの貝柱と比べると歯応えがありますので、加熱はさっと火を通すくらいで十分です。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
アカニシ
アカニシは東京湾、三河湾、瀬戸内海、有明海など内湾でよく目にする身近な貝のひとつなのですが、産地以外では意外に知られていません。
最近では、黒海で近縁種が獲れることもあり、トルコやブルガリアなどから安く輸入されています。
美味しい時期は、産卵前の3月頃から5月初旬くらいまでとされています。
アカニシのおすすめの食べ方
お刺身にするのであれば、必ず活きているものを手に入れましょう。触れた時に素早く反応しフタを閉じる物が良いです。
むき身などの場合は、出来れば匂ってみて、臭みがないか確認しましょう。
アカニシの殻は厚くとても固いので、カナヅチなどで殻を割って取り出す方が確実で、取り出した身は、塩をまぶしてぬめりをこすり落とし水洗いしてから使いましょう。
また、加熱調理しても固くなりにくく食感も良いので、焼物、煮物、茹でなど、様々な料理にあわせることが出来ます。
小さなものは殻付きのまま煮たり、焼いたりしても美味しく頂けます。
エゾバイ
アクキガイ目の仲間は総じて、バイガイとかツブガイで呼ばれており、標準和名でよばれることはまずありません。
食用として流通しているものは十数種あると言われていますが、細かく区別されて流通している様子もありません。
加えて、この仲間は周年水揚げがあるため、旬という感覚があまりないのですが、エゾバイに関しては秋から冬に身質がぐっと良くなると言われています。
エゾバイのおすすめの食べ方
小さな貝なので、お刺身にすると食べるところがほとんどなくなってしまいます。
ごくごく一般的なのは、醤油などで甘辛く煮た煮物ですが、これが柔らかくて一番美味しいとされています。
バカガイ
バカガイとはまた可哀想な名前が付けられたものですが、名前の由来には諸説あり、何が正しいのか定かではありません。
潮干狩りではお馴染みの貝ですが、砂抜きが難しいことなどから敬遠され、あまり持ち帰りされない貝のひとつです。
ところが、むき身にされると「青柳(あおやぎ)」という高級寿司ネタになり、貝柱は「小柱」と呼ばれ軍艦やかき揚げなどに使われます。
青柳という呼び名は、産地である千葉県の青柳に由来しているようです。
日本各地で水揚げがあり、特に北海道から東京湾、伊勢湾、瀬戸内海などでみられますが、特に関東での需要が高いです。
水揚げは1年中ありますが、他の2枚貝と同様、産卵前の春先から初夏までが美味しい時期です。
バカガイのおすすめの食べ方
アサリのように塩水に漬けておけば勝手に砂を吐いてくれると言うわけにはいかないようなので、砂抜きした後にむき身にし、さらに水洗いして徹底的に砂を洗い出す作業が必要です。少しでも残っていると食味が悪くなりますので、何度も水洗いして砂が出なくなるまで確認することが必要です。
作業はかなり面倒なので、むき身になったものや小柱を買っても良いでしょう。
食べ方としてはむき身はお刺身、小柱はお刺身かかき揚げがポピュラーですが、小さなものは佃煮にしたり、炒め物などにしても美味しく頂くことが出来ます。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
ハマグリ(総称)
ハマグリには、ハマグリ、チョウセンハマグリ、シナハマグリ、タイワンハマグリなどの種類がありますが、それらを総称してハマグリと呼び、細かく分けて流通することはありません。国産のハマグリは本当に水揚げは少ないので、流通しているものの大半は中国から輸入されたシナハマグリですが、ものが悪いわけではありませんので、誤解のないようにして下さい。ちなみにチョウセンハマグリは朝鮮から来たという意味ではなく、在来種であり、漢字では「汀線蛤」と書きます。
昔は日本各地で獲れたようですが、現在産地として残っているのは茨城県の鹿島灘が最も多く、熊本県、千葉県、三重県でみられる程度です。ハマグリは主に湾内、チョウセンハマグリは主に外洋で獲れます。
産卵期が5月から10月頃になるので、美味しい旬は産卵に向け身に栄養をたっぷりと貯める春先の2月から4月となります。
結婚式にハマグリのお吸物が出るのは、2枚の殻がぴたりと重なることから「夫婦和合」の意味で縁起が良いとされているからです。
また、3月3日のひなまつりに食べると「良縁」を招くとされ、吸い物などに欠かせない物とされています。
また、広島県西部など、お正月にお雑煮にハマグリを入れて食べる地域もあります。
ハマグリのおすすめの食べ方
食べる前にはしっかり砂抜きをしておきましょう。砂を吐きやすいように20℃位の3%程度の塩水を用意し、平らな容器に重ならぬように並べるか、下に砂が溜まらぬようにカゴに入れて、光が当たりにくい暗いところで数時間放置しておきます。冷蔵庫に入れると口を閉じて休眠してしまうので、室温で行うと良いでしょう。
大きくても生食には向かない貝なので、必ず加熱して食べて下さい。
ポピュラーなのはお吸い物や焼貝ですが、蒸し物、和え物はもちろん、炒め物などでも美味しく頂くことが出来ます。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
ホンビノスガイ
ホンビノスガイは、日本の在来種ではなく、船舶のバラスト水に紛れアメリカから運ばれてきたものが繁殖したと考えられています。
アメリカ北東部あたりの郷土料理でクラムチャウダーと呼ばれる貝を使ったクリームスープに使われているのがホンビノスガイだそうです。
千葉県では当初アサリに混じって漁獲される非常に余計な貝のひとつとされていましたが、沢山獲れ、しかも大きく、意外に美味しいという事が知られてからは積極的に水揚げされ、市場への出回りも増えて、関東では非常にポピュラーな貝になりました。
ほぼ1年中出回っていますが、アサリの時期と同じく3月から4月にかけて沢山出回ります。ただし、産卵期など詳しいことはまだわかっていないようです。
ホンビノスガイのおすすめの食べ方
食べる前にはしっかり砂抜きをしておきましょう。砂を吐きやすいように20℃位で3%程度の塩水を用意し、平らな容器に重ならぬように並べるか、下に砂が溜まらぬようにカゴに入れて、光が当たりにくい暗いところで数時間放置しておきます。冷蔵庫に入れると口を閉じて休眠してしまうので、室温で行うと良いでしょう。
大きくても生食には向かない貝なので、必ず加熱して食べて下さい。
ほぼハマグリと同じ食べ方で良いのですが、比較にならないほど安価なので、沢山料理出来るメリットがあります。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
アカマテガイ
一般的にマテガイとして流通しているものには、マテガイ、オオマテガイ、アカマテガイ、エゾマテガイなどがありますが、区別されることはまずありません。
また、マテガイは比較的浅いところに生息していますが、アカマテガイは水深5mから20mとやや深いところに生息しているので、潮干狩りなどで見かけることはありません。
産地は、香川県をはじめ瀬戸内海に面した地域や、長崎県の佐世保などで、マテ突きと呼ばれる特殊な漁法で獲られますが、これを行っている漁師も少なく、水揚げ統計もないため、実際にどの程度流通しているかは不明です。加えて、輸送に弱いため、ほぼ産地で消費されているようです。
漁期は産地によって幅があり、長崎県周辺では2月から5月、香川県では10月から5月となっていますが、共通して美味しい時期は初春から春にかけてで、5月からしばらくは味が落ちるとされています。
アカマテガイのおすすめの食べ方
食べる前にはしっかり砂抜きをしておきましょう。砂を吐きやすいように20℃位で3%程度の塩水を用意し、平らな容器に重ならぬように並べるか、下に砂が溜まらぬようにカゴに入れて、光が当たりにくい暗いところで数時間放置しておきます。冷蔵庫に入れると口を閉じて休眠してしまうので、室温で行うと良いでしょう。
貝特有の風味は強くありませんが、かえってどんな料理にもあう利点があります。生食には向かない貝なので、加熱調理して食べましょう。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
マテガイ
一般的にマテガイとして流通しているものには、マテガイ、オオマテガイ、アカマテガイ、エゾマテガイなどがありますが、区別されることはまずありません。
マテガイは比較的浅いところに生息していますので、場所によっては潮干狩りでよく見かけられます。
昔は身近に見られた貝でしたが、近年は水揚げも少なく、産地としては熊本県、愛知県、三重県山口県、長崎県などに限られています。
加えて、マテガイは輸送に弱いため、ほとんど産地で消費されてしまい、消費地にはほぼ出回りません。
産地によって水揚げ時期にずれがありますが、秋から春先にかけてが一番多いようです。
マテガイのおすすめの食べ方
食べる前にはしっかり砂抜きをしておきましょう。砂を吐きやすいように20℃位で3%程度の塩水を用意し、平らな容器に重ならぬように並べるか、下に砂が溜まらぬようにカゴに入れて、光が当たりにくい暗いところで数時間放置しておきます。冷蔵庫に入れると口を閉じて休眠してしまうので、室温で行うと良いでしょう。
貝特有の風味は強くありませんが、かえってどんな料理にも合う利点があります。基本的には加熱調理して食べましょう。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
ナミガイ
ナミガイは、普通は白ミル、またはミルガイと呼ばれています。
寿司ネタで知られていますが、元々はミルクイが使われていたものの、これが獲れなくなり高価な食材となってしまったため、代用品として利用されるようになり、広く認知されたものです。今では、ミルガイと言えばナミガイを指すこともあるくらい広まりましたので、市場では殻の黒いミルクイを本ミル、全体に白いナミガイを白ミルと呼び分けて区別しています。
産地としては愛知県が有名で、他には千葉県や瀬戸内海などで水揚げが確認できますが、ナミガイも水揚げが段々少なくなっており、こちらも高値で取引されるようになりました。
美味しい時期は、産卵前の3月から5月にかけてと言われています。
ナミガイのおすすめの食べ方
ナミガイは水管とヒモが主な可食部です。内臓は無毒ですが食味が良いとは言えず、普通は廃棄されますので砂抜きなどの処理は必要はありません。
ミルクイの代用品と言っても安くはないので、基本お刺身です。
加熱しても美味しいのですが、加熱しすぎるとかなり固くなるので注意が必要です。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
ミルクイ
ミルクイのミルとは海中に生えるミル科の緑藻類のことで、ミルクイの長い水管の先端の固い部分にこのミルが生えることも多く、この貝がこれを食べているように見えるのが名前の由来です。
ミルガイと呼ばれることが多く、非常に食味が良い貝なのですが、最近は水揚げが極端に少なく、今では代用品であったナミガイがミルガイと呼ばれるようになるまでになりました。
市場ではナミガイを見た目が白いことから白ミルと呼び、ミルクイは黒ミルや本ミルと呼んで区別しています。
主な産地は、愛知県三河湾、瀬戸内海、東京湾などですが、獲れる量は本当にわずかです。
近年は、韓国から活物が比較的安く入ってきている他、近縁種がアメリカからも輸入されていますが、それも安くはありません。
ミルクイの産卵期は地域差や個体差がかなりありますが、やはり夏に産卵を迎える傾向が高いため、美味しいのは冬から春にかけてとされています。
ミルクイのおすすめの食べ方
ミルクイは水管とヒモが主な可食部です。内臓は無毒だが食味が良いとは言えず普通は食べないので、特に砂抜きの必要はありません。
歩留まりから考えるとアワビよりも高くなる超高級品ですので、基本はお刺身です。
加熱しても美味しいのですが、かなり高いものであることと、可食部分が少ないことを考えるとかなり勇気がいる調理法です。
※2枚貝は時期(おおむね春から夏)により自然毒(貝毒)を持つ場合がありますので、ご自分で採取される場合は、必ず各自治体の発表を確認し、該当する時期の採取は行わないで下さい(市場流通しているものは問題ありません)。また無許可の採取は罰せられる場合があります。
アオサ(総称)
アオサはアオサ目のアオサ属に分類される海藻で、食用として主に使われているのはアナアオサと言う種類になります。
産地は九州、沖縄の沿岸や伊勢湾が有名で、1月から5月頃が摘み取りの季節で、産地では「あおさ摘み」の様子が、春の風物詩になっています。
特に多いのが愛知県の三河湾で、ここでとれたアオサを粉末にした「あおさ粉」の約70%が、この地域で生産されていると言われています。
よく似たものに青ノリがありますが、こちらはアオサ目のアオノリ属に分類され、アオサに比べて香りが強いのが特徴です。
また、アオサが天然物なのに対し、青ノリはほとんどが栽培されています。
アオサ(総称)のおすすめの食べ方
アオサは薄く平らなフレーク状の形になっているので、水で戻してから味噌汁や天ぷらに使うのがお勧めです。
他にも、刻んで卵焼き、お好み焼き、チヂミに入れたり、冷奴や納豆にのせたりと焼海苔と同じように使うことが出来ます。
アカモク
アカモクは日本各地で見られるホンダワラの仲間です。長く伸びて大きな群落を作るので、船の航行のじゃまになるとして嫌う地域も多く、食用にする地域とそうでない地域にくっきり分かれますが、近年はその栄養価が見直され、健康食品として広まりつつあります。
地域により多少ずれはありますが、アカモクは秋口から冬にかけて成長して、3月から5月頃に収穫時期を迎えます。
また、成長のピークから2週間ほど経つと次第に朽ちて、夏には枯れ草となってしまいますので、夏以降は自然のものを見ることは出来なくなります。
新潟県佐渡島ではプライドフィッシュにもなっています。
アカモクのおすすめの食べ方
生鮮のものは産地でもないと入手できないの、流通しているものは冷凍、もしくは乾燥したものか、食品に加工したもののいずれかになります。
加工食品を除き、未加熱であることが多いので、乾燥の場合は水で戻してから、良く洗ってゴミなどをしっかり落としてから調理しましょう。
未加熱の状態では茶色ですが、加熱するときれいな緑色になります。
味噌汁が一般的ですが、酢の物、和え物、かき揚げや、刻んで卵焼きやお好み焼き、チヂミなどに入れても美味しく頂くことが出来ます。
また、叩くとネバネバになりますので、納豆のようにご飯にかけて食べても良いでしょう。
ヒジキ
乾物が主流で旬を感じにくいもののひとつですが、3月から5月の暖かくなる季節に収穫時期を迎えます。
収穫されたものは、蒸したり、茹でたりされてから乾燥処理され、これが広く流通しています。
国内では長崎県、大分県、三重県、瀬戸内海沿岸などで収穫されていますが、残念ながら国産はごくわずかで、大半は中国や韓国からの輸入品です。
ヒジキは部位別に2種に分けられ、芽の部分は「芽ヒジキ」と呼ばれ、柔らかいのが特徴です。茎の部分は「長ヒジキ」または「茎ヒジキ」と呼ばれ、長さがあり、歯ごたえがしっかり感じられるのが特徴です。
この時期はスーパーの鮮魚売場などで「生ヒジキ」と称するものが販売されることがありますが、実際には「生」ではなく、蒸す、茹でるなどの加工がされてあります。これは、生のままだと痛みが早い上に、アクが非常に多く食用とはならないことが理由なのですが、「生」と言う表現には少し疑問を感じます。
また、中には乾燥を水戻したものを「生」と称して販売していることもあります。
ヒジキのおすすめの食べ方
乾物をお求めになるる場合は、黒いものの方が良いとされており、なおかつ乾燥であっても艶のあるものがお勧めです。
鮮魚売場でいわゆる「生」をお求めになる場合も、黒味が強いものが良いですが、チルドのものは消費期限が短いので、全部調理するか、使い切れない場合は、密封して冷凍しておくと比較的長持ちします。
ヒジキのの定番メニューは煮物ですが、チルドが手に入った場合はさっと茹でて、卵焼きに入れたり、ごま和えやサラダにするのがお勧めです。
オキナワモズク
味付け加工されたものが1年中出回っていることもあり、旬を感じにくいもののひとつですが、3月から6月にかけて収穫の最盛期を迎えます。
日本で消費されているモズクの90%以上がオキナワモズクで、そのほとんどが栽培物です。
他のモズクと比べると太く、滑りがあり、加えてほどよい食感と、海藻らしい香りや甘みがあるのが特徴です。また、栽培されていることで安定した供給が可能なので、現在ではモズクと言うとオキナワモズクのことを指すと言っても良いでしょう。
この時期にはスーパーの鮮魚売り場などで「生モズク」なるものが販売されることがありますが、中には冷凍や塩蔵品を戻したものがあるので、注意が必要です。
オキナワモズクのおすすめの食べ方
生モクズをお求めになる場合は、出来るだけ太く、艶のあるものを選びましょう。
食べ方としては、軽く洗ってから、めんつゆで素麺のように食べるのがお勧めです。モズク本来の食感を味わうことが出来るとともに、沢山食べることが出来ます。
癖がなく歯ざわりが良い食材なので、卵焼き、お好み焼き、チヂミ、お味噌汁などに入れても美味しく頂くことが出来ますが、焼物に使う場合は、軽く茹でるなどして水分を軽く抜いておくと良いでしょう。
ワカメ
乾物や塩蔵などが主体で1年中流通しており、安価で非常になじみのある海藻ですが、生鮮は春先から初夏にかけて旬を迎えます。
主な産地は岩手県や宮城県の三陸産が最も多く全体の90%程度を占めると言われており、次いで神奈川県、徳島県などで、ほぼ栽培です。
生のワカメは日持ちしないため、産地以外ではお目にかかることはまずなく、一般に流通しているものは塩蔵品か乾燥品で、中国からの輸入品も多くあります。
スーパーの鮮魚売場などで「生ワカメ」として販売されているものがありますが、これらは水揚げ後すぐにボイルされ、塩蔵脱水したものを水で戻したものです。
本当の生は茶色をしているので、見ればすぐにわかりますが、未処理のワカメは自己消費が早く、すぐに劣化してしまうため、産地以外で流通させるために、風味や食感を維持するためのもので、決して物が悪くなるわけではありません。
ただし、もし出来るなら収穫時期には生を食べてみたいものです。
ワカメのおすすめの食べ方
産地ごとに特徴があり、鳴門海峡で育ったものは、シャキッとした歯ごたえを楽しめますので、和え物やサラダに向きます。
三陸のものは、肉厚で弾力のある食感が特徴なので、味噌汁、煮物、佃煮などに向くとされています。
メカブは軽く茹でたものをポン酢などで食べるとシャキシャキした食感が楽しめ、細かく刻むとネバネバが出て来て、独特の食感が楽しめます。
茎は若いものであれば、柔らかいので、炒め物や佃煮などで楽しむことが出来ます。
ムラサキウニ
ムラサキウニは青森以南の日本海側と茨城以南の太平洋側など、産地も多く、国産のウニの中では最もポピュラーで、お目にかかる機会も比較的多いです。
旬は産地によって異なり、北海道の利尻島や積丹の場合は6月から8月、北陸では5月から6月、中国地方では山口県が有名で(と言っても山口の業者が各地で集めているようですが)3月から4月、九州は4月から6月となります。
また、産地が西に向かう程に色味が濃くなる傾向が見られます。
ムラサキウニのおすすめの食べ方
ウニはなんといっても生のままワサビ醤油で食べたり、寿司ネタとして軍艦巻きなどで食べるのがお勧めです。
贅沢にご飯の上にたっぷり乗せてウニ丼にしたり、殻付きは手に入れば焼きウニにするのもありでしょう。
他にもいろいろ調理法はありますが、ウニの旨味をダイレクトに味わうのが一番でしょう。
※無許可の採取は罰せられる場合があります。
シャコ
シャコはエビと似ていますが、十脚目に分類されるエビやカニとは違い、口脚目(シャコ目)に分類される別物です。
主な産地は神奈川県や千葉県など東京湾、愛知県の伊勢湾と三河湾、岡山県など瀬戸内海周辺などですが、残念なことに近年は各地で激減しており、非常に高価なものの仲間入りをしてしまいました。休漁などで資源保護策を行っていますが、まだまだ回復には至っていません。
最近では北海道の小樽や石狩のものが増えてきていますが、スーパーなどで見かけることはありません。
中国などからは、むき身にされた加工品も輸入されていますが、これも少なくなりつつあるようです。
とは言え、昔から馴染みのある食材ですので、旬の時期には食べておきたいものです。
美味しい時期は、産卵期を控え腹にカツブシと呼ばれる卵巣が発達する春から初夏にかけてのメスと、秋から初冬にかけて身が充実した頃と言われています。
シャコのおすすめの食べ方
生鮮を購入される場合は生きてていることが大前提です。シャコは死ぬと酵素を出し自ら体を溶かしはじめてしまうため、死んでいるものは避けたほうが良く、出来るだけ元気なものを手に入れましょう。また、体の割に身が小さいので、出来るだけ大きいものが良いでしょう。
浜茹でされたものの場合は、冷凍とチルドがありますので、出来ればチルドのものが良いでしょう。ただし、シャコは雑菌がかなり多いので、一度茹でられたものでも、念のため再加熱した方が無難です。
むき身はそのままお刺身でもよいのですが、天ぷら、和え物などエビやカニのように使っても美味しく頂くことが出来ます。