2月に旬を迎える魚介

2月に旬を迎える魚介一覧

アカガレイ

イトヨリダイ

ウスメバル

ウルメイワシ

カナガシラ

カワハギ

キアンコウ

キチジ

キビナゴ

キンメダイ

コノシロ

サヨリ

サワラ

シラウオ

シロウオ

スケトウダラ

トラフグ

ブリ

ホウボウ

マサバ

マダラ

マトウダイ

ムシガレイ

ワカサギ


シバエビ

ズワイガニ

タラバガニ

カミナリイカ


コウイカ

ソデイカ

ホタルイカ

ヤリイカ

イイダコ

アカガイ

アサリ

エゾバイ

サルボウガイ

シジミ

タイラギ

バカガイ

ハマグリ

ホタテガイ

マガキ

ミルクイ


ノリ

ワカメ

ナマコ

2月頃に旬を迎える魚をご紹介します。
また、おいしい食べ方も紹介するので、参考にしてみて下さい。

2月に迎える魚介とおすすめの食べ方

アカガレイ

口が大きいのでヒラメに間違えられそうな顔をしていますが、カレイです。表も裏も血がにじんだような色をしているため、このように呼ばれているようで、見た目はあまりよくありませんが、とても美味しい魚です。
2~3月には産卵期に向け、深場から浅場に集まってくるため漁獲量が増え、産卵前のこの時期は、身質が最も良い時期です。地域により差はありますが、アカガレイが獲れる地域では秋から底引き網漁が解禁されていますので、2月まではお目にかかりやすい魚です。

アカガレイのおすすめの食べ方

子持ちの時期になれば煮付けが良いですが、この時期は身が充実していますので、鮮度が良いものが手に入ればお刺身がおすすめです。比較的大振りなサイズの入手が可能ですので、肉厚で甘味たっぷりのお刺身が召し上がれます。身は赤くにじんでいないので、ご安心を!

 

イトヨリダイ

タイと名前がついていますが、どちらかというとスズキに近い部類で、いわゆるあやかりダイの仲間です。泳いでいる時にひらひらと動き、糸を縒っているように見えることから「イトヨリ」と呼ばれたことが名前の由来と言われています。臭みなどのクセがなく上品な味わいの白身が特徴で、皮目も美しいので高級魚として扱われているところもありますが、逆に派手な見た目から雑魚扱いされる地域もあるようです。ヨーロッパなど海外でも人気が高く、身に水分が多いのが特徴で、加熱しても柔らかく、フワフワの食感を楽しめます。初夏から夏に産卵を終え、春になるとやや脂が落ちてきますので、この時期に見かけたら是非食べて頂きたい魚です。

イトヨリダイのおすすめの食べ方

身が柔らかく、水分を多く含んでおり、上品で繊細な味わいがあります。
見た目が華やかで、皮目に脂が乗っていますので、霜皮造りにすると、見た目も良く、美味しく召し上がることが出来ます。
水分が多い魚なので、刺身にする場合は、昆布〆などにして、多少水分を抜いても良いでしょう。
加熱調理する場合は、調理前に適量の塩を振って、余分な水分を抜いておくと良いでしょう。

ウスメバル

ウスメバルの主な産地は東北地方、北陸などで、比較的寒海性です。また、クロメバルやアカメバルと比べると、40~50㎝と大きいこと、漁期が早く始まること、深場が棲息域となることなど違いがありますが、身質などは大きく変わらず、上品で味わい深い魚です。地域により異なりますが、3~6月に産卵期を迎えるため、漁が始まる2月から産卵前までのごく短い期間が旬で、筍(たけのこ)の初物が出る季節においしくなると言われています。

ウスメバルのおすすめの食べ方

鮮度が良ければやはり刺身がおすすめです。他のメバルよりかなり大きなものの入手が可能ですので、調理もしやすくなります。小振りなものは、煮付けや焼物にしても美味しく頂けます。

ウルメイワシ

日本で流通しているイワシは、マイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシの3種類です。ウルメイワシの特徴は、潤んでいるように見える大きな目玉で、漢字では「潤目鰯」と書き、名前の由来にもなっています。マイワシに似ていますが、体表に斑点がないことから、マイワシと見分けることができます。
イワシの仲間は周年漁獲されることから、季節感を感じにくいかもしれませんが、マイワシが夏に脂が乗るのに対し、ウルメイワシは秋から冬にかけて脂が乗ります。
小型が多く、傷みやすいという欠点もありますが、味はマイワシより良いという評価もあり、特に脂の乗りが少ない夏場のウルメイワシを使用したイリコや干物などに加工した場合は評価がグンと上がります。良いものが生鮮で出回ることが非常に少ないのですが、春になると水揚げがガタンと減りますので、見かけたらぜひ食べて頂きたい魚です。

ウルメイワシのおすすめの食べ方

イワシ類は傷みが早く、特にウルメイワシは小型が多いため、干物やイリコなどに大半が加工されてしまいますが、鮮度が良いものは刺身で美味しくいただけます。
焼き物や煮物、揚げ物、汁物にしたり、基本どんな料理にも合います。

カナガシラ

見た目がとても特徴的で、ホウボウと酷似しているため、間違って流通することもあるようですが、どちらもスーパー等で見かけることはまずありません。
ただでさえお目にかかりにくい魚ですが、寒い時期を逃すと益々お目にかかることが出来なくなりますので、見かけたらぜひ食べていただきたい魚です。

カナガシラのおすすめの食べ方

お刺身も美味しいのですが、とてもスマートな魚で頭が大きいこともあり、刺身にすると食べるところがほとんどなくなってしまいます。
ただ、とてもいい出汁がでるので丸ごと煮付けにした方が余す事無く食べられます。また、他の旬の魚介と共にアクアパッツァやブイヤベースにしても美味しく頂けます。

カワハギ

一年中獲れる魚なので、ピンとこないかもしれませんが、秋から冬にかけては肝が栄養を蓄え大きくなります。この時期のカワハギの肝は濃厚でとろとろです。しかし春を迎えると肝が小さくなってしまうので、醍醐味が少し薄れてしまいますので、寒いこの時期にしっかり味わっておいてほしい魚です。

カワハギのおすすめの食べ方

鮮度が抜群であることが前提なら、お刺身の肝和えがなんと言ってもおすすめです。ただし鮮度的に不安がある場合は生食は避けて、煮物にすれば美味しく頂けます。身の方はたんぱくなので、揚げ物などで美味しく召し上がることができます。

キアンコウ

「西のトラフグ、東のアンコウ」と呼ばれるほど、冬の味覚の代表格のひとつです。夏場を除き、年中獲れているアンコウですが、肝が格段に大きくなるのは水温が低くなる12~2月で、鍋物需要と重なり、今がまさに旬です。
大きなものは、「吊るし切り」というさばき方が用いられることもあります。
なお、アンコウ(またはホンアンコウ)として流通しているものはほとんどがキアンコウで、標準和名のアンコウは、漁獲が少ないことや身質がキアンコウに若干劣ると言われていることなどから、あまり流通していません(稀に、小さいものは区別されずに流通していることもあるようですが)。

アンコウのおすすめの食べ方

アンコウは、「無駄のない魚」と言われており、身はもちろん肝、皮、胃袋、卵巣、エラ、ヒレまで食べることができます。これらは「アンコウの七つ道具」と呼ばれ、それぞれに独特の食感や味わいがあります。これらを余すことなく楽しむなら寒い冬にぴったりのアンコウ鍋ですが、身がたんぱくなので、醤油、味噌などで少し濃いめの味付けが良いでしょう。身は唐揚げにしても美味しく頂けます。

キチジ

標準和名で呼ばれることは少なく“キンキ”とか“キンキン”と呼ばれていることの方が多いようです。
昔は捨てるほど獲れたと聞きますが、今では水揚げはほとんどなく、高級鮮魚店か百貨店、ちょっとお高めの料理屋くらいでしかお目にかかれません。特に釣り物は超高値で取引されているようです。周年水揚げがあり身質に大きな変化はないとされていますが、秋から冬に最も脂が乗るとされていますので、今のうちに味わって頂きたい魚です。

キチジのおすすめの食べ方

煮付けや焼物も美味しいのですが、鮮度が良ければ何を置いてもお刺身です。皮は柔らかく、皮下に脂と旨味が詰まっているので、皮は引かずに湯霜造りか炙りがおすすめです。

キビナゴ

キビナゴは、ニシンの仲間で、スマートな体に美しい銀色をしており、中央には鮮やかな青色の帯模様が走っています。その見た目から、「帯(きび)」の「小魚(なご)」と名付けられたと言われています。
また、冬と初夏の2回旬があると言われており、冬は身質がよいもの、初夏は産卵期を迎えた子持ちが旬となります。特に鹿児島県では珍重され、欠かせない郷土料理です。
梅雨時まで漁期が続きますので、これからお目にかかる機会はさらに増えます。

キビナゴのおすすめの食べ方

まずは、刺身で!刺身醤油で頂くのが普通ですが、酢味噌を使って食べることが多く、キビナゴと相性抜群です。
また、手開きした刺身を菊の花にかたどって並べる「菊花造り」が有名です。

キンメダイ

キンメダイは、鮮やかな赤色で、目が金色に輝き、ひときわ目を引きます。
日本各地で漁獲されており、静岡県、千葉県、高知県などで水揚げが多く、各地でブランド化されています。
旬は産地によって異なりますが、冬に向けて脂が乗る1~2月頃と、産卵前の7~9月頃が良いとされており、春~初夏にシーズンオフとなりますので、今のうちに味わっておいてほしい魚です。
静岡県伊豆地方  須崎の日戻り地金目・稲取キンメ・伊東の地キンメ
千葉県房総地方  銚子つりきんめ・外房つりきんめ鯛
高知県室戸地方  土佐沖どれキンメダイ
などが有名です。

キンメダイのおすすめの食べ方

鮮度が良いものならもちろんお刺身がおすすめです。また、贅沢にしゃぶしゃぶにしてさっぱりなポン酢につけて食べても美味しくいただけます。他にも定番の煮付けや、塩焼きにしても美味しいです。

コノシロ

コノシロというより、寿司ネタのコハダとしてよく知られている魚で、江戸前寿司の光物にはなくてはならない魚です。大きさで名前が変わり、5cm位の稚魚をシンコ、10cm位迄をコハダ、13cm位をナカズミ、それ以上をコノシロと呼びます。身が薄い、小骨が多い、焼くと変な臭いがすると、かなり嫌われたりもしますが、特にこの時期のコノシロは酢締めにするととても美味しく食べることが出来ます。春先から水揚げが減りますので、この時期を逃すと初夏のシンコまでシーズンオフとなります。

コノシロのおすすめの食べ方

鮮度が良ければ、酢締めでと言いたいところですが、開いたり、小骨を抜いたり、塩で締めて、洗って、さらに酢で締めてなど、家庭で調理するには難易度が少し高いです。とはいえ、小骨が多い魚ですので、そのまま煮たり焼いたりしても食べにくさが残ります。そこでお勧めは南蛮漬けです。多少小骨が残っていても、酢に付け込むことで柔らかくなって食べやすくなります。から揚げでそのまま食べると小骨が気になるが、甘酢で南蛮漬けにしてしまうと骨も柔らかくなり、美味しく食べられます。どうしても気になる場合は、軽く骨切りをしてから上げると良いでしょう。特にこの時期はほんのり脂が乗っておりお薦めです。

サヨリ

走りのころは小さかったサヨリも、2月頃にはかなり大きくなり、市場にも沢山出回り始めます。晩春頃には産卵時期となり身が痩せてしまいますので、大きさも身も最も充実する時期が2~3月でしょう。

サヨリのおすすめの食べ方

大きくて鮮度が良いものが手に入ればお刺身がお薦めです。小さいなものは小骨もさほど気にならないので、唐揚げや天ぷらにした方が良いでしょう。特に小さなものは、内臓だけ取り除いて丸のまま揚げ物にします。骨が気になる場合は南蛮漬けにすると良いでしょう。

サワラ

春が旬の魚なので「鰆」と書き、俳句でも春の季語となっています。これはサワラが5月~6月にかけて産卵のため外洋から瀬戸内海などの内海へ集まり、沢山獲れたことに由来していると考えられています。これらの地方では、身だけではなく真子や白子も食べる文化があるので、春が旬とされています。しかし関東などでは身自体を楽しむため、寒鰆と言われるように産卵期前の12~2月の真冬を旬としています。しかし、瀬戸内海や東京湾などのように旬を味わう地域での水揚げはあまりなく、大半は日本海側に集中しています。

サワラのおすすめの食べ方

サワラは身が非常に軟らかく身割れしやいので扱いに注意が必要です。味に変わりがないとは言っても、身割れした刺身では見た目があまりよろしくないでしょう。皮が薄く、引くのが難しいのですが、炙れば皮ごと食べることもできます。加熱しても美味しいのですが、煮物にすると益々身割れしやすくなるの、煮物は白子や真子に限った方が良いでしょう。白子は軽く茹でてポン酢で食べたり、味噌漬けにして焼いても美味しいです。

シラウオ

あまりお目にかかることがない魚ですが、実は北海道から九州沿岸までと広い範囲で水揚げされています。島根県の宍道湖では「宍道湖七珍」のひとつとされて有名です。特に産卵のために河川を遡上する春の2~4月が盛漁期で、この時期を旬としているところが多くあります。同じ時期に旬を迎える似たような「シロウオ」と混同されやすいのですが、「シラウオ」はシラウオ科で、背びれと尾びれの間に脂びれがあり頭が尖っているのに対し、「シロウオ」はハゼ科で頭が丸く全体に黄色味を帯びているので、一目見ればすぐに区別できます。

シラウオのおすすめの食べ方

鮨ネタにも使われるなど生食することが多いのですが、稀に横川吸虫や顎口虫が寄生していることがありますので、生食する場合は-20℃以下で24時間以上冷凍することをお勧めします。
加熱して食べるのであれば、かき揚げ、お吸い物などシンプルな料理が、シラウオの旨味をしっかり感じることが出来るので、お勧めです。

出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/shirauonokakiage_shimane.html)

シロウオ

シロウオは産卵期を迎える早春に海から川に遡上します。漁期は地方によっても多少ずれますが、おおむね2月中旬頃から4月上旬です。ただし、愛媛県宇和島のように1月中旬頃から始まって2月中旬に終わるところもあります。
※シラウオとの違いはシラウオの項でご確認下さい。

シロウオのおすすめの食べ方

踊り食いが非常に有名ですが、稀に顎口虫が寄生していることがありますので、生食する場合は-20℃以下で24時間以上冷凍することをお勧めします。
加熱して食べるのであれば、かき揚げ、お吸い物などのシンプルな料理が、シロウオ自体の旨味をしかっり感じることが出来るのでお勧めです。

 

スケトウダラ(スケソウダラ)

タラの仲間は、冬の産卵期に浅いところまで上がってくるので水揚げが増えます。切身などで売られているものはマダラのほうが多く、スケトウダラは主に塩漬けや干物、竹輪や蒲鉾などの練り製品の原料として流通することが多いので、見かけることは少ないでしょうが、旨味は十分ある魚です。
またスケトウダラの真子は「タラコ」、「辛子明太子」の原材料として非常に人気が高い食材ですので、真子だけで流通することもあります。
3月になると鮮魚で見かけることはほとんどなくなりますので、今のうちに味わっておいてほしい魚です。

スケトウダラのおすすめの食べ方

非常にたんぱくで癖のない魚ですので、正直なんにでもあうと言わざるを得ません。ただ、やや旨味に欠けるのも事実ですので、油を使ったムニエルやフライなどが適当でしょう。どちらかと言うと低価格なお魚ですので、お財布の味方でもあります。新鮮な状態で入手できても、アニサキスなどの寄生虫がいる場合がありますので、生食はやめた方が良いでしょう。

 

トラフグ

フグの中で最も高級で「ふぐの王様」と称されるのがトラフグです。
今では養殖も盛んに行われていますので、一年中お目にかかることも可能ですが、旬は「秋の彼岸から春の彼岸まで」と言われており、2月がラストシーズとなり、産卵前のこの時期は白子も楽しめます。
ただし、フグは猛毒のテトロドトキシンを持っているため、調理は必ず免許を持っているプロにお願いしましょう。

トラフグのおすすめの食べ方

淡白な身質ではありますが、しっかりとした旨みと甘味を兼ね備えています。身・皮・ヒレ・白子などを楽しめることができ、刺身(てっさ)・鍋(てっちり)で美味しく召し上がれます。これから寒くなるにつれ、鍋料理はぴったりです。

ブリ

スーパーなどに並んでいるものはほとんど養殖ですので、1年を通して大きく身質が変わることはありませんが、天然のものは、春先から初夏の産卵期に向けて南下し、これに伴いドンドン脂が落ちてしまいますので、天然ものは2月がラストシーズンです。

ブリのおすすめの食べ方

冬の時期に獲れる天然ものは、養殖ものほどではありませんが、適度に脂が乗っているので、まずは刺身で、意外とさっぱりとお召し上がりいただけます。
もちろん、煮物、焼物などでも美味しく頂けます。

ホウボウ

とても艶やかな上、胸鰭と頭部がとても特徴的な魚で、釣りでもしない限り滅多にお目にかかれる魚ではありません。1年中水揚げがありますが、春から初夏に産卵期を迎えるため、2月がラストシーズンとなります。

ホウボウのおすすめの食べ方

30cmを超える大きなものもいますので、鮮度が良いものが入手できれば、お刺身がおすすめです。また、とてもいい出汁がでるので丸ごと煮付けにしたり、アクアパッツァやブイヤベースにすれば、余す事無く食べらます。

マサバ

マサバは回遊魚で、1年中どこかで水揚げがありますが、秋から脂が乗り始め、八戸、福井、三陸沖や銚子と南下していき、2月頃には福岡や長崎で水揚げが増えます。この時期は、九州で水揚げされた寒サバと呼ばれるものが、脂がのって美味しいとされています。
春から夏にかけて、ドンドン脂が落ちてしまいますので、この時期にしっかり味わっておいて頂きたい魚です。

マサバのおすすめの食べ方

サバは、アニサキスがいることがあるので、鮮度が良くても生食は控えたほうがよいでしょう(どうしても食べたい場合は-20℃以下で24時間以上冷凍)。
まだ脂がしっかりのっているので、焼き物、煮物などでも楽しめます。

マダラ

スーパーには解凍された切身が1年中並んでいるので、季節感がやや薄れていますが、「魚編に雪」と書いてタラ!まさに冬が旬の魚です。産卵期を迎える冬の時期に比較的浅瀬に寄るため、寒い間は水揚げが増えます。
また、マダラには100g中に0.2gしか脂肪分が含まれておらず、魚の中でもとりわけ少ない上に、値段もお手頃なのも魅力です。生鮮であればグルタミン酸などのアミノ酸が豊富に含まれているため、とても美味しい魚のひとつです。
3月になると、鮮魚で見かけることはほとんどなくなります。

マダラのおすすめの食べ方

癖のない白身は、何にしても美味しく頂けます。タラと言うと鍋にしてしまいがちかも知れませんが、ムニエルやフライなどにも最適です。また、この時期は、産卵期にあたるため、白子や真子も美味しく頂けます。白子は茹でてポン酢和えや天ぷら、真子は煮付けなどにすれば美味しく頂けます。新鮮な状態で入手できても、アニサキスなどの寄生虫がいる場合がありますので、生食は避けた方が良いでしょう。

マトウダイ

平べったくて、頭でっかちで、体の真ん中に大きな黒点が特徴です。底引き網漁の時期くらいしか見ることはできませんが、春の産卵期前に身質がもっとも良くなります。味の評価は高く、比較的安価なのですが、出回りはほとんどなく、スーパーでみることはまずないでしょう。
底曳き漁が終わる3月には、さらにお目にかかれなくなりますので、ぜひこの時期に味わって頂きたい魚です。

マトウダイのおすすめの食べ方

身がとにかく薄く、頭も大きいので歩留まりは悪いですが、鮮度が良いものが入手できれば、お刺身がおすすめです。ねっとりした身に、ほのかな甘さがあります。

ムシガレイ

標準和名で呼ばれることは少なく、‟ミズガレイ”とか‟ミズクサガレイ”と呼ばれていることの方が多いようです。カレイというと春から夏のイメージが強いのですが、地域差があるものの、年明けから初夏にかけて産卵期を迎えるため、秋から冬にかけて身質が最も良くなるとされています。
2~3月は産卵前で身質が一番良い時期ですので、見かけたらぜひ食べて頂きたい魚です。

ムシガレイのおすすめの食べ方

鮮度がバリバリであっても、水分が非常に多いので正直お刺身には向きません。この時期は肉厚なので、煮付けが最も良いでしょう。焼物や揚げ物などにする際は、水分を抜く作業が必要です。

ワカサギ

ワカサギと言えば、極寒の中、凍結した湖の一部に穴をあけて釣り糸を垂らす「穴釣り」が有名で、冬の風物詩として有名ですが、ほぼ通年漁獲されています。
2~3月は産卵前の身質が一番良い時期ですので、見かけたらぜひ食べて頂きたい魚です。

ワカサギのおすすめの食べ方

魚体が小さく、骨が柔らかいので、丸ごと食べることができます。小ぶりなものなら天ぷらやかき揚げ、南蛮漬け、佃煮に、大型なものならフライにすると美味しいです。

 

シバエビ

有明海や三河湾が産地として有名ですが、かつては東京湾の芝沖でたくさん獲れていた為、芝海老と呼ばれるようになったと言われています。
市場に出回るものは10cm程度と小さなものが多いですが、これから春先に向けて水揚げが増えてきます。

シバエビのおすすめの食べ方

鮮度が良いものは刺身で頂けます。また、殻が柔らかい為、そのままかき揚げや唐揚げもおすすめです。

ズワイガニ

昨年11月に始まったズワイガニ漁も、ほとんどの地域で3月禁漁となります。
輸入ものなどの冷凍は1年中出回っていますが、機会があれば国産の生鮮ズワイガニを味ってほしいものです。この時期を逃すと、11月までお目にかかれません。

ズワイガニのおすすめの食べ方

カニ本来の旨味を味わってほしいので、茹でガニ、焼きガニがお薦めです。身にカニミソを和えて食べると芳醇な香りが口の中いっぱいに広がります。
活きているものが手に入れば、お刺身やしゃぶしゃぶも良いでしょう。

タラバガニ

タラバガニの旬は諸説ありま、1年のうち2回美味しい時期があると言われています。1度目は流氷が去って身の甘みが増す4~5月で、2度目は脱皮を終えて身が詰まる11~2月にかけてと言われており、今の時期は後者になります。産地はオホーツク海のみなので、日本で水揚げされるのは北海道だけです。スーパーで売られているのは冷凍の輸入物ばかりですが、この時期は国産のタラバガニを味わってほしいものです。
ただし、身入りが極端に悪いものが混じることもありますので、購入される場合は一度持ってみるなりして確認して下さい(そういう意味では通販は少し恐いです)。
ズワイガニは3月で禁漁となりますが、タラバガニは初夏まで漁が続きます。

タラバガニのおすすめの食べ方

タラバガニの脚は、大きなものだと太く食べ応えがあります。おすすめは素直に、茹でガニ、焼きガニです。
ただし、タラバガニの仲間はズワイガニなどと異なり、カニミソは加熱すると流れ出てしまうので、一緒に味わうことはできませんので、ご注意を!
実をいうと、タラバガニは見た目がカニなので、名前にカニがついていますが、ヤドカリに近い種です。

カミナリイカ

コウイカによく似ていますが、体表にコーヒー豆のような斑紋が沢山散らばっているのが特徴です。また、エンペラと外套膜の間に境界を表すように青緑の縁取りが入っていることで区別できます。まとまった漁はありませんが、初夏まで、産卵のために沿岸によって来たものが水揚げされます。

カミナリイカのおすすめの食べ方

薄皮などの処理が少し大変ですが、鮮度が良ければ何と言ってもお刺身です。カミナリイカは比較的肉厚なので、細かい切れ込みを入れておくことで食べやすくなります。鮮度が良いものはしっかりとした歯ごたえが楽しめ、噛むほどに甘味が染み出します。また一度冷凍すると柔らかくなり、モチモチした食感となり、甘みも増すようです。

コウイカ

春先から夏のイメージのある地域も多いかもしれませんが、これは産卵のため浅瀬に寄ってくる時期で、水揚げは増えるものの、身は薄く旨味に欠けます。
この時期は、水揚げは多くないものの、身が厚く一番美味しいと言われています。
コウイカの仲間には、カミナリイカ、シリヤケイカなどがおり、一見して区別できないため、まとめてコウイカとして流通していることもあります。

コウイカのおすすめの食べ方

薄皮などの処理が少し大変ですが、鮮度が良ければ何と言ってもお刺身です。もちもちした食感と、甘味の強い身はコウイカの特徴ですので、この時期に味わうべきものです。また加熱しても、固くなりにくいので、天ぷらや焼物などにしても良いでしょう。

ソデイカ

食用となるイカの中では最大級で、大きなものは1mを超えます。産地でもなければ姿のまま見ることはないでしょう。
水揚げの半分以上は沖縄県で漁期は7~10月ですが、本州では山陰などの日本海側で秋から冬にかけてが漁期となります。

ソデイカのおすすめの食べ方

お刺身といいたいところですが、残念ながら大味で旨味にかけます。旨味が足りないということは、味付け次第でどうにでもなるということなので、炒めものや揚げ物などに向きます。加熱しすぎるとやや硬くなるので、火が入りやすい大きさにカットして下さい。

ホタルイカ

ホタルイカと言えば、富山湾の幻想的な漁が有名ですが、水揚げ量で最も多いのは浜坂漁港をはじめとする兵庫県、次いで富山県です。富山湾では毎年3月1日が解禁日ですが、兵庫県では富山見より早い1月下旬から始まり、3~4月に盛漁期を迎えます。2月は走りと言ったところでしょうか。

ホタルイカのおすすめの食べ方

ホタルイカは非常に傷みが早く、鮮度落ちが早いですので、流通しているもののほとんどは水揚げされてすぐに釜茹でされてから出荷されます。しかし、最近では袋に入れて活かしたまま流通もされていますので、値段を言わなければ鮮度の良いものを入手することも可能です。しかし、内臓には寄生虫がいることもありますので、生で食べることはお勧めしません。安全にと言うわけではありませんが、釜茹でを酢味噌で食べるのが一番美味しいのではないでしょうか。

ヤリイカ

漢字で「鎗イカ」と名前のごとく、鎗のような形をしており、軟骨も鎗のように尖っています。スルメイカやケンサキイカなどと似ていますが、「胴長短足」であることから見分けがつきます。
また、「夏のケンサキイカ、冬のヤリイカ」と言われるように、冬から春にかけて旬を迎えます。

ヤリイカのおすすめの食べ方

春先は、子持ちの小型の水揚げが増えますので、煮付けがおすすめです。
もちろん、鮮度が良くて大きなものが手に入れば、お刺身でコリコリした独特の食感をお楽しみいただけます。

イイダコ

漢字で「飯蛸」と書き、子持ちの卵が飯粒のように見えることから名付けられており、抱卵したメスの方が高値で取引されています。
漁期は産卵期に向けた1~3月と非常に短い上に、3月になるとかなり大振りになり、産卵明けのものも混じりますので、一番美味しいのは2月かもしれません。

イイダコのおすすめの食べ方

卵たっぷり詰まった子持ちのメスの煮付けは、イイ(飯)が口の中で広がり、とても美味しく頂けます。オスは炒め物や酢味噌和え、揚物、炊き込みご飯、おでんの具などにお勧めです。

アカガイ

二枚貝と言うと初夏に産卵期を迎えるため、春先が旬と言うイメ-ジが強いのですが、冬から春先に向けて旬を迎え、アカガイもその中のひとつです。アカガイは、人と同じようにヘモグロビンを含んだ血を持っているため、貝を開けると赤い血が流れ、身も赤みがあり、それが名前の由来にもなっています。昔は沢山取れて身近な食材だったそうですが、今では高級鮨ネタになってしまいましたので、お目にかかる機会も少なくなりました。また市場に出回っているものは、既にむき身に加工されている代用品や輸入品であったりしますので、機会があれば味わってほしい食材です。

アカガイのおすすめの食べ方

安いものではないので、必ず活きているものを入手しましょう。そのうえで、やっぱりお刺身です。アカガイ独特の甘みとコリコリとした食感を楽しみましょう。貝紐や肝は、わずかしかとれませんが、焼物などにしても美味しいです。

アサリ

アサリは海水の温度が20℃前後になる春と秋に産卵するので、その前の2~3月と、9~10月あたりが最も身が肥えて旬を迎えます。海水浴シーズンになると潮干狩りなどをよく見かけますが、夏は産卵後で身入りがあまりよくない時期でもあるため、正直お勧めしません。アサリは中国や韓国からも輸入されており、その量は国内の漁獲量と同じくらいか、それを上回るとされています。国産は愛知県が最も多く、次いで静岡、三重と続きます。

アサリのおすすめの食べ方

食べる前にはしっかり砂抜きをしておきましょう。アサリが砂を吐きやすいように20℃位の3%程度の塩水を用意し、平らな容器に重ならぬように並べるか、下に砂が溜まらぬようにカゴに入れて、光が当たりにくい暗いところで数時間放置しておきます。冷蔵庫に入れると口を閉じて休眠してしまうので、室温で行うと良いでしょう。旬の時期の物は肉厚で身がプリっとしていますので、あまり色々なことはせず、素直にアサリそのものの味を楽しむよう、味噌汁か酒蒸しがお勧めです。

 

エゾバイ

アクキガイ目の仲間は総じて、バイガイとかツブガイで呼ばれており、標準和名で呼ばれることはまずありません。食用として流通しているものは十数種あると言われていますが、細かく区別されて流通している様子もありません。加えて、この仲間は周年水揚げがあるため、旬という感覚があまりないのですが、エゾバイに関しては秋から冬に身質がぐっと良くなると言われています。

エゾバイのおすすめの食べ方

小さな貝なので、お刺身にすると食べるところがほとんどなくなってしまいます。
ごくごく一般的なのは、醤油などで甘辛く煮た煮物ですが、これが柔らかくて一番美味しいとされています。オーソドックスですが、下手な味付けをする必要はない旨味の多い貝です。

サルボウガイ

見た目はアカガイにそっくりで、山陰ではアカガイと呼んでいるところもあり、少しややこしいです。ただし、アカガイほど大きくはなりません。ちょっと前までは、缶詰などに加工されたり、アカガイの代用品としてむき身で流通したりしていましたが、旨味がアカガイに負けず劣らずです。産地以外に生鮮で出回ることはほとんどないので、流通の大半はボイルされたむき身です。岡山県の寄島海域では栽培もおこなわれています。

サルボウガイのおすすめの食べ方

鮮度が良ければアカガイと同じく刺身にできますが、かなり小さいので手間がかかります。産地では、佃煮などの煮物などにしており、岡山県ではばらすしの重要な具材のひとつです。

シジミ

日本にはヤマトシジミ、マシジミ、セタシジミの3種が生息していますが、現在流通しているものはほとんどがヤマトシジミで、マシジミとセタシジミはお目にかかる機会はほとんどありません。また1年中流通していることに加え、旬の時期に関しては諸説あり、「土用蜆は腹薬」という言葉があるように夏が旬と言う説、そして「寒しじみ」と言う言葉もあり冬が身が締まって美味しいとする説などがあります。しかし、他の2枚貝同様に産卵前の春から初夏にかけてが最も美味しい時期ではないでしょうか。
産地は青森県の十三湖、島根県の宍道湖、茨城県の涸沼川と利根川、北海道の網走湖とパンケ沼などがありますが、北のものほど大振りになりますが、味が薄いと言われているようです。

シジミのおすすめの食べ方

2月、3月はまだまだ寒い時期なので、体を温める意味で、やはり味噌汁が一番でしょう。他の2枚貝と比べ小さいので、食べにくさがありますが、この時期のシジミは身までしっかり味わってほしいものです。そのためには、食べる前にしっかり砂抜きをしておくことが大事です。汽水域が産地であれば1%程度の塩分を加え、淡水域が産地であれば真水のまま、平らな容器に重ならぬように並べるか、下に砂が溜まらぬようにカゴに入れて、光が当たりにくい暗いところで数時間放置しておきます。冷蔵庫に入れると口を閉じて休眠してしまうので、室温で行うと良いでしょう。
また、一度冷凍するとうまみ成分のコハク酸が増えると言われていますので、試してみる価値はあるでしょう。

タイラギ

タイラギは、食用としている貝類の中でも大型の二枚貝で、成長すると殻長は約30cm程度になります。外見が平らな貝であることから「タイラガイ」と呼ばれたり、海底に刺さって貝殻の半分くらいの砂底の上に出ている様子から「タチガイ」と呼ばれたりもしています。
韓国などからの輸入も多いですが、国内では有明海や瀬戸内海が主な漁場です。旬は産地によって多少違いはありますが1~4月にかけてで、年明けから最盛期を迎えます。

タイラギのおすすめの食べ方

主に貝柱の部分を食べます。歯応えがあり、旨みと甘味があり、薄く切ってお刺身や寿司、また、バター焼き、フライなどで食べると美味しいです。

バカガイ

バカガイというと美味しくなさそうですが、むき身になると「青柳(あおやぎ)」という高級寿司ネタに化けます。また、貝柱は「小柱」と呼ばれ軍艦やかき揚げなどに使われます。産地は、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海などとかなりの広範囲ですが、関東では重宝されるものの、ほかの地域ではあまり見向きもされません。むき身に加工したものは1年中流通していますが、沢山獲れる時期はハマグリやアサリと同じ春先から春にかけての時期です。

バカガイのおすすめの食べ方

他の2枚貝にも言えることですが、活貝を購入する時は、なるべく大き目のものを選びましょう。砂出しなどに手間がかかるので小さいとかなり面倒です。また、手に持ったときに重みを感じるものが良いでしょう。活きているものは、口をあけてオレンジ色をした斧足をデロンと出していますが、元気が良いものは触るとスッと勢いよく引っ込めるので、良い目安になります。調理前に砂抜きをしておくことはもちろんですが、それでも可食部分にまだ砂が残ることがありますので、加熱した後むき身にしてさらにもみ洗いをして砂を出す必要があります。処理は面倒ですが、美しい見た目とプリっとした食感はこの時期にしか味わえないものです。

ハマグリ

日本国内で流通しているハマグリは、ハマグリ、シナハマグリ、チョウセンハマグリ、タイワンハマグリの4種があります。このうちハマグリとチョウセンハマグリは国内に定着していますが、護岸工事や水質汚染などの影響からか年々減少しており、かなり高価なものとなりました。国産の主な産地は鹿島灘、伊勢湾、瀬戸内海西部周防灘、有明海の一部など限定されています。国内で流通しているもののほとんどは中国から輸入されたシナハマグリです。ハマグリの産卵期は5月から10月と言われ、旬は産卵に向け身に栄養をたっぷりと貯める春先の2~4月です。ハマグリは二枚の殻がぴたりと重なることから「夫婦和合」の意味で縁起が良いとされており、結婚式にハマグリのお吸物が出るのはこの為で、一生一人の人と添い遂げるようにという願いが込められています。また、ひなまつりに食べると「良縁」を招くとされ、吸い物などに欠かせない物とされていますので、旬の時期と重なり、出荷のピークを迎えます。広島県の一部地域では、お雑煮にハマグリを入れるところもあります。

ハマグリのおすすめの食べ方

他の2枚貝と同様に、砂抜きは必須ですので、お忘れなく。大きなものが手に入ればぜひ焼いて食べてほしいものです。殻のまま網やホットプレートの上で焼き、蓋が開いたら塩、醤油、酒、バターなどお好みの調味料でをかけ少し煮るような感じで焼き上げます。ただし、焼いていると加熱した側の貝柱が外れて、上の方の貝に身がくっついて開きますので注意が必要です(テレビなどでみるように、下側につくことはまずありません)。会が開いた時に出る汁をもったいないと思う方もいらっしゃるようですが、最初は貝に入っていた塩水がほとんどですので、捨てた方が良いようです。そうしないと、そのあとに出てくる出汁がしょっぱくなってしまうと言われています。

ホタテガイ

ホタテガイのほとんどは栽培や放流であり、計画的に生産されているため1年中安定して流通しています。産地は北海道がダントツ1位で、次いで青森県ですが、このふたつの産地で国内のほとんどを占めています。北海道が旬に関しては諸説ありますが、産卵が終わったあとの5~8月ころと、生殖巣が発達した12~3月が良いとされているようで、後者は生殖巣を食べられる時期となります。青森県産のものは、この時期に大きく育てるために栽培の途中で間引きする小さなホタテも多く出回ります。こちらは大きなものと比べ、柔らかく食べやすいのが特徴です。

ホタテガイのおすすめの食べ方

青森県産の小さなものは軽くボイルした生食用のベビーホタテとして出回っていますので、そのまま酢味噌などで召し上がっても美味しいですが、加熱してもあまり硬くはらないので、バター焼きなどもお薦めです。
また、1~2cmの小さな貝が出回るのもこの時期ですので、こちらは味噌汁などが良いでしょう。
殻付きの場合は、貝毒の危険性があるので、特に3月から秋口にかけては、万が一に備え中腸腺(通称ウロ)は必ず取り除いて下さい。むき身の場合はすでに取り除かれているので、問題ありません。

マガキ

広島県は養殖マガキの一大産地で、官民挙げてブランド化が進められてきたこともあり、全国の水揚げの60%を占めるとされています。10月頃から出荷が始まりますが、出始めのものは小さく、寒くなるにつれて身入りが良くなります。
実際の身入りのピークは産卵前の5月頃のようですが、冬を過ぎると需要がガタンと落ちてしまうため、この時期に獲れるものはほぼ100%冷凍されてしまいます。生鮮の出回りが多いのは2月一杯で、3月からお目にかかりにくくなくなります。

マガキのおすすめの食べ方

2月始め立春を迎えるものの、しばらくは寒い日が続きますので、やはり本命は鍋でしょう。ここは濃いめの味付けの土手鍋で、しっかり温まりましょう。

ミルクイ

一般的に「ミルガイ(ミル貝)」と呼ばれることが多く、また黒っぽいことから「黒ミル」や「本ミル」とも呼ばれています。
二枚貝ですが、水管が大きく発達している為、貝殻の中に引っ込めることができず、貝殻がぴったりとは閉じずに、水管が飛び出した状態になっています。
産卵期は3月と10月の2回あると言われ、その直前が美味しいと言われていますので、1~3月と9~10月が旬となります。

ミルクイのおすすめの食べ方

コリコリとした食感を楽しむことができ、磯の香と甘みが楽しめます。基本生きており、刺身や天ぷらがおすすめです。

ノリ(スサビノリ)

ノリは、6~8月に植えられたものが、11月頃から刈り取りが始まり、12月には最盛期を迎え、2月頃まで続きます。ノリは乾燥され保存されるため、年中流通していますが、新海苔は刈り取り直後のものは香りが良く、柔らかいので、ぜひ出来たてを食べてほしいものです。

ノリのおすすめの食べ方

鍋の締めの雑炊に、たっぷりかけて、新海苔の風味を味わいましょう。お雑煮に添えても美味しく頂けます。

ワカメ

ワカメはもずくなどと同様に、流通しているもののほとんどは栽培物です。冬に種付けし、早いもので1月下旬くらいから収穫が始まります。鮮度落ちが早いため、生鮮のままで出回るのは産地に限られ、消費地で流通しているものはにはボイルして塩蔵したものや乾燥品です。産地でもないと旬を感じにくいもののひとつですが、採れたてワカメはシャキシャキして非常に美味しいので、機会があればぜひ召し上がってほしい海藻のひとつです。生産地は三陸、鳴門海峡(兵庫県淡路島、徳島県)が特に有名です。

ワカメのおすすめの食べ方

生のわかめは茶色をしていますが、ボイルするときれいな緑色になり、シャキシャキした心地よい歯ごたえがあります。シンプルに同じ季節のものとあわせた、若竹煮やぬたなどがお薦めです。

マナマコ

国内で流通しているものは、アカナマコ、アオナマコ、クロナマコに選別されていますが、どれもマナマコで同じ種類です。生息場所や食べ物で、色が変わると言われてはいますが、詳しいことはわかっていません。このうちアカナマコは、身質が良いとされ3種の中では高値で取引されています。
ナマコは、海水温が低くなると活発に動き出すため、冬頃に漁獲量が増えます。特に12~2月頃は身が締り美味しい旬の時期を迎え、3月以降はまずお目にかかれなくなります。

マナマコのおすすめの食べ方

見た目にかなり抵抗があるナマコですが、コリコリとした食感を楽しめ、定番のナマコ酢で美味しくいただけます。他にも、甘辛煮なども美味しいですが、火を通し過ぎると硬くなるので注意が必要です。ナマコの内臓を塩漬けにした「このわた」は、ウニとカラスミと並び、日本の三大珍味と呼ばれています。また、卵巣を干したクチコも高級珍味です。