6月旬のお魚「アユ」

アユとは?

アユの語源は諸説ありますが、秋の産卵期に川の下流へ降りていくことから「アユル」(滴り落ちるという意味)、あるいは神にお仕えする食べ物であることから「饗(あえ)」に由来します。一説には、占いに使われる魚であることから、「鮎」という漢字が使われているともいわれています。
また、地方の人々が天皇の行幸の際に鮎を奉献した事例は数多く存在しており、今でも天皇陛下の即位式の時には、鮎が5匹描かれた万歳幡(ばんざいばん)という旗を立てる習わしが残っています。

分類

分類     サケ目アユ科アユ属
標準和名   アユ

特徴

基本情報

◆産 地
・天然又は稚魚放流による鮎の主な産地…茨城県、神奈川県、栃木県、岐阜県、愛知県、高知県
・主な河川別の鮎の漁獲量…相模川(山梨県~神奈川県)、那珂川(栃木県~茨城県)、長良川(岐阜県~三重県)、神通川(岐阜県~富山県)、吉野川(高知県~徳島県)
・養殖鮎の収穫量…愛知県、和歌山県、岐阜県、滋賀県、栃木県、徳島県

◆生 態
〈養殖〉天然孵化ものの採取と人工ふ化の2通りあります。4~6ヵ月かけて生育し、5月頃からそのまま出荷するパターンと、河川に放流するパターンがあります。河口堰やダムなどで遮られている河川が漁獲される鮎のほとんどは5月頃に河川に放流されたものです。
〈天然〉9~10月頃に産み付けられた卵は2週間ほどで孵化し、稚魚は川の流れにより海に流されます。おおむね翌年3月頃まで海で成長し、そのころから河川を上り始め、産卵に適した場所に達します。産卵後は死んでしまい、鮎は1年しか生きられないため、「年魚」とも呼ばれています。

◆漁 期
毎年解禁日は初夏で河川ごとに決められています。ほとんどが6月1日に漁解禁となり漁が増えます。秋頃は子持ち鮎が漁獲されます。

青色=産卵期  黄色=漁獲時期  赤色=最盛期

◆漁 法
釣り、投網、小型定置網、建網など

目利きのポイント

触ってみて、張りがあり硬く感じるものが良いです。また、体色がはっきりしているものがオススメです。
背越しにする場合は、15cm程度の小さめのものが骨も硬くないのでいいでしょう。天ぷらやフライにする場合は10cm未満がオススメです。

おすすめの食べ方

アユは何と言っても塩焼きという方が多く、あまり大きなものでなければ頭や骨もやわらかいので、そのまま丸かじりすることもできます。
他には、大ぶりなものであれば炊き込みご飯や田楽、小ぶりなものであれば背越し(刺身)や寿司、小さなものであれば天ぷらやフライ、稚魚は佃煮、抱卵したものは煮浸しなど、様々な料理に向けられます。養殖であっても通年は出回らず、初夏から初秋の魚なので、色々な料理で楽しみましょう。

アユの魚田

  • ▼材料(2人前)
    ・アユ      ・・・  2尾
    ・みょうが    ・・・  2個

  • 〈田楽みそ〉
    A白みそ     ・・・  50g
    A卵黄      ・・・  1/2個
    A砂糖      ・・・  小さじ1
    A酒       ・・・  大さじ1/2
    Aみりん     ・・・  大さじ1/2

▼作り方
①小鍋にAを入れ、よく混ぜ合わせて、弱火にかけ木ベラでぼってりするまで練り、火からおろして冷まします。
②アユは熱したグリルで香ばしく焼き、①の田楽味噌をたっぷり塗って、焦げ目がつく程度に焼きます。
③お皿に盛り付け、お好みでみょうがなどを添えます。

アユの背越し

  • ▼材料(2人前)
    ・アユ     ・・・  1尾
    ・大根のケン  ・・・  30g
    ・大葉     ・・・  1枚
    ・みょうが   ・・・  1/4個(5g)
    ・わさび    ・・・  適量
    ・紅たで    ・・・  適量
    ・花穂じそ   ・・・  適量
    ・菊の花    ・・・  適量

▼作り方
①アユのウロコとぬめりを包丁を使って取ります。
②ヒレを切り離します。
③頭に落とします。
④腹に切込みを入れ、内臓を取り除きます。腹の中をきれいに洗います。
⑤ペーパーで水気とぬめりをしっかりふき取ります。
⑥輪切りにしていきます。
⑦水氷でしっかり水洗いし、水気をふき取ります。
⑧お好みでお皿に盛り付けて完成です。

栄養素

良質なたんぱく質*1を含み、天然物に関しては低脂質*2です。また、内臓には、ビタミンA3が多く含まれ、ウナギに匹敵します。(あゆ天然内臓生1700µg/100g、あゆ養殖内臓生4400µg/100g、ウナギ2400µg/100g)カルシウムなどのミネラル*4も多く含まれています。

▼〈魚類〉あゆ 天然 生 100g当たりの栄養素

▼〈魚類〉あゆ 養殖 生 100g当たりの栄養素

※バランスの良い食事を心がけましょう。
*1たんぱく質とは、三大栄養素のひとつであり、血液や筋肉などの体をつくる主要な成分であるとともに、酵素などの生命維持に欠かせない多くの成分になります。エネルギー源として使われることもあります。また、たんぱく質は、アミノ酸で構成されており、体内で合成できるもの(非必須アミノ酸)・合成できないもの(必須アミノ酸)があり、後者は食事から摂取する必要があると言えます。
*2脂質とは、三大栄養素のひとつであり、1グラムあたり9キロカロリーと、三大栄養素の中でも最も高いエネルギーを得ることができます。重要なエネルギー源だけでなく、ホルモンや細胞膜、核膜を構成したりする働きがあります。
3ビタミンAとは、脂溶性ビタミンのひとつであり、レチノール活性当量(µgRAE)として表されます。清浄な視覚、免疫、生殖に不可欠であり、皮膚や粘膜の健康、正常な細胞分化などにも大切な栄養素です。
*4ミネラルとは、五大栄養素のひとつです。人間の臓器や細胞の活動をサポートしたり歯や骨のもとになったりといったとても重要な働きがあります。