5月旬のお魚「オニオコゼ」

オニオコゼとは?

不細工な顔つきと背ビレの棘に強い毒を持つことで知られています。
本人にとっては迷惑な話ですが、昔から醜いものの代表としてこの名前が付いたともも言われており(オコ=醜いもの、ゼ=醜い魚)、英名でもDevil Stinger(悪魔のトゲ)と呼ばれています。
ただし、見た目や扱いにくさには関係なく、すこぶる美味しく、漁獲も少ないことから高級魚として扱われることが多く、中でも活け物は鮨屋や割烹など高級料理店で取引され、量販店で見かけることはほとんどありません。

分類

分類     スズキ目オニオコゼ科オニオコゼ属
標準和名   オニオコゼ

特徴

※毒に注意!!
オコゼに万一刺されたら、刺傷直後より激しい疼痛、しびれ、知覚麻痺、刺入部位に水疱を形成し、発熱や悪心・嘔吐、下痢等の症状が現れます。重症例では関節痛、冷汗、発汗、悪寒、呼吸困難などが起こります。
特にオニダルマオコゼの毒は強力で、心肺機能不全、血圧低下などのショックにより死亡することもあります(死亡例は通常6時間以内)。
基本的処置としては、棘を確認し、残っていたら除去し、傷口を洗浄します。
すぐに病院へ行き、適切な処置を受けましょう。
調理する前にトゲはハサミなどできれいに切り落とし、他の生ゴミと混ざらぬよう厳重に管理して下さい。

基本情報

◆産 地
瀬戸内海沿岸、紀州、九州などの内湾(放流事業あり)

◆生 態
水深200m以浅の砂泥底であまり移動せず、周りの環境に合わせた擬態によって気付かずに近くに来た底生の小魚や甲殻類などを捕食しています。寿命は10年以上と比較的長いですが、成長がとても遅く、食べ頃サイズの20㎝には3~4年程かかると言われています。

◆漁 期
産卵期は初夏から夏にかけてなので、産卵前の5月頃が最も美味しく、盛漁期とされます。

青色=産卵期  黄色=漁獲時期  赤色=最盛期

◆漁 法
主に底曳網によって漁獲します。

目利きのポイント

刺身で食べるなら、活物または活締めされたものがよいでしょう。
死んでいる場合は、ともかく白っぽくなっているものは避けて、色がしっかり残っているものがよいでしょう。
触るのはちょっと危険ですが、体表に艶と張りがあり、エラが鮮やかな紅色であれば問題ありません。
背ヒレなどが取り除かれているものは、身の色が透明なものを選びましょう。

おすすめの食べ方

鮮度が良いものは何といってもお刺身です。
活締めしたものは歯ごたえが良いので、薄造りがお薦めです。
小さめのものや鮮度が少し落ちたものは、唐揚げやお吸い物がよいでしょう。
他にも色々料理はあるようですが、オコゼについてはいらぬことはせず、素朴な料理でそのままのおいしさを味わうのがベストでしょう。

オニオコゼのお刺身

  • ▼材料(2人前)
    ・オニオコゼ ・・・  1尾(400g)
    ・大根のけん ・・・  適量
    ・大葉    ・・・  適量
    ・わさび   ・・・  適量
    ・ネギ    ・・・  適量
    ・揚げ油   ・・・  適量

▼作り方
①オニオコゼは三枚に下ろす。
②薄造りにする。
③薄切りにした身を氷水につけて〆る。
④お好みでポン酢等をつけていただく。

オニオコゼの唐揚げ

  • ▼材料(2人前)
    ・オニオコゼ ・・・  1尾(160g)
    ・塩     ・・・  適量
    ・こしょう  ・・・  適量
    ・片栗粉   ・・・  適量
    ・揚げ油   ・・・  適量

▼作り方
①オコゼは背ビレ、ハラワタ、エラを除去する。
②中骨を中心に身が開くように、骨を両側に切れ目を入れて背を開く。
③塩コショウを振り、片栗粉をまぶす。
④骨まで火を通すために140℃の油で5~10分じっくりあげて火を通す。

栄養素

オコゼは、良質なたんぱく質を含み、身に脂肪分が少なく低脂肪であるので、低脂肪高たんぱく質の食材です。また、丸ごと唐揚げにすると骨まで食べることができるので、カルシウムも摂取できます。

▼〈魚類〉おこぜ 生 100g当たりの栄養素

※バランスの良い食事を心がけましょう。
*1たんぱく質とは、三大栄養素のひとつであり、血液や筋肉などの体をつくる主要な成分であるとともに、酵素などの生命維持に欠かせない多くの成分になります。エネルギー源として使われることもあります。また、たんぱく質は、アミノ酸で構成されており、体内で合成できるもの(非必須アミノ酸)・合成できないもの(必須アミノ酸)があり、後者は食事から摂取する必要があると言えます。
*2脂質とは、三大栄養素のひとつであり、1グラムあたり9キロカロリーと、三大栄養素の中でも最も高いエネルギーを得ることができます。重要なエネルギー源だけでなく、ホルモンや細胞膜、核膜を構成したりする働きがあります。
3カルシウムとは、ミネラルの中でもっとも多くの人間の体内に存在しており、骨や歯を形成する重要な成分です。