11月旬のお魚「ウマヅラハギ」

11月になると、寒さが増し、いよいよ本格的な冬を目前に、ほんのり残った秋を楽しめる季節です。
この時期から、海水温も下がり、魚も寒さから身を守るため脂肪を蓄えるので、脂の乗った魚が多くなります。
中でも、今月は、秋から冬にかけて濃厚な肝が味わえる「ウマヅラハギ」のご紹介です。

ウマヅラハギとは?

本種は、カワハギの仲間であり、ウロコが無くザラザラとした皮に覆われています。
見た目が馬のような面長な顔を連想させることから、馬面のカワハギ=ウマヅラハギ(馬面剥)と名づけられました。
カワハギの仲間で通常食用とされているのは、ウマヅラハギ、カワハギ、ウスバハギの3種です。(詳細は下記参照)
ウスバハギを除き、ほぼ周年漁獲されますが、産卵期も終え、身も肝も充実する晩秋から冬にかけてが、一番おいしいとされています。
フグの仲間でもあるため、食感も味もフグに匹敵するという人もいるくらいで、これからは、最も堪能できるシーズンになります。

分類

分類     フグ目カワハギ科ウマヅラハギ属
標準和名   ウマヅラハギ
流通名    ウマヅラ、クロハギ

特徴

分布域・生態

北海道以南の日本各地や東シナ海、南シナ海などに分布しています。
水深200m以浅の沿岸に生息していますが、大体は水深100m以浅の砂泥底や岩礁域に生息しており、昼間は中層を夜間は底層を群れで泳いでいます。食性は雑食性で、幼魚はクラゲを好んで食べ、成魚は甲殻類や貝類、海藻などを丈夫な歯で捕食しています。
ここ瀬戸内海では、定置網や五智網が主流となっており、春から初夏にかけては定置網で漁獲されるものが多くなります。

漁期

産卵期が4~7月であるため、その時期を外した秋~春先を旬としています。晩秋頃から冬場は、魅力の一つでもある肝が大きく濃厚になり、産卵に近づくにつれて卵や白子を持ったものが多く水揚げされます。

※地域によりずれが生じます。

目利きのポイント

丸のまま購入する場合は、肛門から中身が出ていないもの、身が潰れたり折れたりしていないもの、皮が擦れていないもの、眼が澄んでいるものがよいです。また、頭に切れ込みが入っているものは活締めをしているので、特にお勧めですが、血が固まっていたり、皮にシワがあるものは鮮度が落ちているので避けた方がよいでしょう。
皮をむいてあったり、切身になっているものは、身に透明感と艶があり、弾力があるものがよいでしょう。
ドリップや血が出ているものは、古い可能性があるので避けましょう。

おすすめの食べ方

肝の美味しさが魅力的なので、薄造りにしてさっぱりな身に濃厚な肝を取り合わせた肝醤油でいただくのが定番です。また、サイズが小さくお刺身にしづらいものは、頭と皮を除去して煮付けに、また揚物にしても美味しくいただけます。余ったアラは、お吸い物にすると余すことなくいただけます。


  • ウマヅラハギのお刺身

    ▼材料(2人前)
    ・ウマヅラハギ  1尾
    ・大葉      2枚
    ・大根      15g
    ・食用菊     1個
    ▼作り方
    ①ウマヅラハギは皮をとり、3枚に下ろし、骨、薄皮を取り除く。
    ②身に軽く塩を振り2~3分置き、軽く水洗いする。
    ③水洗いが終わったら、キッチンペーパーなどで水気を取る。
    ④身をそぎ切りにする。
    ⑤肝は水洗いをしっかりして、軽く熱湯に通した方が無難。
    ⑥器に大根と大葉を敷き、1と2、食用菊を盛りつければ完成。
    ※必ず、活締めの鮮度が良いものを使用して下さい。


  • ウマヅラハギの煮付け

    ▼材料(2人前)
    ・ウマヅラハギ  1尾
    ・肝       適量
    ・ごぼう     5㎝幅2本
    A水       2カップ
    Aほんだし    少々
    A砂糖      大さじ1
    ・濃口醤油     大さじ2
    ・みりん      大さじ1
    ▼作り方
    ①ウマヅラハギの皮を取り、適当な大きさに切り、水洗いする。
    ②切身を熱湯で軽く茹でる(20~30秒くらい)。
    ③水洗いして、汚れやアクを洗い流す。
    ④鍋にウマヅラハギ、生姜、Aを入れる。
    ⑤灰汁を取りながら煮立つ直前で醤油を入れて、落し蓋をし中火で5~10分ほど煮る。
    ⑥ゴボウと肝を入れて、タレを回しかけながらさらに煮つめる。
    ⑦仕上げにみりんを入れ、軽く煮立たせて完成。


  • ウマヅラハギのお吸い物

    ▼材料(2人前)
    ・ウマヅラハギ  1尾
    ・水       400ml
    ・顆粒だし    少々
    ・塩       少々
    ・薄口醤油    小さじ3
    ・ネギ      少々
    ▼作り方
    ①ウマヅラハギの切身を熱湯で軽く茹でる(20~30秒くらい)。
    ②水洗いして、汚れやアクを洗い流す。
    ③鍋に水、顆粒だし、塩を入れ中火にする。
    ④鍋にウマヅラハギの切身を入れて中火~弱火にかける。
    ⑤でてきたアクを取り除く。
    ⑥アクを取り除き終えたら弱火にして薄口醤油を入れて10分くらい煮る。
    ⑦味見をして、調整する。
    ⑧椀に盛り付け、刻みネギを散らせば完成。


  • ウマヅラハギの唐揚げ

    ▼材料(2人前)
    ・ウマヅラハギ  1尾
    A醤油      大さじ2
    A酒       大さじ2
    Aみりん     大さじ1
    A砂糖      大さじ1
    片栗粉        適量
    揚げ油        適量
    添え物は、レモンやレタスなどお好みで
    ▼作り方
    ①ウマヅラハギは皮をとり、3枚に下ろし、骨、薄皮を取り除く
    ②一口大に切る。
    ③ボウルにAを混ぜ合わせ、身を漬け込む(薄味なら1時間程度、濃い味なら半日程度)。
    ④片栗粉をまぶし、180℃の油で揚げる。
    ⑤お皿に盛り付け完成。

栄養素

エネルギーは、低エネルギーの魚であるマダラ(77kcal)と比較しても低エネルギーであると言えます。また、良質なたんぱく質を含み、マダイ(20.6g)と比較しても多く含んでいると言えます。脂質は0.3gと少なく、「低カロリー・高たんぱく質・低脂質」なお魚です。
※うまづらはぎ 生 100g当たりの栄養素