1月旬のお魚「コノシロ」

日中は暖かいときもありますが、朝晩めっきり冷え込んで、冬の到来を感じる今日この頃。
寒いのは苦手な方もいらっしゃるでしょうが、寒くなるこの時期に美味しくなる魚は沢山いて、魚好きには耐えられない季節でもあります。代表的なものとしては、アンコウ、サバ、ヒラメ、ブリ、フグなどですが、今回紹介するコノシロもこの季節に美味しくなります。
コノシロというより、寿司ネタのコハダとしての方がよく知られているかもしれません。コノシロは光物の代表として江戸前寿司にはなくてはならない存在ですが、残念ながら西日本ではそこまで珍重されていません。量販店などでもみることはほとんどありませんが、季節を感じ取れる魚の一つであることに間違いはありません。

コノシロとは?

「コノシロ」と呼ばれるようになったのは、戦国時代のようで、当時「飯」の事を「コオ」や「コ」と言い、沢山獲れたこの魚を「飯の代わりにする魚」という意味で「飯代(こおのしろ/このしろ)」と呼ばれるようになったという説があります。その他にも、焼くと人を焼いたような匂いがすることを利用し、訳あって娘が死んだことにし、身代わりにこの魚を棺桶に詰めて焼いたので、「子の代」と呼ぶようになったという伝説もありますが、後者は少し怖い話ですね。
ただ、昔から馴染みのある魚であることは間違いなさそうで、昔「ツナシ(都奈之)」と呼ばれていたようで、万葉集の中で大伴家持の歌に「…つなし捕とる 氷見ひみの江え過ぎて 多祜たこの島」と出てきます。現在でも瀬戸内周辺ではツナシとも呼ぶところがあるようです。

また、前回ご紹介したボラ同様、コノシロも出世魚のひとつで、成長する順に「シンコ(稚魚4~5cm)」→「コハダ(7~10cm)」→「ナカズミ(12~13cm)」→「コノシロ(15cm程度)」と呼ばれています。成長過程によって、それぞれの美味しさが味わえ、例えば「シンコ」は7~8月頃、「コハダ」は8~9月頃、「コノシロ」は11~2月が最も美味しい時期と言われています。大きなものはとても安いですが、サイズの小さい「シンコ」は時にkg10万円を超える程の高値になり、高級魚として扱われています。

一般に成長によって呼び名が変わるものを出世魚といいますが、その代表格であるブリとは異なり、成長するにつれて価値が下がってしまう魚を果たして縁起物の出世魚として言ってよいかは少し疑問が残ります…、

分類

分類     ニシン目ニシン科コノシロ属
標準和名   コノシロ

特徴

分布域・生態

コノシロは新潟以南の日本海沿岸と、松島湾以南の太平洋沿岸の内湾や河口汽水域に生息し、南は東シナ海や南シナ海まで広く分布しています。
内湾性の魚で、春から秋にかけて海面近くから中層を群れて泳ぎ、産卵期の4~5月には汽水域を中心に、非常に狭い範囲で回遊します。
コノシロにあまり季節感を感じないのは、このように大きな回遊をしないためほぼ1年中水揚げがあること、台湾などの南方でも獲れることなどが原因なのかもしれません。
主にカイアシ類などのプランクトンを捕食しており、ここ瀬戸内海沿岸では、小型定置網で漁獲されています。

漁期

大きさによって獲れる時期が異なりますが、1月でいえば、コノシロが旬になります。
※地域によりずれが生じます。

目利きのポイント

丸のまま購入される場合
コノシロは、鮮度落ちが早い魚なので、目が澄んでいて赤くないものやウロコが綺麗についていて、腹側が銀色なもの、エラが鮮紅色であるものを選びましょう。

おすすめの食べ方

コノシロは、旨みがあり、この時期は特に脂が乗って美味しくなりますが、小骨が多く、処理が少し面倒です。
広く知られているのは酢じめですが、刺身と同様、生食する場合は、小骨の多い腹の部分を大胆にカットすることが必要です。
また、塩焼きなどでいただく場合は骨切りをするなどの工夫をするとおいしくいただくことができます。そのほかにも煮つけやソテー、唐揚げ、てんぷらなどにも向きます。
コノシロは、塩分濃度が低い内湾や汽水域に生息しているため、寄生虫がつきやすくなっていますので、特に刺身のように生のまま食べる場合は、注意が必要です。


  • コノシロの酢締め

    ▼材料(2人前)
    ・コノシロ  2尾
    ・塩     適量
    A酢     100ml
    A砂糖    大さじ1
    A昆布    1枚
    ▼作り方
    ①コノシロは、ウロコを取り除き、頭を落として、内臓を取り除く。
    ②流水で丁寧に洗い、水気をふき取る。
    ③三枚に下ろし、腹骨を取り除く。
    ④バットにフィーレを並べて、結構しっかり塩を振り、30分おいておく。
    ⑤塩を洗い流し、水気をペーパーでふき取る。
    ⑥ボウルに調味料を混ぜ合わせ、コノシロを漬ける。(1時間程度)
    ⑦骨が多いので、切込みを入れて、適当な大きさに切る。
    ※捌き方は、YouTubeをご覧ください。(1月投稿予定)


  • コノシロの塩焼き

    ▼材料(2人前)
    ・コノシロ  2尾
    ・塩     少々
    ▼作り方
    ①コノシロは、ウロコを取り除き、頭を落として、内臓を取り除く。
    ②流水で丁寧に洗い、水気をふき取る。
    ③塩を振り、グリルで焼く。

栄養素

コノシロは、良質なたんぱく質を含み、ビタミンB2、ビタミンB12、ビタミンD、ミネラル類が多いとされています。